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2023年3月17日 (金)

東大寺二月堂青石段の展覧会へ

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美術作家であり歌人であり文体論研究者(博士)である田中教子(のりこ)さんの展覧会が19日まで東大寺金鐘会館でひらかれていますので初日拝見してきました。

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「菩薩界への道」というフランスの2022SNBAソシエテ・ナショナル・デ・ボザールの総合金賞・インスタレーション金賞のW受賞の作品です。

140×1400cmという大作でその一部の写真です。二月堂の南階段、青階段を東大寺の許可を得て、早朝拓本にとられた作品です。和紙、墨、金泥。

田中教子さんの紹介は近畿大学のページにあります⇒https://www.kindai.ac.jp/lit-art-cul/news/topics/2022/10/037028.html

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そしてお水取りのお話を90分間にわたり聞きました。このほどお水取りを満行された望月大仙師とそばでお世話をされたという佐藤慧雲さんに対して、
日本画家であり造形作家であり歌人であり華厳宗僧侶である中田文花(もんか)さんが対談されたものです。なかなかうかがえないお水取りの深いお話でした。お風呂のこと。南無観のお話など。紙衣やさしかけなどいろいろな道具なども拝見できました。

真ん中が鎌倉のお寺の望月大仙師、右が佐藤慧雲さん、左が中田文花さん(写真も拝借しました)。

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望月大仙師のHP⇒https://www.fugenkoumyouji.jp/

中田文花さんのHP⇒http://bunchoji.com/

展覧会は19日まで(10時~16時30分まで)。東大寺金鐘会館の地下小ホールにて。入場無料。

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毎日新聞大阪本社の花澤茂人記者の奈良版の記事です。(画像はクリックすると拡大します)

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2023年3月15日 (水)

吉野山 祈りの桜 保山耕一さん上映会より

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映像作家の保山耕一氏の作品上映会が3月12日にありました。 

吉野山の映像詩「祈りの桜」です。

映像をごらんください。

https://www.youtube.com/watch?v=ohaauTlAx6Y

 

私はこの映像を拝見して、短歌を詠み、上本京子さんに朗読して頂きました。そして私も登壇し中川直子さんとお話しをしました。

 

アベマリアの調べ響きて吉野山の祈りの桜いま咲き満ちる   松森重博

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ありがとうございました。(中井郁子さんからいただいた写真)

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檜垣さんから頂いた写真。

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2023年3月12日 (日)

美ビット見て歩き ※114

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(大阪市立自然史博物館HPより拝借)

毎月奈良新聞で読むのを楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビット見て歩きは、大阪市立自然史博物館で開かれる、特別展「毒」です。

高校まで東大寺の近い林の中に住んでいたという体験から初めてうかがうお話は驚きました。ムカデに噛まれたのはともかくもマムシにも噛まれたという経験があるということです。

ポスターが印象的であったとのこと、HPから画像を拝借しました。興味深いお話です。ちょうど3月18日から大阪市立自然史博物館で開催されるということです。

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *114 川嶌一穂

大阪市立自然史博物館特別展「毒」

写真 特別展「毒」ポスター(大阪市立自然史博物館、読売新聞社、関西テレビ放送提供)

 

 高校まで東大寺に近い林の中に住んでいたので、色々な「毒」体験をした。夏はムカデ。大きいものだとゆうに15cmはあった。咬まれるのはたいてい寝ている間で、寝返りを打ったりして知らずにこちらが踏みつけるのだろう、熱くて痛くて飛び起きる。本気で噛まれたときは、2週間ほどパンパンに腫れ上がり、冷たく冷やすくらいしか対処法はない。痛痒くなってくると、そろそろ治りがけだ。
ムカデは何故かゴムの長靴が好きで、たまに中に潜んでいることがあるので、長靴を履くときは必ず底まで手を突っ込んで、いないことを確かめなくてはならない。何しろ百本も足があるので(?)、逆さに振ったくらいでは落ちてこない。手を突っ込む時の怖いことといったらなかった。

 マムシにも一度咬まれた。雨の夜、父の大きな下駄を履いて数歩離れた外の風呂に行こうとしたとき、暗くて何が起きたか分からなかったが、とんでもない痛みで、すぐに駆け戻った。両親が、左足の小指に傷口が二つあるのでマムシだろうと言って、ナイフで傷をつけて、二人で代わる代わる口で毒を吸ってくれた。それから父の自転車に乗せられて病院に走り、血清を打ってもらった。血清があって事なきを得たが、二つの傷口はその後何十年も消えなかった。

 ヒルもいた。蜂にも刺された。セイヨウイラクサの群落に足を突っ込み、体調の悪いときは漆の木のそばを通っただけでかぶれた。自然に囲まれた昭和の子供の「毒」の記憶は鮮明だ。

 先月ある美術館を訪ねたおりに、他の美術展のポスターを貼ってあるコーナーで、異色の一枚に目がとまった。真ん中に、血が垂れているような大きな「毒」の文字。右側のショッキングピンクの血糊の上でセアカゴケグモが不気味な頭部を見せ、画面の左から蛇が鎌首をもたげている。その蛇を守るように生えるキノコとトリカブト。「きゃー!」

怖いもの見たさで、数日後、つい東京上野の国立科学博物館に行ってしまった。コロナ禍のこの3年間の人出の減少もどこ吹く風と、会場は人であふれていた。子供連れも多く、子供が親に説明している微笑ましい光景も見られた。

 入り口を入るとハブの巨大な模型が大口を開けて牙を剥いている。リアル過ぎて、やはりちょっと来たことを後悔する。オオスズメバチ、イラガの幼虫の模型が続くうちに、少しずつ慣れてきた。

 トリカブトや水仙、チョウセンアサガオなどは、毒のある植物として有名なのであえて触ることはしないが、ビワの種、隠元豆など身近な食べ物にも毒があると知って驚いた。隠元豆は胡麻よごしも天ぷらも大好きなので、これから熱をよく通すことに気をつけたい。加熱すると大丈夫らしい。

 会場に「日本における過去50年間の種子植物による食中毒」の表があったが、それによると件数は少ないが、死者数(900人以上)断トツ1位はジャガイモである。新芽や、日光に当たって葉緑素ができた部分にソラニンというアルカロイドが含まれる。家庭菜園や理科実習で収穫したジャガイモで集団食中毒が起きているそうだ。

 アジサイが全草に毒があることは知らなかった。夾竹桃は丈夫なのでよく高速道路の脇や公園に植えられている。これも全草に毒があり、青酸カリを上回る毒性を持つことはあまり知られてないように思う。

 山歩きの仲間からは、素人は絶対にキノコに手を出してはいけないと厳命されている。琵琶湖西岸のどこかの山だったと思うが、「火炎茸(カエンタケ)」という、その名の通り株立ちした、見た目も毒々しい真っ赤なキノコを見たことがある。これは世界的にもまれな「触ってもいけない」レベルの毒きのこで、近年日本各地で発生している。

 「鉱物に由来する毒」のコーナーに、人体を構成する元素のうち鉄、亜鉛、鉛などの微量元素は、取りすぎると「過剰症」、過ぎれば「中毒」で、足りない場合は「欠乏症」になる、という興味深い指摘があった。「毒」はその摂取量が問題である。まさに「毒と薬は紙一重」なのだ。

 「あ、これも毒か」と気付かされたのは、「人間が作った毒」だ。分解されにくいために拡散し、生物に蓄積する殺虫剤、PCB、ダイオキシンなどのPOPs(残留性有機汚染物質)である。またプラスチックごみの劣化によって細かくなったマイクロプラスチックも、長く環境に残り、回収不能だ。月ヶ瀬の友人が、里山に竹やぶが入り込んで困っていると言う。昔のように竹皮を包装材に利用すれば、一石二鳥と素人は考えるがどうだろう。

ユニークな切り口で、展示に工夫がなされた展覧会は楽しかった。たまには理系の展覧会もいいものだ。大阪展の会場である長居公園は、元の職場に近く、毎年夏は大池一面に咲くハスの花を楽しみに訪れた。今は全滅したと聞いて悲しい。

 前回(二月十日付)本稿の写真説明の文に誤りがありました。「光琳かるた『取り札』」を、「光琳かるた『上の句札』」と訂正致します。指摘下さった読者に御礼申し上げます。

=次回は令和5年4月14日付(第2金曜日掲載)=
  ・・・・・・・・・・・・・・・
かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

メモ 大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
 http://www.mus-nh.city.osaka.jp/ 

大阪市東住吉区長居公園1−23。電話=大阪市総合コールセンター06-4301-7285。
大阪メトロ御堂筋線「長居」3号出口・東へ約800m。JR阪和線「長居」東出口・東へ約1km。

会期は、来週3月18日(土)〜5月28日(日)。月曜休館(ただし、3月27日、4月3日、5月1日は除く)。

 

 

2023年2月21日 (火)

3月12日の保山耕一氏の映像上映会の受付開始

保山さんの3月12日の上映会の申し込みが開始されます。21日21時から。

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【チケットウェブ予約のお知らせ】
突然ですが、3月12日公演のチケット予約を21日火曜日午後9時から受付開始します。
今回も隣の席を空席にしての開催となります。
感染予防対策でもありますが、お客様に映像と音楽に包まれリラックスしていただく事が一番の目的です。インフルエンザも流行していますしね。

3月公演は第一部が作品上映会。

第二部がラジオの公開収録。
そして、「歌を歌おう」でフィナーレとなります。
上映会の内容は、リクエスト特集。
2ヶ月にわたって2022年を映像詩で振り返りましたが、たくさんのリクエストが届いており、それにお応えしたいと考えております。
今からでも、皆様からのリクエストをお待ちしています。
2022年に限らず、あなたのお気に入りを教えてください。
出来れば、コメントを添えて下されば合わせてご紹介します。
あなたの思い出と共にある映像詩のリクエストを心からお待ちしています。どうかどうか、よろしくお願いします。
ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」司会は中川直子局長。ゲストは興福寺の辻明俊師と大安寺の河野裕韶副住職のお二人。365日つながりのお二人をお招きします。
ロビーでは「興福寺の365日」「大安寺の365日」著書の販売とサイン会を開催します。この機会に是非!
(本当は五條永教師もお誘いしての企画でしたが、ご予定がありとても残念です)
そして、最初で最後のレア企画、岡本彰夫先生と私が対談(させて頂きます)本来なら出会うはずのない別世界で生きてきた二人が不思議なご縁でつながったお話をします。私が撮影して岡本先生にお贈りした貴重なビデオ作品(?)も少しだけ上映します。

フィナーレの「歌を歌おう」は大垣知哉さんが歌います!
3月もギター牧野由希子さんのアレンジでお届けします。

オープニングはバイオリン秦進一さんとピアノすみかおりさんによる「虹の彼方へ」ではじめます。
朗読は上本京子さん、松森重博さんとのコラボもあります。

実は隠れファンの多い竹田次長の奈良公園レポートもネタがあれば出動します。竹田次長にレポートして欲しいネタがあれば、教えてくださいね。中継ネタ募集中!お待ちしております。

3月公演は年度末ということもあり、区切りになるような、そんな気持ちで構成したいと考えています。
4月から始まる新年度のお話は出来ませんが、上映会で何度もお話ししたように、「当たり前だった事が突然気が付けば終わっている」常に後悔ややり残したことのないよう、全力でやります。
たくさんのスタッフに支えられ、たくさんのお客様から応援をいただき、映像作家として4kプロジェクターとタイムドメイン音響という最高の環境で映像詩を上映出来ることに心から感謝し、皆様をおもてなしします。
ご期待ください!、どうか、よろしくお願いします。

3月上映会ウェブ受付
https://event.nara.jp/sp/mar
ウェブ受付は一度のお申し込みで2名までとなります。
3名以上は2度に分けてお申し込みいただくか、メールでお願いします。
hozan4kmovie@gmail.com

電話でも1名様から受け付けます。
電話0742-24-5611、ならどっとFM
清水真貴や保山のメッセンジャーでも承ります。

 

2023年2月12日 (日)

美ビット見て歩き *113

川嶌一穂さんの美ビット見て歩き、年明けて初めての今月は、百人一首について興味深く書かれています。

川嶌さん、今年もよろしくお願いします。

後鳥羽上皇、藤原定家。わたしは百人一首について知らないことが多いことがわかりました。百人一首の英訳もあるのですね。

かつて、テレビラジオ新聞などでよく拝見していた、放送作家の織田正吉さんも百人一首の研究家であったそうです。(亡くなられていたのは知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします)

(画像をクリックすると拡大します)

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *113 川嶌一穂

 

藤原定家選小倉百人一首

 

写真 「後鳥羽院」「光琳かるた上の句札」(『別冊太陽 百人一首』昭和54年刊より)

 

 お正月と言えば、小さいときは親の膝に座って「これこれ」と教えられた札を取ったり、「坊主めくり」には一人で参加したりして、子どもの頃から百人一首のかるた遊びに親しんできた。


 亡き母は「昔取った杵柄」と呟きながら、いつも一位を保っていた。とくに「カク・サシ」という二字決まりの「かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを」(藤原実方朝臣)は、絶対に人には取らせなかった。


短大で教えるようになって、授業で百人一首を取り上げた時、学生の人気第一位は「このたびは幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」(菅家)だった。音の響きがいいのだろう、ポップな音楽を聞いている若者らしい。


 そのとき授業で使ったマックミラン・ピーター著『英詩訳・百人一首』(集英社新書・2009年<絶版>)は、全百首がシンプルな現代英語に翻訳されていて、分かりやすい。
中でも「たち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰り来む」(中納言行平)の英訳は興味深い。この歌は「松」と「待つ」という掛詞がどう処理されるかが見どころだが、なんと英語のpine に、「松」という名詞の他に、「恋い焦がれる」という動詞があって、「松とし聞かば」は、そのまま if I hear you pine for me と訳されている。何たる偶然!


年に一度でも毎年百人一首で遊んでいると、少しずつ気づくことがあった。読み札の絵の天智天皇や持統天皇が衣冠束帯や十二単という平安の衣装を身にまとっているのは、選歌した定家のあずかり知らぬこととして、百首には同じ語句が多い。たとえば下の句が「ひと」で始まる歌は九首もある。だからこそかるた遊びは面白いのだが、歌集として何らかの意図があるのだろうか。


西行法師は「なげけとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな」の一首が取られているが、西行には他にいい歌がたくさんある。実際、定家に「白雲とまがふ桜にさそはれて心ぞかかる山の端ごとに」の歌があるが、これは西行の「おしなべて花のさかりになりにけり山の端ごとにかかる白雲」(『山家集』)を本歌としている。この歌を西行の一首として入れてもよかったのだ。


この、百首に重なる語句が多いことと、百人の歌人の最高の歌が選ばれているわけではないことにこだわり、定家の百首選歌の秘められた意図を解明しようとしたのが、お笑いの放送作家・織田正吉さん(2020年没)である。


鎌倉時代初期の歌人・藤原定家(1162−1241)は、何百年と政権の座にあった貴族が、新興勢力である武家に政治の力を奪われるという激動の時代に生き、九十一歳で亡くなった父・俊成には及ばないものの、病弱の身ながら八十歳まで頑張った。生涯に『新古今』と『新勅撰』という二つの勅撰和歌集を撰進し、歌道の家としての支配的地位を確立して、まさに「家ヲ定メ」た。


かたや後鳥羽上皇(1180-1239)は、時の執権・北条義時追討の院宣を出し、承久の乱を起こしたが、幕府軍に完敗する。子の順徳上皇は佐渡島に、後鳥羽上皇は隠岐島に流され、赦されることなく配所の隠岐島で崩御された。


 織田さんは語るー院の勅命により編纂された『新古今集』の選者を定家とともに務めた藤原家隆らかつての歌臣は、隠岐に流された以後も後鳥羽院と音信を交わし続けた。いっぽう定家の周辺は、義弟・西園寺公経が太政大臣となり、主家九条家の頼経が鎌倉四代将軍に迎えられるなど親幕派で占められていた。それでこそ権中納言という地位にも昇進できたのだろう。定家は隠岐の院とは一切の通信を絶ち、院は定家の冷淡さを詠った。呪詛と言ってもよい。


 そこで、表立って表明することのできない後鳥羽院への鎮魂の思いを、定家はこの百首に留めたー


 このことを証明するために、織田さんは傍証を重ね、精緻に論を進める。ほんの一例を挙げると、『新古今集』をはじめとする通常の歌集に多く詠まれている花を咲かせる植物が、百人一首には梅一首と菊一首しかない。実は後鳥羽院はことのほか菊の花を好み、衣服、車、太刀を菊の紋で飾り、以来皇室の「菊花のご紋章」の起源ともなった。

つまり菊の花は、院の象徴である(梅の花は、式子内親王の象徴)。百首中の菊の歌「心あてに折らばや折らむはつ霜の置きまどはせる白菊の花」(凡河内躬恒)には、「隠岐」という音まで含まれている。


 自選歌「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」も、百首中十三首もの歌に登場する「風」や「あらし」の歌の最後として、隠岐から京に向かって吹く北西風に乗せた上皇の呪詛を鎮めようとする「凪」の歌だという。


 毎年この時期に、上質なミステリーのような織田さんの本を行きつ戻りつしながら楽しんでいる。それにしても、刊本もコンピュータもない時代に、膨大な過去の和歌のデータから百首のつづれ織りを完成させた定家の頭の中はいったいどうなっているのだろう。

 

=次回は令和5年3月10日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

 

メモ ピーター・J・マクミラン著『英語で読む百人一首』(文春文庫・2017年)は新訳。

織田正吉著『絢爛たる暗号―百人一首の謎を解くー』(集英社文庫・昭和61年)は絶版で、古本でもかなりの値段だが、同じ著者の『百人一首の謎』(講談社現代新書・1989年)は、同じく絶版だが、まだ古本で安く買えるようだ。

文中の和歌の表記は『田辺聖子の小倉百人一首』(角川文庫・平成三年)にならった。

 

2023年2月 4日 (土)

2月12日 保山耕一さん上映会の案内

2月12日の保山耕一さん上映会の案内が届きました。まだ席はあるようです。ぜひお出かけください。

昨年8月から、毎月私も短歌で出演させていただいています。

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2月12日(日)
奈良公園バスターミナル東棟2階レクチャーホール
会場:13時30分 開演:14時
大人3,000円、学生500円、全席指定、当日精算
コロナ感染予防対策として入場者数を減らして開催します。

■第一部、14時〜
ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」公開収録
提供:株式会社淺沼組

■第二部、15時30分〜
映像作家保山耕一作品上映会
※お客様にもれなく萬葉ラムネをプレゼント。
チケットウェブ予約
https://event.nara.jp/sp/feb
お問い合わせ、チケット予約
hozan4kmovie@gmail.com

【出演者】
ゲスト:松田大児(画家)
司会:中川直子(ならどっとFM)
出演:岡本彰夫
出演:松森重博(歌人)
出演:西山美穂(萬葉ラムネ)
出演:竹田博康(奈良県地域デザイン推進局)
朗読:上本京子
歌:大垣知哉
歌:檜垣里枝子
ピアノ:すみかおり
ギター:牧野由希子
バイオリン:秦進一
パーカッション:森内清敬
ワールドシップアンサンブル
バイオリン:農澤明大

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2023年1月25日 (水)

保山耕一氏の映像がNHKで特別放映されます。

映像作家の保山耕一氏のフェースブックでの情報です。

この時期一挙に以下の通り放送されるということです。この際、ビデオ録画をおすすめします。

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やまとの季節七十二候」
「祈りの桜」
「春日大社」
「飛鳥」
深夜に放送されるフィラー番組、そのどれもが3年以上前に撮影した番組。
すべて再放送ですが、ノーカットでの放送となります。
珍しく番組欄にすべての番組が揃っていました。
ありがたいです。
いつまで放送されるのか私には分かりませんので、気になる方は是非ご覧下さい。
新作を提供できれば良いのですが、思うようにはなりませんね。
これまでも、これからも、理想と現実の間で前に進もうと懸命に生き続けるしかありません。いつの日にかいいお知らせが出来ると信じて。

 

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2023年1月 9日 (月)

1月8日、保山耕一氏の映像上映会へ そしてアーカイブ映像配信(投げ銭カンパよろしくお願いします。)

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今年最初の保山耕一氏の映像上映会が1月8日に奈良公園バスターミナルのレクチャーホールでありました。

1部は、ならどっとFMの番組「岡本彰夫の奈良、奥の奥」の公開収録。

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ゲストは、旧知の石工の左野勝司さんでした。石工になられて修行の頃や、1ドル360円の若き日にフランスやイタリアに行かれてヨーロッパの石造物に触れられ頃のこと。

その後東大寺、春日大社など多くの社寺の仕事をされたこと。
いろいろな人との出会いに恵まれたこと。
奈良文化財研究所の先生に出会われたこと。
飛鳥での多くの仕事。
命を賭けて高松塚古墳の壁画を高度な技術で薄く剥ぎ取られた保存のこと。

カンボジアのアンコールワットの修復のこと。イースター島のモアイ像の修復に苦労されたこと。
海外での修復には自分は指導して海外の人に技術を教えたこと、昨年火災にあったモアイ像の再修理に近日いくことなど。

短時間に多岐にわたって、岡本彰夫先生の矢継ぎばやの質問の答えて熱心に左野さんはお話しになられました。
この日は左野さんの豊富な経験の入門編のお話しでしたので、今後岡本先生との間で続きの各編ごとのお話しをしていただけるということでした。楽しみにしたいと思います。

私は2010年ころ、奈良市橋本町の奈良県里程元標の再建のときに、左野さんに私たちもとてもお世話になりました。
というのは左野さんは道路元標の基礎の石の奥深いかつての人の仕事がたいへん勉強になったということでしたが、そのときも石以外のことまで、木の仕事や金属の仕事などにお知恵をお借りしました。
もちいどのセンター街の北入口の道路元標はここにあったという金属のプレートは左野さんのポケットマネーだったことを思い出します。ほんとうにお世話になりました。
休憩時間に元のすし常のTさんと一緒にしばし左野さんとしばし旧交を温めることでした。

そして2部は、保山耕一氏の映像詩で振り返る2022年と題した上映がありました、1月から夏頃までの素晴らしい映像が流れました。

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あいだには保山さんの熱意あふれるお話しがありました。

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「世界中の世界遺産などを撮影して回ったが、奈良ほど季節の移り変わりがあり、素晴らしいところはないということ。

きょうはお世話になっている十津川村の2年前までの村長を務められ、奈良の良さを、十津川村の良さを追究された更谷もと村長が見に来て頂いているが、わたしも奈良の良さを提供していきたい。

いま奈良にも賑わいが戻りつつあるが、コロナ前のインバウンドで加熱した観光の再来を求めるのではなく、奈良のほんとうの良さのある観光を提供しなければならないし、奈良の人こそその奈良の良さを感じてもらいたい。感受性豊かに感じてもらいたい。わたしはほんものの良さを映像でこれからも提供していきたい。

この上映会も3年ほど続けてきたが、採算面など困難もあるが、素晴らしい受付スタッフ、上映に際して再現する色彩、音響などの技術スタッフたちなど多くの人に支えられてきた。そしてさらに見て頂く上質のお客様に支えられてきている。

奈良の365日の良さを今まで病気以降7年間撮り続けてきたが、これからも撮り続け上映していきたい。今後NHKで総集編が予定されている」

会場からは大きな拍手が送られました。


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そして式年造替があったばかりの春日大社の若宮社など、昨年12月の保山耕一氏の一晩雨にも打たれて苦労されて撮られた初雪の映像、そしてその映像を見てこのお正月に作った私の短歌のコラボがありましたので披露します。

6分間の映像です。https://youtu.be/EXgkqpIXtK0

あかつきの春日大社に 初雪のしんしんと降りて 朱の際立(きわだ)ちぬ  松森重博

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上本京子さんの朗読とそのあと、ならどっとFMの中川直子局長との話にわたしも登壇しました。

もちいどのセンター街のTさんが撮ってくれた写真です。 

最後に歌と音楽による「♪歌を歌おう」の素晴らしい演奏がありました。

今月もありがとうございました。

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そして、2023年1月上映会 オンライン配信です。

17分あたりから始まります。

https://www.youtube.com/watch?v=2wPJf6xjQ6U


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■活動支援のカンパ、投げ銭は下記までお願いし申し上げます。
===============
三井住友銀行
小阪支店
普通 5231131
ホザン コウイチ
===============
皆様からの投げ銭でのご支援をどうかお願い致します。
■第一部の配信はございません。

 

■第二部 15時30分〜17時30分
「映像作家保山耕一作品上映会」
映像詩で振り返る2022年
*ライブ配信15時20分〜

 

 

2022年12月24日 (土)

12月、保山さん上映会 アーカイブ

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12月の保山耕一さんの上映会、アーカイブ限定公開されました。

なんと、冒頭わたしも登場します。

そして

投げ銭を忘れずお願いします。

 

【お待たせしましたアーカイブ限定公開】
12月18日の第二部・映像作家保山耕一作品上映会のライブ配信映像となります。
投げ銭での有料配信となります。


https://youtu.be/-_G4i05imcg


YouTubeでの限定公開ですのでアドレスだけのシェアはご遠慮ください。アーカイブはライブ配信のアドレスとは異なります。
タイムラインは概要欄をご覧ください。
オープニングでの五條市と御所市の映像詩は著作権の問題で未公開となります。
投げ銭などの詳細は概要欄をご確認ください。

ライブ配信の運営は皆様からの投げ銭で成り立っています。
一部のラジオ公開収録は1月2日の放送となりますので、YouTubeでは非公開です。
どうぞよろしくお願いします。

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映像作家保山耕一作品上映会
2022年12月18日(日)ライブ配信アーカイブ
0〜 「龍泉寺」歌人・松森重博と映像詩の共演
5分45秒〜 松森氏インタビュー、聞き手・中川直子(ならどっとFM)

9分〜 「みたらい渓谷」薩摩琵琶・多田了水と映像詩の共演
15分55秒〜 「滅びの美」晩秋の奈良
33分40秒〜保山トーク
44分〜 「大仏池」
53分50秒〜保山トーク
1時間7分〜「月」(有明の月:大和盆地雲海、月齢1:五條市吉野川、月齢2:若草山山麓)
1時間24分〜演奏者紹介
1時間26分30秒〜「満月」薬師寺
1時間32分10秒〜「歌を歌おう」作詞作曲/さだまさし
vocal 大垣知哉 piano すみかおり violin 秦進一
harp 川島憂子 guitar 牧野由希子

■作品上映会ライブ配信の運営は皆様からの投げ銭に支えられています。
投げ銭の金額は問いません。ライブ配信の継続のため、どうかよろしくお願いします。
1万円以上のご支援には「作品集」を感謝と共にお返し致します。
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保山耕一

2022年12月20日 (火)

「ラーゲリより愛を込めて」

買ってきたプログラムより。

 

 

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ようやく、いま上映されている「ラーゲリより愛を込めて」を見ることが出来ました。上映時間150分。

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満州のハルビンでのソ連による爆撃。主人公の山本幡男と妻と子4人。

ぎゅうぎゅう詰めの貨車で連行される山本ら日本兵。シベリアの奥深くまで。

貨車の中での、いとしのクレメンタインの歌。

強制労働。極寒。黒パンとカーシャ(かゆ)の粗末な食事。病気。亡くなる人。

ラーゲリ(収容所)の抑留生活。

シベリアの厳しい抑留生活が描き出されます・・・・・。

終戦から9年。

山本幡男の家族への遺書。

最後のダモイ(帰国)の船。

文はソ連兵によって没収されるため、山本の遺書を手分けして記憶して持ち帰られました。

帰国後、山本幡男の妻、山本モジミに伝える4人の共に抑留された人たち。

山本モジミと家族。

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この映画は実話に基づくと最初に画面にあらわれました。

実際にシベリアから記憶にて持ち帰られた「遺書」にもとづく映画です。

映画のホームページです。https://lageri-movie.jp/

原作は、辺見じゅん。

NHK「あの人に会いたい」https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0009250438_00000

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この夏、最初に読みました。

そして脚本を担当した林民夫の「ラーゲリより愛を込めて」を読みました。

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かつて、映画を見てから読むか、本を読んでから見るか、というカドカワの映画のコピーがありました。

本を読んでから映画をみて、物足りなさを感じることが多いのですが、

この「ラーゲリより愛を込めて」の映画は、期待以上の映画でした。

そして、実際のシベリア抑留の過酷さを想像することでした。

 

シベリアの抑留のさま 映画にて「ラーゲリ」「ダモイ」父を偲びぬ  重博

 

*ラーゲリ 強制収容所  *ダモイ 帰国  ロシア語

 

 

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