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2023年5月31日 (水)

復興・陸前高田 ゼロからのまちづくり

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2022年に発行された「復興・陸前高田 ゼロからのまちづくり」という本です。

この本の執筆陣である、流通科学大学 商学部 マーケティング教授の長坂泰之先生、陸前高田ほんまる株式会社の取締役 阿部 勝さん、そして取締役の永山 悟さんが私ども、奈良もちいどのセンター街にお越しになられたのを機会に本も手に入れて読み始めました。

本を紹介していただいたときの鹿鳴人のつぶやきです。2022年4月
http://narabito.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-aefa71.html

2015年に三陸海岸を訪問したときの、鹿鳴人のつぶやきです。
http://narabito.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-041c.html

以下は長坂先生による解説です。

「共著『復興 陸前高田:ゼロからのまちづくり』が日本建築学会著作賞を受賞しました。
2023年4月19日に発表になりました。

受賞理由は、前代未聞の災害と復興事業の全体像を、関係者の記憶がまだ新しいうちに当事者の記録としてまとめられたことの意義は大きく、将来の復興事業においても必ず参照すべき一冊となることであろう。(詳細は後述)
関係させていただきましたすべての皆様に深く感謝申し上げます。
日本建築学会 2023年各賞受賞者
https://www.aij.or.jp/2023/2023prize.html

受賞理由
https://www.aij.or.jp/images/prize/2023/pdf/4_award_005.pdf
共著『復興 陸前高田:ゼロからのまちづくり』鹿島出版会,2022.4
https://www.amazon.co.jp/dp/4306073610

本書は、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の復興事業に関する詳細
なドキュメントである。
2011 年 3 月 11 日にこの地を襲った大津波は浸水高最大 17.6m にも達するもので、死者1,559 人、行方不明者 202 人という大きな犠牲をもたらした。浸水面積は約 13km2 にも及び、名勝高田松原のみならず、中心市街地も跡形もなく潰滅した。本書は、このように震災によって一旦「ゼロ」に戻されてしまった陸前高田市がいかにして復興とまちづくりを達成しえたのかを、事業に携わった当事者の立場から記述したものである。

復興事業は、2011 年 12 月の計画決定から 9 年間という限られた時間内で、高台の住宅地造成と既存市街地の全面的な嵩上げを行うという、前例のないスピードと規模を要求されるものであった。その実現を支えたのは、「チームたかた」と称される、陸前高田市役所、地元商工会とその支援団体、清水 JV、UR 都市機構、都市計画コンサルタント、学識経験者ら、ソフト面とハード面を担うさまざまなセクターの連合体である。

本書の執筆にはこの「チームたかた」から編著者 4 名を含む総勢 17 名(ほか座談会での発言者 8 名)が参画しており、土地区画整理事業と中心市街地の商業復興を中心に、それぞれの立場から事業に対してどのような問題意識をもって取り組み、どのように課題を解決したが詳述される。

大規模事業に関わった多数の当事者による記録は、ともすると自画自讃の事業誌に陥りやすいものである。
本書に関しても地元の住民あるいは外部の視点からの事業の率直な評価や、より広い文脈の中での位置づけなどがなされても良かったように思われる。

しかし
本書での執筆者の全体的なスタンスとしては自讃というよりは事業の経験を通した今後の課題の提示が意識されており、それは異なるセクターの意見をクロスさせることを企図した「座談会」にも通底している。

このように、前代未聞の災害と復興事業の全体像を、関係者の記憶がまだ新しいうちに当事者の記録としてまとめられたことの意義は大きく、将来の復興事業(このような悲惨な大災害が再来しないことを願いたいが)においても必ず参照すべき一冊となることであろう。

よって、ここに日本建築学会著作賞を贈るものである。」

2023年5月27日 (土)

泉房穂・前明石市長「社会の変え方」

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(画像をクリックすると拡大します)

毎日新聞の書評を読んで早速手に入れて読み終えました。

明石市のライツ社発行。1,600円+税

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泉 房穂氏

1963年生まれ、幼少期の苦労、弟さんのこと。苦学して東大へ。教育学部卒業。1987年NHKディレクター、1997年弁護士、2003年衆議院議員、2007年社会福祉士、2011年から2023年まで明石市長(12年間)。

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多くの人が読まれることをおすすめします。



ちょうど機会があってJR明石駅前のもとダイエーがあったところの再開発ビルのパピオスを訪ねました。https://papios.jp/。

本の中でも力を入れておられた駅のすぐ前のビルです。JRの駅と国道2号線にはさまれた一等地にあります。

 

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駅前の図書館。

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広い子どもの遊び場。

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日本の子午線、経度135度の明石天文台が見えました。

この日はとても天気の良い日でした。記憶に残る日になりました。

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2023年5月25日 (木)

[ 奈良「地理・地名・地図」の謎 増補改訂版

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奈良まほろばソムリエの会が監修した、平成26年(2014)の刊行された旧版の増補改訂版がこの5月に発行されました。

いろいろな県で発行された中で、奈良県が一番の売れ行きだったとのことです。

読んでみると今回、あちこちが改訂されています。県内の書店の店頭に並んでいます。

おすすめです。

実業之日本社発行。定価1,000円+税。

2023年3月22日 (水)

カディア・ブランディス作、山下秋子さん訳「ウッドウォーカーズ」

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ドイツ在住の旧知の山下秋子さんが翻訳された話題の本です。(余談ながら、山下・三鼓秋子さんとは幼稚園から高校まで一緒でした)

記憶喪失の少年という副題ですが、動物と人間、2つの顔で生きる者――ウッドウォーカーの本です。

 

ドイツではシリーズで刊行されていて104万部突破、たいへんな人気ということです。

奈良では啓林堂書店奈良店の2階の児童書に平積みされています。聞けば啓林堂書店の各店でも販売されるそうです。

小学校高学年以上を対象としているそうです。

わたしもほとんど読んだことがないジャンルですが、読み始めるととても面白い本です。大人も十分楽しめます。

ようやく読み終えました。

現在、日本ではシリーズ2冊目の本「オオカミとの危ない友情」も出ています。まだ3冊目、4冊目と続くそうです。

「ウッドウォーカーズ」 ポプラ社発行 1870円(税込み)

店頭で配布されているパンフレットです。こういうパンフレット出されているのは有り難いことです。ポプラ社の力の入れようが感じられます。

(画像はクリックすると拡大します)

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啓林堂書店奈良店の2階、児童書コーナーにて。

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2023年3月16日 (木)

米谷 潔氏著「万葉仮名小辞典ーー万葉集・古事記歌謡」

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米谷 潔氏著「万葉仮名小辞典ーー万葉集・古事記歌謡」を紹介します。

株式会社22世紀出版発行。定価1000円+税。

奈良まほろばソムリエである、旧知の米谷 潔氏がこのほど、万葉集・古事記歌謡の万葉仮名小辞典を発行されました。

プリント・オン・デマンド出版(注文ごとに1冊ずつ印刷し、製本して届くという形態の出版物)です。

アマゾンで購入できます。60ページにわたる力作です。

「万葉集の4516首の原文は、すべて漢字だけで表記されています。そこで、万葉集の原文の面白さにひかれて万葉集、古事記歌謡に用いられている万葉仮名を引き出して辞典にしました」とのことです。

(画像はクリックすると拡大します)

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万葉仮名一覧です。(画像をクリックすると拡大します)

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米谷 潔さま。たいへんな労作だと思います。お疲れさまでした。活用させていただきたいと思います。

2023年3月13日 (月)

「ぼけの壁」

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(画像をクリックすると拡大します)

最近とてもたくさんの本を書かれ、そして、売れているという和田秀樹さんの本です。

和田秀樹さんの「80才の壁」に続いて「ぼけの壁」を読みました。

「ぼけの壁」 幻冬舎新書 900+税。

 

裏表紙より。

しあわせな老後、残念な老後を左右するのは「ぼけ=脳の老化」。

その二大原因は「認知症」と「老人性うつ」だ。

認知症は実に進行がゆっくりで、決して「罹ったら人生おしまい」ではない。

他方、老人性うつは死にいたる病気で認知症より怖いとも言えるが、適切に治療すれば治る病気だ。

「そもそも脳は臓器の中でも頑強にできていて、正しく知ってメンテナンスすれば、ぼけが始まっても簡単には衰えない」

 

第1章  「認知症」という病気を誤解していませんか?

第2章  「老親がちょっと変!」と感じたときの心得

第3章  認知症より恐ろしいのは老人性うつ

第4章  「脳の健康寿命」を延ばす考え方・暮らし方

 

最後に、脳の健康寿命を延ばす「20の動詞」が印象に残りました。

「遊ぶ」

「歌う」

「描く」

「おしゃれする」

「飼う」

「見物する」

「深呼吸する」

「推理する」

「贅沢する」

「育てる」

「旅する」

「注文する」

「飲み過ぎない」

「一人暮らしする」

「太る」

「楽観する」

「料理する」

「恋愛する」

「論争する」

「笑う」

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くわしくは本書を読んでみてください。

著者の和田秀樹さんのプロフィールです。

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2023年2月25日 (土)

「令和言葉・奈良弁で訳した万葉集1」

売り切れ中と話題の「令和言葉・奈良弁で訳した万葉集1」税込1000円、万葉社発行。

第4刷が奈良・小西通りの啓林堂書店に入荷があり、予約していましたのでうまく手に入れることが出来ました。

(画像をクリックすると拡大します)

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「はじめに。

1300年前、日本の首都は「奈良」でした。万葉集がつくられたのはその時代です。

万葉集には、4500首以上の和歌が全20巻に収められています。

歌人は、天皇から役人、主婦、芸人まで身分や職業さまざまです。

万葉集は人気の文学なので、数々の現代語(標準語)に訳されてきました。その言葉は、現代の首都「東京の言葉」です。しかし、万葉集の時代の首都は奈良なので、標準語は「奈良の言葉」のはずです。

◎奈良はかつての首都

1300年前の日本の首都は奈良!

万葉集はここで生まれました。

東京の言葉は現代の標準語。万葉集の時代は方言扱いでした。」

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以下のようにページを組み立ててあります。

 

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有名な「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり」も以下の通りです。

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上野誠先生の本にも思いきり意訳の現代語で書かれた本もありました。

今回、奈良弁で訳した、しかも現代の若い人の奈良弁というのが、売れているポイントかもしれません。

もっとも著者は、奈良出身ではないとのことです。

「現代の奈良弁」というのがついて行けなくて、よくわからないところもありました。

2023年2月 3日 (金)

ならら2月号

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「ならら」2月号は、お水取りが特集されています。

また、1月号に続いて餅飯殿山上講のことがくわしく書かれています。

660円(本体600円+税10%)

 

2023年1月21日 (土)

島田修三著「昭和遠近 短歌でたどる戦後の昭和」

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歌人の小島ゆかりさんの毎日新聞の書評を読んで、啓林堂書店でとりよせて読みました。風媒社発行。1500円+税。

多くの作者の短歌を取り上げて、その時代の思い出を、多くの話題で語られます。

著者の島田修三さんは昭和25年東京都大田区の生まれで、早稲田大学大学院を出られた歌人です。

忘れていたことを、そんなことがあったね、といろいろ思い出させてくれました。

すばらしい短歌の力も感じます。

目次より。

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歌人の小島ゆかりさんの毎日新聞の書評を引用させて頂きます。

「戦後を生きた 戦争の時代の影
 副題は「短歌でたどる戦後の昭和」。

著者は昭和25年生まれ。上代日本文学の専門家であり大学の学長であり、著名な歌人でもある。
 まずはその著者の歌。

・経木(きゃうぎ)もて包みてくれしコロッケのぬくときを提げ昭和少年 『東洋の秋』

 「経木」は、杉や檜(ひのき)などの樹皮を薄く剥いだ包装材。精肉店へのお使いの場面の回想である。昭和三十年代を背景とする、貧しげだが素朴な情感や生活感を感じとっていただければ、と言う。
 近所へのお使いや鰹節(かつおぶし)削りや、よく家の手伝いをしたことをわたしも思い出す。

 「私は誕生から三十代後半まで戦後の昭和という異様に長い時代を生きた。当然、掲出歌のような昭和の匂う歌を詠んで来たし、人の歌でもその種の作品にはおのずから関心が行く。ある世代以下には昭和はすでに遠い過去だろうが、現在の問題に直結する、つい昨日のようなシーンも歌は鮮明にとらえている。本稿は、主として私の生きた戦後における、昭和という時代の遠景、近景を歌から覗(のぞ)いてみようという趣向で筆を執った」(「昭和万葉集」)

 著者は幼少年期を東京・大田区の町で暮らし、まだ戦災跡の残る風景が、東京オリンピックを境に小ギレイな風景に変貌してゆくのをつぶさに見たという。
 変貌してゆく戦後の昭和を題材、背景とした短歌を幅広く集め、自身がほぼリアルタイムで体験、見聞した昭和固有の事物や生活文化、風俗、出来事に触れた作品を紹介し、当時へと思いを遡(さかのぼ)る。

 古き時代をなつかしむなどという感慨をはるかに超えて、時代と個人の生きる姿をくっきりと客観的に浮かび上がらせる。行間には、著者の人間の魅力も滲(にじ)む。読み進むうちに、変貌する時代のなかで失われたものと獲得したもの、そして変貌の末にある現在が照らし出される。

・校門の前にあやしき人ありぬたとへばひよこを売りゐしをぢさん 菅野節子『鉛筆』

・東京タワー見ればうれしも世界一高かりしこともありしタワーぞ 松崎健一郎『家族物語』

・くりかへしくり返し聴くなつかしき「イムジン河」はわれの十代 喜多弘樹『さびしき蛞蝓(なめくじ)』

・フランシーヌのようにひとりであるけれどさらにひとりになりたくて なつ 村木道彦『天唇(てんしん)』

 巻末には大正15年生まれ(つまり昭和と同い年)の歌人の連作「悼 昭和六十四年一月七日 昭和を送る」から作品が紹介されている。

・身を弾丸(たま)となして死にけり会う筈(はず)の夫も死にけむ 昭和を悼む 山本かね子『野草讃歌(さんか)』

 「長い戦後を、山本は働きながら老母を養い、独身を通した。(中略)身を弾丸さながらに投げ出して戦死をとげた青年たち、彼らの中に自分と『会う筈の夫』もいたのだろう、と遠い日の叶(かな)わなかった憧れを老い初(ぞ)めた歌人は歌うのである。/山本は私の父母とほとんど同世代。
つまり私は、戦争とともに生き、果ては国家から理不尽な献身や犠牲を強いられた『昭和の子』らの息子なのである。その重たい意味を本稿執筆中に私はしばしば嚙(か)みしめざるを得なかった。過ぎ去った昭和への思いは尽きない」

 いつまでも、机上から去らない一冊になった。(歌人)

 

 

2023年1月14日 (土)

あをにまる「今昔 奈良 物語集」

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名作文学×現代奈良エンタメ

世界よ、奈良色に染まれ。

はてなインターネット文学賞の 大賞受賞作 収録

と、本の帯に書かれています。

先日、奈良の啓林堂書店でのサイン会はたいへん人が来られたとのことです。

ちょうど啓林堂・奈良店のレジーのところに積んでましたので買い求めました。

 

あをにまる「今昔 奈良 物語」角川書店 1595円(税込)

 

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