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2020年2月22日 (土)

西村幸祐さんの切り絵作品展へ

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ご案内いただいていた、西村幸祐さんの切り絵作品展が21日から始まりましたので早速拝見してきました。仏像の切り絵だけでなく、薬師寺の並び立つ東塔や西塔の風景や奈良公園のフンコロガシ、若草山焼きなどの力作が展示されていました。ちょうど初日で、切り絵作家の西村幸祐さんがお見えでした。

仏像を白と黒のモノトーンで切り抜かれる作品にいつも感心していますので、実際に見られてそのようにすぐに見えるのでしょうか?という質問をしたところ、「今はすぐにそのように見えますね」とおっしゃっていました。さすがだと思います。

また富雄の長弓寺の観音像もみごとに作品にされていました。昨年秋、わたしも拝見したところ、とても暗い本堂の中で灯明と外からのわずかな明かりだけでしたので暗かったのですが、西村さんは昔も灯明とわずかな外からの光だけでしたのでそのような中での仏像をモノトーンで切り抜いていますとのお話でした。

西村さんは展示だけでなく、切り絵ワークショップをされています。

展示会は3月18日まで、三条通、橋本町御高札場まえのクロネコならTABIセンター2階にて。

西村さんのホームページは、仏像切り絵→http://www.create-net.co.jp/kirie.html

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早速、西村幸祐さんからコメントをいただきました。

ご来場頂きありがとうございます。
過分なご評価に恐縮しながらも、正直なところ嬉しい思いでおります。
また、詳細なご案内も頂き、重ねて御礼申し上げます。
これまでもご覧頂いていたようですが、今回初めてお会いできました。
このご縁、大切にしたいと思っております。
よろしくお願いします。

 

 

 

2020年2月16日 (日)

美ビット見て歩き「童子切、特別展」

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いつも楽しみにしている川嶌一穂さんの美ビット見て歩き、今年はじめて奈良新聞に載りました。春日大社国宝殿で開かれている「童子切」特別展です。1月でしたか、見に行こうとしたら入口で混んでいました。「刀剣女子」がたくさん見に行かれているとのことです。特別展のページです→https://kasugakatana.com/

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *81 川嶌一穂

 

春日大社国宝殿「最古の日本刀の世界―安綱・古伯耆展」

 

写真 春日大社国宝殿前広場(著者撮影)

 

新しくなった春日大社国宝殿で「最古の日本刀の世界展」を拝見した。会場は「刀剣女子」でいっぱい。「光を感じる」とか、「切ない…」という女子の呟きが聞こえる。「刀剣乱舞」という、刀を人格化した刀剣男子を育てながら戦う人気ゲームの影響らしいが、古美術の展覧会として画期的なことだ。
春日大社は茨城県の鹿島神宮から武甕槌命(たけみかづちのみこと)をお迎えしたことに始まると伝わるが、「古事記」によれば、建御雷神(たけみかづちのかみ)は、天照大御神から遣わされ、出雲の国の海岸に十拳(とつか)の剣の剣先を立て、その上に坐して大国主神に国譲りを迫った神だ。御本性が剣であることの証だろう。「古事記」冒頭で伊耶那岐命が、火の神を生んでお隠れになった伊耶那美命を出雲と伯耆の国堺の比婆山に葬り、悲しみの余り、子である火の神を斬ってしまわれたその十拳の剣である。
不思議なことに比婆山周辺は、日本刀(美しい反りと鎬<しのぎ・刃と峰の間の高い稜線部分>を持つ刀)の製作に欠かせない「たたら製鉄」で作り出される和鋼の伝承地、すなわち本展のテーマである古伯耆の刀匠・安綱(平安時代)の活躍した地である。
3年前、春日大社の所蔵する錆びた太刀を研いだら「古伯耆物」であることが判明して話題となったが、春日大社と伯耆国(鳥取県)が歴史の中で繋がったように思えるニュースだった。
16世紀から17世紀の世界の歴史を振り返れば、アジアのほとんどが西洋の植民地になった中、日本は独立を保った。その大きな要因は、1543年、種子島に漂着した異国船の商人から鉄砲2挺を購入した領主が、家臣にそれを模造させ、わずか1年半後に数十挺の鉄砲を製造し得たことにあるだろう。
種子島を訪れた根来寺の寺僧や堺の商人も製造法を習得して鉄砲を持ち帰り、近畿でも鉄砲の製造が始まった。30年後の長篠の戦いで、織田・徳川連合軍が3000挺の鉄砲で武田の騎馬隊を破ったことはよく知られている。
鉄砲、日本刀、槍、銃弾など日本製の武器は、銀、銅と共にその後長いあいだ海外に輸出された(しばやん「大航海時代にわが国が西洋の植民地にならなかったのはなぜか」文芸社)。日本での鉄砲の大量生産を可能にしたのは、日本刀の製造によって蓄積された技術力の賜物である。
その後、明治初期の廃刀令と、敗戦後のGHQによる接収(その数、実に数百万振とも)、製造禁止という危機を経験しながら、大切な日本刀が今に伝えられたのはまさに奇跡である。国の成り立ちから令和の今に至るまで、日本刀はずっと日本を守っている。若い人はそのことを感じているのかもしれない。
1月はお休みを頂いたので、今回が令和2年の第1回です。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

=次回は3月13日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

 

メモ 春日大社国宝殿 春日大社本殿手前(西側)。JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から奈良交通バス(春日大社本殿行)15分乗車、「春日大社本殿」下車すぐ。または奈良交通バス(市内循環外回り)15分乗車、「春日大社表参道」下車、参道を東へ徒歩15分。(休日は道路が混み、バスの所要時間は予測不可能になります)。電話0742(22)7788。会期は3月1日まで。

 

 

2020年2月 2日 (日)

2月4日から「お水取り展」と「毘沙門天」特別展

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奈良国立博物館では、2月4日から「お水取り展」が開かれます。また同じ日から拝観料別で、「毘沙門天」特別展がひらかれます。

HPです→https://www.narahaku.go.jp/

 

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2020年1月15日 (水)

1月18日から奈良市写真美術館では

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入江泰吉「道」の展覧会が1月18日から奈良市写真美術館では行なわれます。同時に尾仲浩二展もひらかれるそうです。4月5日まで。

2019年12月 2日 (月)

12月7日から奈良国立博物館では2つの展覧会があります

12月7日から1月13日まで、奈良国立博物館では2つの展覧会がひらかれます。おんまつりと春日信仰の美術、そして重要文化財の、法隆寺金堂壁画の写真ガラス原板の特別展です。特別展のHPにくわしく載っています。→https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special.html

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法隆寺金堂壁画、これは珍しい。ぜひみたいと思います。

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2019年11月10日 (日)

美ビット見て歩き*79、大和文華館

毎月、奈良新聞の連載を楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビット見て歩き、11月は大和文華館でいま開催中の特別展「聖域の美ーー中世寺社境内の風景」です。

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *79 川嶌一穂

 

大和文華館特別展「聖域の美―中世寺社境内の風景―」

 

写真 「竹生島祭礼図」江戸時代・十七世紀前半。紙本著色。大和文華館蔵(大和文華館提供)

 

先月奈良に帰省した折に、駅に貼られていた本展のポスターに心惹かれた。いい具合に古色を帯びた地を背景に松や杉の木が整然と描かれ、桜の花は満開である。その間にぽかりぽかりと諸堂が浮かぶように配置されている。
もしかして高野山かと見当をつけると、「重要文化財 高野山水屏風 14世紀 京都国立博物館蔵」とある。やっぱりそうだ。では、金堂の奥の、根元を柵で囲った枝ぶりのいい松の木は「三鈷(さんこ)の松」だろう。去年も3本揃った松葉を頑張って拾ってきた。朱塗りの柱や白壁の色もよく残っている。これは未見、ぜひ拝見したいと訪れた。
会場に入ってすぐの正面にガラスケースが3つ並び、いつも名品が展示されているのだが、今回左側に意外な作品があった。富田渓仙の「野々宮図」である。大正から昭和初期に活躍した日本画家・渓仙が、嵯峨野に新築したアトリエ近くの野宮神社を淡彩でさっと描いた小品だ。黒木の鳥居と小柴垣を魚眼レンズで覗いたような構図で描いている。これが本展の出発点とも、最後に見てホッとする作品ともなっている。
全体の構成はほぼ制作年代順で、最初に平安・鎌倉時代のお経や曼荼羅図が並ぶ。この頃は境内の風景図そのものが信仰の対象だったのだろう。ポスターの「高野山水屏風」もこの範疇に属する。六曲一双の予想より大きな屏風で、保存状態のよいのに驚かされる。
次に南北朝から室町時代の縁起絵や曼荼羅が続くが、絵の中に人物が多く登場するようになる。見る者の視線は、物言いたげな登場人物に向くのだが、ストーリーのほとんどが現代人には分からなくなっている。解説を見ても不明なことが多く、もどかしい。
サントリー美術館所蔵の「かるかや」という、奈良絵のような素朴な筆致で描かれた絵本が面白かった。出家してしまった、顔も知らない父親を高野山に探しに行く石童丸の悲劇の物語である。制作された16世紀半ばと言うと、戦乱の真っ只中だ。語り物芸の代表的な演目ということだが、聴衆の多くが家族を失くした経験の持ち主だったことだろう。
写真に掲げた「竹生島祭礼図」は、神聖な場所を描いているが、ほんわかとして、おめでたい気分の溢れる祭礼図だ。まだ元気だった亡き両親と琵琶湖の東岸から船に乗って、桃山の遺構を鑑賞したり、土器投げをしたりしたことが懐かしく思い出される。
本展の絵に描かれた寺社は、その多くが今でも存在し、今も人々の信仰の対象である。長い間打ち捨てられていて、発掘されたという遺跡ではない。今年は酷暑の夏がようやく終ったかと思えば、御代替りの儀式が続く中、災害が相次いだ。不安な時代に、ずっと日本人の信仰や娯楽の場所だった寺社境内の存在の大切さを思い出させてもらった。

 

=次回は12月13日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

 

メモ 大和文華館 奈良市学園南1―11―6。近鉄奈良線学園前駅下車、南出口より徒歩7分。駐車場(無料)あり。電話0742(45)0544。あす9日(土)14時から列品解説。10日(日)14時から山梨俊夫・国立国際美術館館長による講演会「風景画として見る境内図」。11日(月)は休館。会期は17日(日)まで。

 

2019年10月14日 (月)

10月26日から奈良国立博物館では正倉院展

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いよいよ10月26日から11月14日まで、奈良国立博物館では正倉院展がひらかれます。

HPです→https://www.narahaku.go.jp/exhibition/2019toku/shosoin/2019shosoin_index.html

電子チケットも申し込みできるそうです。

 

2019年10月10日 (木)

10月12日から、地下の正倉院展

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平城宮跡資料館では、10月12日から11月24日まで、地下の正倉院展がひらかれます。今回は年号と木簡がテーマということです。入館

無料。駐車場無料。月曜日休館。

くわしくはHPをご覧ください。→https://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/page/special.html

2019年9月24日 (火)

10月1日から「かわいみちこ展」

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10月1日から10月7日まで、ギャラリーまつもりでは、かわいみちこ展が開かれます。パステル・水彩・アクリル。そしてパステル画とともに歳月が流れという副題がついています。添付は「寿ぎ(ことほぎ)」F40パステル画ということです。

期待されます。どうぞご覧ください。

 

2019年9月14日 (土)

美ビット見て歩き*77

毎月楽しみにしている川嶌一穂さんの今月の美ビット見て歩きは、日本の前衛ーー山村徳太郎の眼・山村コレクション展「抽象と人間臭い前衛のはざ間」です。
図録では「『具体』と日本の前衛1950年代-1980年代」という意味の英語が書かれているということです。

 

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 美ビット見て歩き 私の美術ノート *77 川嶌一穂

 

「集めた!日本の前衛―山村徳太郎の眼・山村コレクション展」

 

写真 兵庫県立美術館会場入口(著者撮影)

 

9月1日に終了した「原三渓の美術―伝説の大コレクション展」(横浜美術館)や、9月23日まで開催中の「松方コレクション展」(東京上野・西洋美術館)など、このところコレクションの成り立ちをテーマとした美術展が目立った。関西まで巡回しないのが残念だが、どちらも富豪による明治大正期の大コレクションである。
しかし戦後の財閥解体や相続税などの税制改革で、大規模な美術コレクションはもう不可能、島根県の足立美術館(昭和45年創設)が最後だろうと、以前ある画商の方に聞いたことがある。
本展の主人公・山村徳太郎(1926―1986)は、大正末年に兵庫県西宮市に生まれ、山村硝子株式会社の社長業のかたわら、戦後の現代美術、とくに前衛的な作品を集めた実業家である。
ちなみに、本展覧会のチラシや図録に、「『具体』と日本の前衛1950年代―1980年代」という意味の英語のサブタイトルが載せてあるが、日本語のタイトルよりこの方がよく内容を表している。
「具体」というのは1954年に結成された、吉原治良(よしはらじろう)を中心とした関西の抽象美術のグループである。津高和一(つたかわいち)、白髪一雄(しらがかずお)らの作品は目にした方も多いだろう。
山村のコレクションのはじめは、津高和一の「母子像」(1951年)で、今展でも最初に置かれている。淡い色彩と単純な形で構成された、しんみりするような抽象画である。山村はこう語っている。「…今から思えば、これが私の大へん幸せなコレクション活動の始まりであったのです」と。
「具体」というと、天井から吊るされた綱につかまって揺れながら、バケツでぶちまけた絵の具を足で掻き回して「描く」白髪一雄が真っ先に思い浮かぶが、当時は正直、そんなものが「芸術」なのか?と思っていた。しかし今虚心に白髪の作品に向かうと、制作方法は奇抜でも、作品には生命の原初的な力があふれていて、野太い品格を感じる。
山村は、自らのコレクションを、「アブストラクト(抽象)と人間臭い前衛のはざ間」と呼んだ。発想の新奇さだけを競うような現代美術は苦手だが、この会場には全体にふわっとした人間味がある。抽象絵画にもカタチの痕跡を感じる作品が多い。まさに言い得て妙だ。
評価の定まった古典的な作品を集めるのは、財力があれば何とかなる。しかし評価の定まっていない作品を購入するには、確かな眼が必要だ。山村は初期から計画的に作品を集め、時には流出した「具体」作品を買い戻しにヨーロッパに出かけた。
59歳という若さで山村が亡くなった翌年、コレクションは兵庫県立美術館に一括収蔵された。お陰で、私もコレクションを可能にした山村の眼と胆力と、戦後復興のエネルギーを共有するような「具体」作品に今回あらためて出会うことができた。

 

=次回は10月11日付(第2金曜日掲載)=
・ ・・・・・・・・・・・・・・・
かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

メモ 兵庫県立美術館 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1−1−1〔HAT神戸内〕。電話078(262)0901。阪神岩屋駅から海側へ徒歩8分。またはJR神戸線灘駅から同じく徒歩10分。休館日:月曜日(ただし9月16日、9月23日は開館し、翌火曜日の9月17日、9月24日休館)。会期は9月29日(日)まで。

 

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