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2017年4月15日 (土)

美ビット見て歩き 私の美術ノート *50 川嶌一穂

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奈良新聞14日付の、いつも楽しみにしている川嶌一穂さんの「美ビット見て歩き 私の美術ノート」はいま奈良国立博物館でひらかれている「快慶特別展」です。これだけの快慶の作品が集まるのはまずないだろうと言われています。早速13日わたしも拝観してきました。 

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *50 川嶌一穂

奈良国立博物館特別展「快慶―日本人を魅了した仏のかたち」展

長く戦乱の世が続いた。
南都焼討から5年後の1185年3月、ついに平家が滅亡する。早くも同年8月、焼け落ちた東大寺大仏の開眼供養が行われる。その昔天平の開眼に用いられた筆を正倉院から出して、後白河法皇みずからそれを手に執った。

さらに10年後、ようやく大仏殿の落慶供養会(え)が行われた。後鳥羽院の行幸に加えて、源頼朝率いる数万の兵がこの日のために東国から馳せ参じた。「大伽藍の御供養。光りかがやく春の日の。三笠の山に影高き。法(のり)の御声のさまざまに。供養をなすぞ有難き」能「大仏供養」の詞章がその盛大な様子を彷彿とさせる。

源氏も平家も犠牲はあまりに大きかった。敵味方の死者を悼み、仏法を中心とした平和な国を再興することが生き残った者の使命だと誰しも思ったことだろう。現在開催中の「快慶」展の会場で感じるのはこの一点だ。

そのとき大勧進に俊乗坊重源がいて、頼朝や藤原秀衡が金(きん)を寄進し、巨大材木が周防国(山口県)から運ばれた(「頼朝と重源」展図録)。
そこに肝腎要の仏を造る仏師集団がいたことがどうにも不思議でならない。巨大プロジェクトを短期間で完成させるだけの組織と人が、まるですべての準備を整えて待っていたかのように存在したのだ。
今回の快慶(?~1227年以前)展は、国宝、重要文化財を多数含む文字通り空前絶後の展覧会である。関東をはじめまだ拝見していない仏様も多かった。
本展図録は表紙の大胆なデザインもさることながら、内容が実に充実していて、帰宅後に何度も開いては余韻を楽しんでいる。一人の仏師の造った800年前の仏像やそれにまつわる文書がこんなに多く残っていて、しかもその研究が今なお進化しつつある。こんな国が他にあるだろうか!

私事で恐縮だが平成24年10月に始まった小欄も早いもので今回50回を迎えた。読者のみな様と、自由に書かせて下さる担当の方に心から御礼申し上げます。
出来るだけ違ったものをご紹介するように心がけているが、快慶だけは第6回ボストン美術館展「弥勒菩薩立像」、第20回兵庫県浄土寺「阿弥陀三尊立像」の2回と、第42回「石山寺」の文中で多宝塔の大日如来像(本展にもお出まし)に触れている。ファンの一人として今回また快慶をご紹介できてうれしい。

若い頃は装飾的で優美な快慶が好きだったが、齢を経るに従って、祈りをかたちにした信仰者としての快慶に魅かれるようになった。「芸術家」ならぬ仏師・快慶の手になる諸像は、近代的な意味での「彫刻作品」ではない。
次はぜひ本来あるべき信仰の空間の中で拝見すべく旅に出よう。

 =次回は5月12日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

メモ 奈良国立博物館 奈良市登大路町50(奈良公園内)。電話050(5542)8600。http://www.narahaku.go.jp/ 会期は6月4日(日)まで。月曜日休館(5月1日は開館)。午前9時30分から午後5時まで(入館は閉館30分前まで)。展示替えあり。

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2017年4月 4日 (火)

歌人・前登志夫さんを偲ぶラジオ放送

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吉野に住まわれた、歌人の前登志夫さんが亡くなられて9年とのこと。案内状を短歌の「ヤママユ」、劇団小町座の小野小町さんからいただきました。

前登志夫を偲ぶ会では、今年はならどっとFMから4月5日放送されるとのことです。

4月5日(水)午後3時から4時まで。
再放送は4月8日(土)午後9時から10時。FM78.8mz。

その時間帯ならインターネットならどこでも聞くことができます。
ならどっとFMのHP→
http://narafm.jp/

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2017年4月 2日 (日)

4月15日から奈良県立美術館では書の源流企画展

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4月15日から、奈良県立美術館では、書道家の榊莫山と紫舟のふたりのシンフォニーということで書の源流企画展がひらかれます。65才以上無料。外国人観光客、留学生も無料です。

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展覧会のHPです→http://www.pref.nara.jp/item/175865.htm#moduleid44968

2017年3月29日 (水)

4月1日から「ようまいり」(個展) 金峯山寺本地堂

写真家の野本 暉房さんhttp://www.lint.ne.jp/nomoto
から案内を頂きましたので、紹介します。
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「梅から桜へと季節は移ろいでいきます。皆様にはご健勝にお過ごしのこととお慶び申し上げます。
私、3月前半は東大寺のお水取りにほぼ毎日、今日から月末にかけては薬師寺の花会式にほぼ毎日通わせていただき、その間に県下の祭りや行事などなど、おかげさまで今の所は元気に機嫌よく過ごさせていただいております。
この度、下記の通り、吉野山金峯山寺にて写真展を行います。
今回は金峯山寺蔵王堂の日本最大秘仏本尊の特別ご開帳にあわせ開催させていただくことになりました。
ちょうど桜の季節で特別ご開帳には期間中に5万人ぐらいは参拝なさる場所での写真展で、大変光栄に思っております。
皆さまにもご高覧賜れば嬉しいです。
吉野の桜は下千本から中千本、上千本、奥千本と咲き上がっていきますので、期間中桜も楽しめます。
写真展名---「ようまいり」(個展)
会場-------金峯山寺本地堂
期間-------4月1日〜5月7日 8:30〜16:30
料金-------蔵王堂拝観者無料(特別拝観料1000円必要)
     (蔵王堂の中ですので拝観料は必要になりますが秘仏ご本尊をこの機会に拝観されることもぜひお勧めします。)
今回の展示では、蔵王堂で行われる法要や行事、大峯山での行などを展示させていただきます。
大峯山など霊山で行き交う時「ようまいり」の挨拶が交わされます。
皆様にも「ようまいり」くだされば幸いです。」

2017年3月27日 (月)

入江泰吉さんのラジオドラマ「みつめればそこに」

咋年12月に行われた入江泰吉さんのシンポジウムで上演されたドラマが、大阪ガスプレゼンツとして3月25日にMBS毎日放送で放送されました。
残念ながらラジオを聞くことはできませんでしたが、インターネットで1週間以内は聞けるようになったということを教えてもらいましたので紹介します。→
http://radiko.jp/#!/ts/MBS/20170325193000

番組のHPです→http://www.mbs1179.com/irie/

解説
奈良の代名詞とも言える写真を数多く残した写真家、入江泰吉。「入江調」と呼ばれるしっとりした作風は、今でも多くの人に愛され、慕われ続けています。まさに奈良の写真の代名詞です。
1992年には奈良市の高畑町に入江泰吉の名前を冠した「入江泰吉記念奈良市写真美術館」が開館し、入江作品をはじめ、かずかずの写真の名作を所蔵、展示しています。
また、入江の住んでいた水門町の家は、現在「入江泰吉旧居」として展示されており、入江の仕事ぶりや毎日の暮らし、交友関係、また、歴史文化への深い理解に裏打ちされた美意識やまなざしに思いをはことができる場として、人気スポットとなっています。
今回の「みつめればそこに」は、そんな入江泰吉が奈良の写真を撮影するようになったきっかけから、彼を支えた家族や仲間の姿を通して、文化を継承していく意義について考えたいと思います。
 

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2017年3月18日 (土)

3月28日から、大東純子絵画教室作品発表会

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恒例の大東純子絵画教室作品発表会の案内が届きました。11人+先生の油彩・水彩の作品です。
3月28日(火)から4月2日(日)、ギャラリーまつもりでひらかれます。どうぞご覧ください。

2017年3月12日 (日)

3月25日田淵三菜出版記念トークイベント

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3月25日(土)午後1時から2時まで、第2回入江泰吉記念写真賞受賞記念の写真集の出版記念トークイベントがひらかれるそうです。参加無料。申込み不要。奈良ファミリー1Fらくだ広場。

入江泰吉記念奈良市写真美術館では、4月9日まで展覧会も開かれています。

先日2回目を見てきたら、今回の展覧会のみ写真撮影可能と聞きました。

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森への門がひらく

田淵三菜

森の中で一人で暮らしはじめました。
すべてはここからはじまったのです。
生まれ育った大きな街での暮らしの先にどうしても足が向かなくなって、森に一人で暮らすことを思いついたとき、自然と体が動きました。
私の暮らす森は、浅間山という活火山の北麓、標高はだいたい1200メートルの所にあります。
2012年6月、大学を卒業して急いで車の免許を取って森の家に向かいました。23歳になったばかりのことです。
 暮らしてみると想像以上にみるみる力がみなぎって、街へ出てアルバイトしながら、時々友人を招いたりして元気に暮らしました。

冬がきて、はじめて森で写真を撮りました。20歳の誕生日に父がくれたカメラで撮りました。
 それ以来、ふと思い立ったらいつでも家を飛び出して、森に入って写真を撮りました。

写真はひと月ごとに手作りの写真集にしていきました。
撮った時の気持ちが薄れないうちに、ひと月の間に撮った写真を翌月に選りすぐって、編んで、感じたままの森の1ヶ月を1冊に表現しました。

何冊かは好きな喫茶店やお店に届けに行って、何冊かはよろこんでくれる人に送りました。できたての写真集を届けることがたのしみでした。
こうして約1年間で12冊の写真集が出来上がったのです。

これはわたしの初体験の森の記録です。
カメラは私と森の間の門のような存在でした。
冬の森ではじめて門をくぐって以来、うれしくて、数え切れないほどの森の門をくぐり、その向こうにあるすばらしいものを取って帰ろうとしました。
もしも写真を撮っていなかったら、私には森の姿は見えていなかったでしょう。

「雪が降ったら実家に帰ること。」
それが両親との唯一の約束でした。私は森で写真を撮るためにその約束を破りました。
森で暮らすことを許してくれた母は、私が一人で暮らし、写真を撮っていた間は一度も会いに来ようとはしませんでした。
父がくれたカメラと心配性の母の覚悟の先に、森の門が現れました。その門の向こうはもう一つの私の帰る場所でした。



入江泰吉記念奈良市写真美術館のHPです→http://irietaikichi.jp/

写真集の案内です。

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写真集には1月から12月まで、毎月の扉に文が書かれています。その文がまたすばらしいのです。

2017年3月10日 (金)

美ビット見て歩き 私の美術ノート *49

毎月楽しみにしている、奈良新聞掲載の川嶌一穂さんの「美ビット見て歩き 私の美術ノート」は東京での展覧会です。
エレオノーラ・マッツァ+奈良市出身で奈良市在住の坂口紀代美さんの展覧会です。

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *49 川嶌一穂

 

東京・始弘画廊 エレオノーラ・マッツァ+坂口紀代美「―INFERNO―ダンテ『神曲』にいざなわれ」展

 

写真 坂口紀代美さんと作品。始弘画廊にて=著者撮影

 

 本紙117日付の「世界遺産に作品設置」という記事を読んで、東京・南青山の画廊で開かれている展覧会にお邪魔した。奈良市出身の彫刻家・坂口紀代美とサンマリノ共和国出身の画家・エレオノーラ・マッツァの二人展だ。

 記事は、坂口が制作したモニュメントの除幕式の様子を紹介したもので、写真に写ったサンマリノの美しい山並みが印象的だった。

 サンマリノはイタリアの領土内、長靴のふくらはぎのあたりにポツンと存在する小さな国だ。マリノという石工がローマ皇帝の迫害から逃れてキリスト教徒の共同体を作ったのが国の始まりで、西暦301年に成立した世界最古の共和国だという。これは日本で言うと、倭の卑弥呼が死去してから数十年経った頃のことだ。

 今回の二人展はダンテの『神曲』がテーマになっている。ラテン語ではなくトスカナ方言で書かれた『神曲』は、イタリア人ばかりかサンマリノ人にとっても、イタリア語の原典であり、イタリア人としての誇りの源泉である。学校の国語の時間に熱心に暗唱するらしい。

 マッツァは、一人ひとりがバラバラにされて、『神曲』の中の「地獄」をさまよっているような現代人の混沌を油絵で描き、坂口は「地獄」にもなお存在する自然の姿をブロンズやワックスで表現している。

 現代美術というと無国籍で根のない作品が多いが、坂口の作品にはどこか和の伝統を感じさせる柔らかさがある。奈良に生まれ奈良で育ったことが大きく影響しているのではないだろうか。

年齢も文化的背景も違う坂口とマッツァは、ベルリンで開かれた展覧会に出品した時に知りあった。それ以来家族ぐるみの付き合いが始まり、前回はサンマリノで、そして今回東京で二人展が実現した。

先日たまたま「おばあちゃんの原宿」として親しまれる東京・巣鴨のお地蔵さんにお詣りに行き、歩道に置かれた「MADAMADA」と「KOREKARA」という石の作品を見て、「おーほんとにね!」と思った。その時は作家の名前を見ずに通り過ぎたが、何とそれが坂口の作品だったことが今回判明した。街中に置かれた作品ならではの幸せな出逢いだった。

21トンもある坂口の代表作「石舞台」は東京・練馬区の公園にあって、設置から20年経った今もその上で子どもたちの遊ぶ声が絶えないそうだ。東京やヨーロッパで活躍する坂口だが、ふるさとの奈良でももっと多くの作品を見たいものだ。

 

 =次回は4月14日付(第2金曜日掲載)=

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かわしま・かずほ

元大阪芸術大学短期大学部教授。

 

メモ 始弘画廊 東京都港区南青山5−7−23 始弘ビルB1。電話03(3400)0875。地下鉄表参道駅B3出口より徒歩3分。会期は3月6日(月)―3月18日(土)。日曜休廊。午前11時から午後7時まで(最終日は午後5時まで)。

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奈良新聞3月8日付も伝えています。




2017年2月11日 (土)

美ビッド見て歩き*48東京・根津美術館

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いつも楽しみにしている美ビッド見て歩きですがことし初めて奈良新聞に掲載されました。東京の根津美術館です。

美ビット見て歩き 私の美術ノート *48 川嶌一穂

東京・根津美術館 興福寺中金堂再建記念特別展示「再会―興福寺の梵天・帝釈天」展

写真 東京・根津美術館のアプローチ=著者撮影

 早いもので2月ももう10日。寒さ本番だが、まさに「冬来りなば春遠からじ」。日の光は確かに明るくなった。
 永遠の名品・尾形光琳筆の「燕子花(かきつばた)図屏風」を所蔵する東京・青山の根津美術館の一室で、今回タイムリーな展示があったのでご紹介したい。
数年前に建て替えられた館の設計は、2020年東京オリンピック「新国立競技場」のやり直しコンペで採用された隈研吾氏。玄関へと続く長いアプローチの道路側は竹を一列に植えただけ、反対側の壁材は細い古竹。そのさり気なさは、さすが『負ける建築』の著者・隈氏の設計だ。街の騒音を完全に遮断しないが、ここから先は美術館だとはっきり分かるその絶妙な空間が心地よい。
高低差の大きい地形をうまく利用した広い庭園は「鉄道王」根津嘉一郎(1860-1940)の元私邸の一部で、庭造りに数年を要したと言われている。樹木に集う野鳥も多く、先日は池で翡翠(かわせみ)を見た。
庭園に茶室が何棟も点在することからも分かるように、根津は茶人としても活躍した。根津ばかりではない、近代の財界人に茶の湯を嗜み古美術を収集した数寄者(すきしゃ)は多い。阪急電鉄の創業者で、根津と同じ甲州出身の小林一三も茶人として活躍し、その美術コレクションが「逸翁美術館」(大阪府池田市)として公開されているのはご存じの通り。
本欄第2回で取り上げた藤田美術館の藤田傳三郎とは、「交趾(こうち)大亀香合」の入札を巡って熾烈な戦いを繰り広げ、根津が敗れている。
明治の後半は産業構造の大変化が行渡り、旧公家や旧大名家がそれまで持ちこたえていた家宝を次々と手放し始めた。海外に渡ってしまった名品も数えきれない。この頃に根津や三井財閥の益田鈍翁(どんのう)らが茶の湯を中心としたネットワークを形成し古美術品を数多く収集したことは、日本美術にとってこの上なく幸いだった(齊藤康彦著『根津青山―「鉄道王」嘉一郎の茶の湯』)。
仏教美術も然り。「再会―興福寺の梵天・帝釈天」展で公開中の帝釈天立像は、明治期に興福寺から流出し、根津美術館の所蔵するところとなった。もと東金堂でこの帝釈天と一対だった梵天像が、今回、中金堂再建を記念して、はるばる奈良から東京までお出ましになった。
両像ともに平重衡による南都焼討ち後の興福寺再建の際に仏師・定慶により制作されたものだが、ぼってりと波打つ装飾的な衣文が印象的だ。流出した方の帝釈天像は、かなり修復されているように見えた。りりしいお顔の梵天様にゆっくり苦労話を聞いてもらったことだろう。
 1月はお休みを頂いたので、今回が今年の第1回となる。本年もご愛読のほどをお願い致します。

 =次回は3月10日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

メモ 根津美術館 東京都港区南青山6−5−1。電話03(3400)2536。地下鉄表参道駅から徒歩10分。http://www.nezu-muse.or.jp/
会期は3月31日(金)まで。原則として月曜日、ならびに2月20日(月)~3月3日(金)休館。

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(鹿鳴人、追記)

日経新聞のHPに「再会―興福寺の梵天・帝釈天」展のことが報じられていました。→日経新聞


2017年2月10日 (金)

東京国立博物館の春日大社展へ

うまい具合に全国の陶器の協同組合「趣味の百撰会」の役員会が東京でありましたので、会議のあと3時から、1月から始まっている東京国立博物館での春日大社千年の至宝特別展へ行ってきました。会期は3月12日まで。

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平日の3時ながら、館内は多くの人々が拝観されていました。私も閉館の5時まで2時間じっくりと拝見しました。

そして展示も圧倒的な数量の国宝や重要文化財で、花山院宮司さんがよく「平安の正倉院」と言っておられる意味がよくわかりました。それほど充実した展覧会です。

そして春日大社所有の宝物だけでなく、東京、奈良、京都、九州の国立博物館現有の春日大社の宝物、そして根津美術館や京都のお寺などが現有の春日大社の宝物も集められています。当方の近くの奈良市南市町自治会所有の春日曼荼羅も出品されていました。また春日権現験記なども多くの写本も展示されていました。刀、やり、かぶとや獅子狛犬も。

また、本殿のたしか第二殿の現物大の再現やだ太鼓のひとつや吊り灯籠なども展示されていました。

吊り灯籠のところのみ写真撮影OKでした。たくさんの人が記念撮影されていました。

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2400円の図録もとても内容豊かでしたので重かったのですが購入しました。とてもお値打ちです。

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それから、この春日大社千年の至宝展を関東在住の方にお勧めしたいと思います。そして関西や各地の方も3月12日までに上京される機会にはぜひご覧いただきたいと思います。

春日大社千年の至宝展のHPです→http://kasuga2017.jp/

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