令和6年4月27日 復曲能 奈良八重桜 チケット予約始まる
来年4月27日(土)に、奈良八重桜の復曲能があります。(画像をクリックすると拡大します)
場所は、奈良公園の奈良国際フォーラム甍(いらか)の能楽hallにて。主催は奈良八重桜の会です。
チケットができあがり、申し込みが始まりましたのでご紹介します。
以下は産経新聞より。
「奈良の都の八重桜」能で美しさ表現 幻の演目、来春上演
古都・奈良で古くから愛されてきた桜の一品種「ナラノヤエザクラ」をテーマにした室町時代作といわれる幻の能「八重桜」が来年4月、奈良市内で上演される。江戸時代以降、長らく埋もれていたとされる演目で、地元の桜愛好家らが奈良ゆかりの金春流(こんぱるりゅう)とともに復曲に向けて取り組んできた。ナラノヤエザクラの花の姿はあまり知られておらず、能を通じてその美しさと歴史を知ってもらいたい考えだ。
奈良の春日明神に参詣した天皇の臣下が、翁(おきな)から春日山の縁起を聞いた夜、水谷の神(現在の春日大社摂社)が現れてナラノヤエザクラをたたえて舞う-。今回復曲することになった能「八重桜」のあらすじだ。
きっかけは、ナラノヤエザクラの保護育成に取り組む「奈良八重桜の会」の上田トクヱ会長(78)が新作能を創作し、ナラノヤエザクラを伝えたいと思い立ったことだ。現在の4流が奈良発祥とされる能楽も託すにふさわしい芸能だが、一から能を作ることは難しく、そのまま10年ほどが経過した。
令和3年、「夢物語」は大きく動き出す。会の名誉会員である興福寺の多川俊映寺務老院を通じて、能楽研究者に「八重桜」という能があることを教えてもらった。
「これはやるしかない」。上田さんはそう思い、同会で復曲することを決めた。
「八重桜」が記された謡本は残っていたものの、そのままでは上演できない。同会はクラウドファンディングで資金を募り、興福寺ゆかりの金春流能楽師に舞の型付けなど復曲を依頼。8月にはシテ(主役)を勤める奈良市の能楽師、金春穂高さんらと囃子(はやし)方が集まって稽古を始めた。
金春さんによると、能が幕府により整えられた江戸時代以降、ほぼ演じられていないと推測されるという。「オーソドックスな脇能(能楽における神をシテとする曲)で、その特徴を生かすよう舞いたい。今後繰り返し演じられるようになり、身近な曲になる可能性が高い」と期待を寄せる。
かつて興福寺東円堂付近にあったとされ、平安時代の歌人、伊勢大輔が「いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」と、その美しさを詠んだナラノヤエザクラ。上田さんは「ナラノヤエザクラは他の桜が散った後にそっと咲くので目を引きにくいが、清楚(せいそ)で美しい。奈良では桜一本にも物語があることを知ってもらいたい」と語る。
多川さんは「題材を含め奈良らしい曲で、奈良に根付いた金春流に復曲してもらう意義は大きい。1度で終わらせず、ぜひ再演してほしい」と期待する。
能「八重桜」は来年4月27日に奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)・能楽ホールで上演する予定。(岩口利一)
ナラノヤエザクラ カスミザクラの変種と考えられ、他の桜より遅れて4月下旬に咲く。紅色のつぼみが開くと淡いピンクに、散り際には再び紅色となる。古くから和歌に詠まれ語り継がれながら、長らく幻になっていた。大正11年に東大寺塔頭(たっちゅう)・知足院の裏山で植物学者が見つけ、古来記録されていた奈良ゆかりの桜の特徴と合致することを確認し、翌年に国天然記念物に指定された。現在は奈良公園周辺に約700本があり、奈良県や奈良市の花にもなっている。
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11月29日、200人以上の人を集めてワークショップがありました。
奈良八重桜の会のレポートです。
「来年4月27日(土)に初演となる復曲能《奈良八重桜》をより楽しむために理解を深めようというワークショップを、11月29日に実施しました。会場の春日大社、感謝・共生の館は満席。能《奈良八重桜》を復曲、シテもつとめられる金春流能楽師・金春穂高さんが、わかりやすく、さすがの明瞭なお声でお話ししてくださいました。終了後は春日さんの本殿から、能の舞台となる水谷神社にも参拝。お越しくださった皆様、金春様、春日大社様、ありがとうございました。」
写真はワークショップで90分にわたり、能について金春穂高さまのお話しを聴きました。
能は五感を使って楽しんでください。
能のすべてをわかろうとしなくて良い。次の機会もある。
能面のお話し、シテのお話、謡いのお話し、春日若宮おんまつりの芸能とくに能楽について、
奈良八重桜のお話しなど、とても興味深いお話しで、能に素人のわたしなどにも興味を持たせて頂く
ワークショップでした。写真は、家元、金春穂高さま。写真をいただきました。ありがとうございました。
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