森鴎外の歌碑 奈良・十輪院に
1918年を中心に、森鷗外は帝室博物館総長として、毎年奈良に来ており、奈良の短歌五十首を残しています。そのひとつ十輪院で詠まれた歌です。
「なつかしき十輪院は青き鳥 子等のたづぬる老人(おいびと)の庭」
9月14日に歌碑を寄贈され除幕式がありました。制作は彫刻家の坂口紀代美さん。
朝日新聞の記事です。(画像をクリックすると拡大します)
森鷗外の「奈良五十首」の歌碑が十輪院に 青い鳥モチーフ
明治の文豪・森鷗外(1862~1922)が晩年、帝室博物館(現在の東京、京都、奈良国立博物館)総長として訪れた奈良の印象を短歌に詠んだ「奈良五十首」の1首の歌碑が、奈良市十輪院町の十輪院(橋本昌大〈しょうだい〉住職)に完成した。歌に登場する「青い鳥」をモチーフにしたデザイン。14日に除幕式が開かれる。
森鷗外は陸軍軍医として軍医総監まで勤め上げた傍ら、「舞姫」「高瀬舟」などの小説を発表した文学者。陸軍退官後の1917年から帝室博物館総長に就き、毎年秋には所管していた正倉院の開封や拝観に立ち会うため、奈良を訪れた。亡くなる半年前に発表された「奈良五十首」には、正倉院や興福寺、奈良帝室博物館など、様々な場所が登場する。
奈良県内で長年、ボランティアガイドをしている上牧町の竹村照雄さん(88)は、25年ほど前から「奈良五十首」に注目し、その舞台をたどるコースを企画。自費出版のガイドブックも出した。しかし、奈良ではこの作品があまり知られておらず、歌碑もないことを残念に思ってきたという。
そんな時、五十首の舞台を案内した書家から「なつかしき 十輪院は 青き鳥 子等(こら)のたづぬる 老人(おいびと)の庭」という鷗外の歌をしたためた礼状を受け取った。「十輪院の庭は、今も奈良町らしい風景を残している。いつか、この歌を歌碑にしたいと思うようになりました」。今年、米寿を迎えるのを機に、歌碑を寺に寄贈することを決めた。
碑の制作は、奈良市を拠点に活動している彫刻家の坂口紀代美さんに依頼。坂口さんは歌に登場する青い鳥を、緑の御影石で表現した。「この寺を訪れる人の願いや祈りが、世界に羽ばたいていくことをイメージしました」という。
歌碑は竹村さんが88歳の誕生日を迎えた9月4日に合わせて完成した。「この歌碑を見た人が、鷗外と奈良のつながりを知るきっかけになれば」と竹村さんは話す。十輪院では14日午前10時から、竹村さんや坂口さんも出席して歌碑の除幕式が行われる。(今井邦彦)
9月14日に歌碑の除幕式が行われたと奈良新聞15日付は早速伝えています。
写真を出席された友人のMさんにいただきました。
(追記)実際に拝見して、写真を撮らせていただきました。
揮毫は、書家の小谷多嘉子様とのことです。
(追記)除幕式のビデオが届きました。
https://www.youtube.com/watch?v=RYqfo1eTGk8
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