『商店街の復権』 歩いて楽しめるコミュニティ空間 ちくま新書
新聞の書評で見つけて、近鉄奈良駅そばの啓林堂書店にいくと、入荷していました。本文にかかれていますが、書店が減ってきているので地方の書店で買える人は少ないであろうとのことですが、発売間もないのに奈良市では無事買うことが出来ました。奈良に本屋さんがあって有り難く思います。
ちくま新書。税込み1320円。
著者の広井良典さんは初めてお名前をうかがう人です。今まで何冊か本も出しておられました。(画像をクリックすると拡大します)
広井さんは日本だけでなく、アメリカでの大学生活、その後のヨーロッパでの経験から、商店街の復権ーーコモンズとしての中心市街地再生にむけて、まず第1章で書かれています。
そして多くの著者によって
第2章は、、成長局面から見た商店街再生の実践ステップ
第3章、 エリアリノベーションと商店街の可能性
第4章、コニュニティ的空間としての商店街
第5章、商店街復権の取り組み
第6章、中心市街地再生と交通まちづくり政策
その他の多くの著者が各地の実践など紹介されています。
第7章では、シャッター通りと耕作放棄地への提言として、
未利用ストックの活用と効果という視点が新しく思いました。
すなわち、ふたつは同根であると。
「シャッター通り(地方都市の空洞化)と耕作放棄地(農山村)は戦後の日本社会が生み出した言わば”双子の問題”とも言えるのだ」
戦後の日本の政策が、地方から都会へ集中、車社会と郊外大型施設に重点が置かれた結果であると。
そしてこれからの日本の行くべき方向のもと、商店街は単なる、モノの売買の場所だけでなく、コニュニティ空間として大切なところであるということを力説されています。また商店街と農村や中山間地との連携も大切ではないかと。
第8章は各地の事例からの示唆と展望が書かれています。
1,商店街×「DIYリノベーション」
2,商店街×「宿泊・観光」
3,商店街×「農業」
4,商店街×「事業承継」
5,商店街×「起業創業支援」
6,まとめ
これからの商店街や中心市街地のこと、多極集中と地方都市のことなど考えるため、ヒントがたくさん含まれている本であると思います。
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