『まんじゅう忘れた太左衛門 南都 林家の680年』
令和6年4月19日、まんじゅう祭の日に、「まんじゅうを忘れた太左衛門 南都林家の680年」という本が刊行されました。
著者は、まんじゅうの祖と言われる林浄因から数えて31代目にあたる末裔の方です。
平たく言うと、奈良市橋本町の自治会長(もと三条通り橋本商親会会長)であり、現在スムージー専門店の「drink&
drank」を経営されている、幼少の時から私も親しくお付き合い頂いている藤林文和さんです。
このほど著書を恵贈いただきましたので、早速読ませて頂きました。
室町時代、応仁の乱の前のお話から始まります。
林 浄因は1349年(貞和5年)、龍山徳見禅師のとともに元から来日しました。
そして、日本に初めて、饅頭(まんじゅう)を伝えた方です。
藤林さんは、お父さん(一元さん)の頃から、毎年、奈良テレビのニュースで見る漢国(かんごう)神社内の林(りん)神社のまんじゅう祭りの神事の折、最前列におられます。平成21年から、現在の当主、藤林文和さんが最前列におられます。なぜ藤林さんが欠かさず参列され、最前列におられるのかこの本を読んでよくわかりました。
わたしは数年前に藤林さんが古文書に取り組んでいることは少し聞いていましたが、まんじゅうの祖である、林浄因にかかわる研究をされていたことまでは存じませんでした。今回、みごとに一冊の本を刊行されました。
林浄因は、680年経ち、漢國神社のまんじゅう祭りの発展と共に有名な話となっています。
林家は、京都北家(のちに断絶)、京都南家はその後江戸にいき今も盛業中の塩瀬総本家に、そして南都林家になったそうです。
南都の林家は、漢国神社のすぐそばの林小路に長年住みました。
藤林文和さんは、いろいろな方のご指導を受けながら、680年の家の歴史を、藤林家に伝わる古文書をひもとき、また建仁寺の古文書、塩瀬家の資料なども調べ上げて書かれたそうです。
室町時代、戦国時代、徳川家康の頃、江戸時代、明治時代、大正時代、昭和時代、平成時代、令和と歴史は綴られています。
その時代時代に、いろいろな出来事があり、エピソードがあり、推理もしながら、克明に描かれています。
商売も、まんじゅう屋から具足師、そして質札屋、弘暦者、筆軸屋、小鳥屋、そして現在お嬢さんの奈津さんが頑張っておられるスムージ専門店へ、時代と共に変えながら奈良の地で家をつないでおられます。
住まいも、長い間住まれた林小路町から、第二次世界大戦後、橋本町へ移られたとのことです。
現在、橋本町自治会長をつとめる奈良市橋本町のこと、若き日から49年におよぶ「南都まほろば会」の話、
藤林さんのお店の目の前にある橋本町御高札場の復元の話、奈良県里程元標の復元の話、橋本町有の仏像や掛け軸の話なども書かれています。
実に680年を研究され書かれた本と言えます。
藤林文和さんに、当ブログでの紹介のOKはいただきましたので紹介させていただきます。
が、限定の自費出版ですので、本屋では売られていません。ぜひ、本屋などで販売してもらいたいものです。わたしの元にも、本屋やアマゾンなどでの販売をリクエストが届いています。
印刷でお世話になった、実業印刷株式会社 奈良市東九条町6-4、電話0742-62-3377
に問い合わせしてほしいとのことです。
ことしの林神社のまんじゅう祭りのチラシです⇒http://narabito.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-a1770c.html
スムージー専門店drinkdrankのホームページです⇒https://www.drinkdrank.com/
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