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7月の「映像と音楽で巡る奈良」保山耕一さんの上映会は7月9日(日曜日)午後2時から奈良公園バスターミナル・レクチャーホールで開かれます。入場料は大人3000円、学生は500円。
第1部は「岡本彰夫の奈良、奥の奥」、ならどっとFMの公開収録です。
特別ゲストは興福寺の辻明俊さん。いよいよ7月から始まる興福寺五重塔の大改修のことをお伺いできそうです。
そして、ホテル尾花の社長であり、奈良まほろばソムリエでご一緒であり、奈良国際映画祭の主要メンバーであり、なら燈花会の主要メンバーでもある中野聖子さんが登場されるということです。8月6日から14日まで奈良公園一帯で開かれるなら燈花会(とうかえ)のお話しをお伺いできそうです。
第2部は、映像作家の保山耕一さんの上映会です。
梅雨の時期4日間通い詰めて撮られた、東大寺の20分以上の映像を拝見できるそうです。とくに大仏殿の北の大仏池や講堂跡あたりから、よく裏参道といわれる二月堂への道にフォーカスした映像ということです。
ことしは、東大寺の初代別当の良弁(ろうべん)上人の1250年のご遠忌の年で10月半ばに大法要とのことです。
また11月12日には大仏さまゆかりの、行基(ぎょうき)さん1355歳の大感謝祭も行われます。
そして「毎年恒例になりましたたくさんのLEDキャンドルライトを使います。なら燈花会の映像詩を上映しますので、ステージはミニ燈花会状態に。
フィナーレをお楽しみに。」とのことです。
7月9日の保山耕一さんの上映会はいろいろな催しが準備されているようでとても楽しみです。
チケットは残りわずか、まだ販売されていると思います。
チケットの申し込みは、ならどっとFM、電話0742-24-5611。
WEBからの申し込みは、https://event.nara.jp/sp/jul
です。
24日一日2本、「奈良の相撲」と「後南朝」の講演をされた、奈良まほろばソムリエの会、姫路市在住のやいちさんというペンネームの、池内 力さんからレポートをいただきました。
「奈良まほろば館1階で京阪奈情報教育出版の住田社長さんが本を販売していますが、松森さんの本も並んでいます。」
そして、京阪奈情報教育出版の住田幸一社長からもレポートが届きました。恐縮ですが紹介させて頂きます。
「ご報告が遅くなりましたが、24日より東京新橋の奈良まほろば館にて京阪奈情報教育出版フェア始まりました。
来場者が多くてバタバタしておりましたが、無事スタートしました。」
7月28日(金)まで開催されているそうです。
池内力さん、住田社長、レポートありがとうございます。
奈良観光コンシェルジュであり奈良まほろばソムリエの会の、松原純さんのYoutubeを紹介します。
(以下、松原純さんのYoutubeより)
「今回は、来村 多加史(きたむら たかし)先生との対談「岩屋山古墳について」です。
岩屋山古墳(いわややまこふん)は、奈良県明日香村「近鉄飛鳥駅」のすぐ近くにある方墳です。
美しい切石積みの石室古墳の代表で、「岩屋山式石室」と称される程です。聖徳太子墓や奈良盆地でも見られる岩屋山式は7世紀の中頃といわれていますが、本当にそうなのか?
被葬者は誰なのか?など、実際に発掘調査された来村先生に詳しい解説をしていただいておりますので、楽しんでご覧下さい。
また、これを機に「岩屋山古墳」に足を運んでみて下さい。
0:00 オープニング
1:15 岩屋山古墳について
4:14 岩屋山古墳の立地
5:27 被葬者について
8:45 岩屋山式石室の年代
11:13 岩屋山古墳の魅力
【来村先生の経歴】
来村先生は兵庫県明石市のご出身で、幼い頃から考古学に興味を持っておられました。
高松塚古墳を発掘された関西大学「網干 善教(あぼし よしのり)先生」に憧れ、関西大学に入学して網干先生に師事。
関西大学大学院博士課程終了後、中国陵墓研究により博士号を取得されました。
現在は阪南大学の教授として学生に「観光学」を指導。
他にもテレビ出演や書籍の出版、また観光ガイドとして「クラブツーリズム」の講師など多方面で活躍されております。
「来村 多加史先生 Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/来村多加史
「阪南大学 講師紹介ページ」
https://www.hannan-u.ac.jp/doctor/tou...
「来村多加史講師同行ツアー」
https://tour.club-t.com/tour/relation...
「来村先生の著書(Amazon)」
https://www.amazon.co.jp/s?k=来村多加史&ad...
「飛鳥の古墳と風水の関係について」来村先生×松原純さんの対談が
YouTubeで公開されていますので紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=99vZ4ppl_DY
https://www.youtube.com/watch?v=99vZ4ppl_DY
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(以下は松原純さんの解説です)
今回は、来村 多加史(きたむら たかし)先生との対談「飛鳥の古墳と風水の関係について」です。
飛鳥の古墳を語る上で、来村先生が解いた「風水思想」を汲んだ地形や立地は欠かせません。
ということで、これから他の古墳の解説に入る前提知識として、「風水と天皇陵」という書籍も執筆されている先生に風水の話をわかりやすく解説して頂いております。
なぜその場所にお墓を造るのか、周囲の景観はどうなっているのかを考えるきっかけになれば幸いです。
0:00 オープニング
0:38 飛鳥の古墳の立地について
3:33 谷を使った古墳の4類型
7:19 中国大陸の風水点穴図
12:15 清東陵について
14:06 奈良県五條市の猫塚古墳について
15:19 日本に風水思想が伝わる
【来村先生の経歴】
来村先生は兵庫県明石市のご出身で、幼い頃から考古学に興味を持っておられました。
高松塚古墳を発掘された関西大学「網干 善教(あぼし よしのり)先生」に憧れ、関西大学に入学して網干先生に師事。
関西大学大学院博士課程終了後、中国陵墓研究により博士号を取得されました。
現在は阪南大学の教授として学生に「観光学」を指導。
他にもテレビ出演や書籍の出版、また観光ガイドとして「クラブツーリズム」の講師など多方面で活躍されております。
18日、くらしにちょっとクラシック音楽の会の演奏会がありました。無事終了しました。
一年間の準備を経て、無事開催、わたしも、スタッフとして参加してきました。
来年は5月5日、DMG MORIやまと郡山城ホールで開催されることが発表されました。
奈良ミュージックデザインから写真が届きましたので紹介します。
(画像をクリックすると拡大します)
テナーの氷置晋さんのオーソレミオ、伴奏は佐藤明子さん。
氷置晋さん、バイオリンの農澤明大さん、ジャズピアニストの植田良太さん。「ムーンリバー」
最後、会の愛唱歌 中島みゆきさんの「時代」を、出演者、スタッフ、そして会場の皆さんで歌いました。私も右端で歌いました。
終了後の打ち上げ懇親会にて。会長の筒井寛昭東大寺長老を中心に記念撮影です。
6月19日付の奈良新聞に、演奏会の様子が早速掲載されています。日置⇒氷置です。
日頃お世話になっている、奈良の地元の出版社、京阪奈情報教育出版から耳よりの情報が届きましたので紹介します。
(画像をクリックすると拡大します)
「6月24日から7月28日までの間、念願叶って、東京のまほろば館にて弊社のこれまで発行してきた書籍のフェア(展示販売)を開催していただくこととなりました。
初日の24日の夕方からは、奈良県御所の銘酒「風の森」をテイスティングしながら、蔵元油長酒造の山本社長に、日本酒についてのご講演をしていただきます。
申込みはまほろば館のホームページから。
https://nara-mahoroba.pref.nara.jp/event/4904
奈良まほろば館のホームページは⇒https://nara-mahoroba.pref.nara.jp/
首都圏の皆様、どうぞお出かけ下さい。また全国の皆様東京行かれたら、新橋の奈良まほろば館にも、ぜひどうぞ。
幾春かけて老いゆかん 歌人 馬場あき子の日々
2023年 / 日本 / 113分 / ヒッチハイク 配給
監督田代裕
語り國村隼
音楽渡辺俊幸
公式サイトhttps://www.ikuharu-movie.com/
本作は93歳から94歳にかけて歌人、馬場あき子の1年を見つめたものである。
本作は93歳から94歳にかけて歌人 馬場あき子の1年を見つめたものです。少女時代から短歌に親しみ、19歳で短歌結社「まひる野」に入会。以後、教員として戦後民主主義教育の現場にも身を置きながら経済復興による創造と破壊や60年安保などを駆け抜け、うつろな豊かさに至るまでの日本を見つめて1万首以上の歌を詠んでいます。歌への傾倒と同時に、初めて「隅田川」を観たことをきっかけに能の喜多流にも入門。80過ぎまで自ら舞い、新作能も書き下ろしてきました。精力的に活動する一方、親、夫、そして歌の仲間や能の友たちは、一人また一人と先立っていきます。今、馬場の胸に去来する思いとは…。
大阪・十三で上映されている第七芸術劇場のホームページから転載させていただきました。
http://www.nanagei.com/mv/mv_n1760.html
封切りの映画館での馬場あき子さんと監督さんのお話⇒https://www.youtube.com/watch?v=qoKI1bQaFxY
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(以下、先日の日経新聞夕刊 有料電子版より転載させていただきます。)
歌人・馬場あき子の日常を記録したドキュメンタリー映画「幾春かけて老いゆかん」が公開中だ。2021年秋の「馬場あき子全歌集」出版から間もない93歳から94歳の1年に密着し、歌壇の第一人者の人生観に迫る。
朝日歌壇の選者として投稿歌を一瞬で見定めえり分けていく様子、主宰する結社の歌誌「かりん」のオンライン編集会議、自身が書き下ろした新作能「利休」申し合わせ(リハーサル)の立ち会いと、コロナ禍にあっても精力的な日々をカメラは追い、随所に歌を差し挟む。タイトルは代表歌〈さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり〉からとっている。
公開に先立つ本紙のインタビューでは、自身の「題材」について「大きな世界の中で貧しくなっていく日本、人間も粗雑になっていく日本、その日本で生きている自分を感じるわけ。そういうなかで目の前にあるものがどんな位置を保っているのかを考える。すると花一つからでも、それを背景に見えてくるものがある」と話した。映画には〈使ひ捨てのやうに手荒く棲(す)んでゐる地球さびしく梅咲きにけり〉などの歌が引かれる。
戦火を生き、安保闘争ではデモに加わりと、時代の軌跡と重なる半生を送ってきた。「女性の生き方には大変なものがあったけれど、60年前はがんばれば良い世の中が来るという希望があった。今の歌人をかわいそうに思う。今は、歌いにくい時代です。複雑で、どこをどう愛したらいいかとても難しい」
そんな令和の世にあって、「短歌ブーム」をどう見るのか。「短歌はモノローグ。さみしいからモノローグで本当のことがいいたくなる。心にわだかまるひそかな思いや憎しみ、愛をつぶやくことによってなぐさめられる」。反対に経済が豊かな時代には「心を述べなくていい」俳句がはやったと振り返る。
「でも私は絶望はしないの。自分がいままで生きてきた強さがある。がれきから太陽が出て、がれきに沈む風景をもう見ているのだから」。凜(りん)とした声でそう語った。
(桂星子)
6月17日(土)午後7時30分から、 NHK総合テレビのブラタモリは「奈良県 吉野」とのことです。
「奈良・吉野~なぜ桜といえば吉野なのか?~」
今回の舞台は吉野。桜の季節にはおよそ40万人が訪れる言わずと知れた花の名所はどう生まれたのか?タモリさんがブラブラ歩いて解き明かす
▽一目千本!山全体が桜一色に!
「ブラタモリ#238」で訪れたのは奈良・吉野。
旅のお題「なぜ桜といえば吉野なのか」を探る
▽始まりは修験道!根本道場のご本尊と桜の関係とは
▽人々の“祈り”が山を桜で埋め尽くした?
▽カギは北斜面!山の地質と参詣道の向き…桜の名所は偶然が生んだ?▽門前町をブラブラ!ほら貝を発見したタモリさんが…?
▽花の下にて春死なん…吉野の桜を全国に広めた人物とは▽現代の花見の先駆け?秀吉が開いた前代未聞の大イベント!
スペイン、日本を拠点に世界で活躍されている、ピアニスト川上ミネさんの「マイウエイ」という半生記をつづったコラムに出会いました。
44回ちょうど奈良県というタイトルの回です。
川上ミネさんのページです。写真は川上ミネさんのフェースブックから拝借。
http://www.minekawakami.com/diary/diary.cgi?page=24&fbclid=IwAR0Yqc670QsYFy95kut36ZIevf0VmYukGdxiEGhJHuyXPPIch4IyBq_UWGQ
「奈良県
新型コロナウイルの拡大によって全ての音楽コンサートが中止となり、何も予定がなくなった。そんな中、私が以前から担当していた「やまとの季節七十二候」という番組の音楽制作に関して、NHK奈良放送局が、私のドキュメンタリー番組をつくることになった。
「やまとの季節」は、奈良在住の映像作家保山耕一さんがレンズを通して見つめた奈良の季節(七十二候)を、私が作曲・演奏するピアノとともに描く番組だ。ピアノは100年以上の歴史があるものを使用する。
「やまとの季節」は、コロナ禍で疲れた多くの心に受け入れてもらえたのだろうか。特にNHKのネット配信では想像を超えて多くの人々に見ていただけた。視聴回数は累計で数百万回に上った。
奈良は、一般家庭でのピアノ保有率が日本で最も高い県である。調べてみると、驚くほど古いグランドピアノが思わぬところで見つかったりする。
昔、キューバで暮らしていた時から感じていたことなのだが、古いピアノは樹齢の高い木にどこか似ていると思う。ピアノは簡単に動かすことができない大きな楽器だけに、一度設置されるとその場所にじっと佇んで年を重ねていく。その間に多くの人がそのピアノに関わっては去っていく。樹齢の高い大木にたくさんの鳥や動物が世代を超えて集まってくるかのようだ。
奈良県立桜井高等学校(奈良県)に、100年間大切に守り継がれてきたグランドピアノがある。ドキュメンタリー番組では、そのピアノを特別に使用させてもらって撮影をした。100年という年月の間にこのピアノの周りに集まり、演奏し、歌った生徒たちの一つ一つの記憶がその音に刻まれているようだった。新品のピアノには全く存在しない深い味わいを感じさせる音がした。
ピアノという楽器は、完成して工場を出た時からも成長を続けると思う。人間と同じようにさまざまな出会いや体験を一つ一つ楽器の奥に刻み、それが楽器の個性となって生き続ける。
ドキュメンタリー番組は「音のかたち」と言う番組になった。その後、国外でもさまざまな言語に翻訳されて国際放送として放送された。その番組を見た地球の裏側の人からもメッセージをいただけたことは、私にとって大きな励みとなった。」
川上ミネさんのページです。マイウエイをほぼすべて読めるようです。全部で50回もの連載だそうです。
http://www.minekawakami.com/diary/diary.cgi?page=24&fbclid=IwAR0Yqc670QsYFy95kut36ZIevf0VmYukGdxiEGhJHuyXPPIch4IyBq_UWGQ
そして6月11日、奈良公園バスターミナルのレクチャーホールでの保山耕一さんの上映会に、川上ミネさんが出演されました。
1部の奈良どっとFMの公開録音に出演とともに、アンコールに応えて最後に「道」というご自身の作曲のピアノ演奏をされました。
翌日からスペインの行かれるということでした。
CDの販売もされていましたので2枚買いました。
上映会のあとのサイン会は長い列でしたが、並んで最後CDにサインをもらいました。
川上ミネさんとは以前から保山さんの上映会で知り合っていましたので、当方のブログも読んでいただいているとのこと、そしてブログへの紹介も楽しみにしているということでした。
上映会の時の写真そしてサイン会で2ショット撮ってもらいましたので、記念にアップしておきます。
獅子舞にかじられる前の川上ミネさん。
サイン会は長蛇の列でした。2ショットとってもらいましたが、すこしすましていますね。
そしてフェースブックでいつも素敵な奈良の写真をアップされているFさんが撮ってくれていました。ありがとうございました。
左から、岡本彰夫先生、川上ミネさん、そして奈良どっとFMの中川直子局長と。
川上ミネさんのますますのご活躍を祈念します。そしてまた奈良に帰ってきてください。
保山さんの6月上映会が6月11日に奈良公園バスターミナルのレクチャーホールで開かれました。
保山さんの5月15日に平城宮跡で撮影された映像が上映されました。
https://www.youtube.com/watch?v=sY458oPqy8A
事前に映像をいただき、短歌を詠みました。
黒雲(くろくも)湧き雷雨とどろく朱雀門(すざくもん)雨の上がりて太き虹立つ
1部は奈良どっとFMの「岡本彰夫の奈良奥の奥」の放送の公開録音でした。国際的に活躍されているピアニストの川上ミネさんが特別出演されました、そしてピアノ演奏もされました。後日、奈良どっとFMで放送されます。
公開映像は2部から行われました。
以下のyoutubeでしばらくの間、公開されるようです。見られたら振り込みもよろしくお願いします。
https://www.youtube.com/watch?v=WU52_KFRAZM
37分くらいから保山さんのお話、平城宮跡の映像、私の登壇が流れます。良かったらご覧ください。
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6月13日追記
奈良新聞の国原譜に、保山耕一さん上映会のことが載っています。山下県知事も来場し、継続を明言したとのことです。
今後、保山耕一さんと奈良県の連携に より、ますます奈良のほんとうの魅力の紹介とアピールにご尽力いただきたいと思います。
保山さんから奈良新聞13日付をいただきました。紹介させていただきます。ありがとうございます。(画像をクリックすると拡大します)
この日は、暑くて夏の雲がぐんぐん育ちやがて豪雨が降り雷が鳴りました。やがて雨が上がり朱雀門のすぐ近くに虹が出ました。
映像を見て短歌を詠みました。
黒雲湧き雷雨とどろく朱雀門雨の上がりて太き虹立つ
https://www.youtube.com/watch?v=sY458oPqy8A
桜井や宇陀あたりに行くと、織田有楽斎の名前がよく出てきます。川嶌一穂さんの美ビット見て歩き*117は、京都文化博物館でいか開かれている 四百年遠忌特別展『大名茶人 織田有楽斎』についてです。
奈良新聞の見出しには、武人であり「数寄者」の生涯を語る、 戦国から江戸の三代主君を変え生き抜くと、あります。
(画像をクリックすると拡大します)
美ビット見て歩き 私の美術ノート *117 川嶌一穂
京都文化博物館 四百年遠忌記念特別展『大名茶人 織田有楽斎』
写真 四百年遠忌記念特別展『大名茶人 織田有楽斎』チラシ
若いころの私なら、織田有楽(おだうらく・天文十六年<1547>〜元和七年<1621>)の、「二君に見(まみ)えず」とは対極にある生き方はとても受け入れられなかっただろう。
しかし今なら分かる。有楽の選んだ生き方の方がずっと困難で、意味のあるものだったと。
異母兄の信長が倒れた本能寺の変では、当時仕えていた信長嫡男の信忠とともに光秀軍に襲われ、京都二条御所に立てこもったが、信忠は自害して果てた。有楽は安土城に逃れて、信忠嫡男の三法師を守った。「逃げの源吾(有楽の幼名)」と言われる所以だ。
変の後、御伽衆として仕えた秀吉から、現在の大阪府摂津市に所領を与えられた。天正十四年(1586)頃、剃髪し、「有楽斎」と称したらしい。翌年、秀吉が開いた北野大茶湯にも参加している。武人でありながら同時に茶人として活躍し始めたのだ。
有楽の作とされる、秀吉が伏見城内に設けた茶室は、明治時代に生糸貿易で財をなした原富太郎が横浜に開いた三渓園内に移されて、重要文化財「春草廬(しゅんそうろ)」として現存している。内部は公開されていないが、三渓園HPの「施設内360度カメラ」で、窓の多い、明るくモダンな姿を見ることができる。
秀吉の死後は、関ヶ原の戦いで東軍に属して戦功をあげ、家康より大和三万石を与えられる。さらに、大坂夏の陣で豊臣家が滅亡した後、芝村藩(奈良県桜井市)と柳本藩(天理市柳本町)を息子たちに託して、自らは出家した。
その数年後、京都建仁寺の塔頭・正伝院(現・正伝永源院)を再建し、書院と、これも窓を多用した茶室・如庵(じょあん・有楽の洗礼名から名付けたとも言われる)を設けた。
如庵もまた現存する。紆余曲折を経て、愛知県犬山市の犬山城に隣接する日本庭園「有楽苑」に、書院とともに移築されて、京都山崎妙喜庵の「待庵」、京都大徳寺龍光院の「密庵」とともに国宝茶席三名席の一つとして今に伝えられた。
会場に入ると、法体姿の「織田有楽斎坐像」がある。正伝永源院に伝わる木彫の坐像で、有楽生前の姿を写したと言われる。
一見穏やかな、微笑をたたえたような表情だが、がっしりとした体躯、目の奥に宿る鋭い光、一文字に引き結ばれた口を見ていると、これでこそ戦国末期から江戸初期までの三代を生き延びることができた、と思わせるしたたかさが伝わって来る。
会場の「第2章 有楽斎の交友関係」には、福島正則、徳川家康ら、有楽の交友関係の中で交わされた書状が並ぶ。その多くは茶室に掛ける茶掛けとして表装されたもの。情けないことにほとんど読めないが、忙しい時間の合間を縫って認められた手紙のようだ。どれも現代の書展で時々見かける「大向こうを唸らせてやろう」というところのない、気持ちのいい字だ。
茶会への招待やら、明日に予定していた茶会は大雨のために延期するなど、今だったらメールやラインを使うような短信から、当時の交流が偲ばれる。
会場、続いての「第3章」は、「数寄者としての有楽斎」。多くが散逸してしまった有楽遺愛の茶道具が、400年の時を超えて、晩年を過ごした京都の地で今回一堂に会したことになる。優れたコレクションこそ、散逸の可能性が高いのかもしれない。
後に松平不昧公の愛蔵ともなった、すっきりとした「黒漆一文字香合」、大坂城の落城とともに粉々になったのを漆で修復したという「唐物文琳茶入」、ひび割れを鎹(かすがい)で留めた「青磁輪花茶碗」、そして「有楽井戸」と呼ばれる重要美術品の大井戸茶碗。みな実際に使いやすそうで、ずっと見ていたい名品だ。
富岡鐵斎の描いた「如庵図」も出ている。淡彩をほどこした柔らかな墨の筆致が、隠居して茶の湯三昧の生活を送っている有楽のほのぼのとした暮らしぶりを伝えている。
写真のチラシを見て頂きたい。花びらの先が少し赤みを帯びた白い蓮の花が群れ咲く池の上を、金地をバックに二羽のツバメが飛んでいる襖が、ちょっと開いた。「ま、一服」とでも言うように、畳の上に「有楽井戸」がそっと置かれる。まさに、忙中楽(・)しみ有(・)り。
=次回は令和5年7月14日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ 京都文化博物館 京都市中京区三条高倉。電話=075(222)0888。https://www.bunpaku.or.jp。
近鉄京都線竹田駅乗り換え、京都市営地下鉄烏丸線烏丸御池駅下車。5番出口から三条通りを東へ徒歩4分。
会期は6月25日(日)まで(月曜休館)。
6月21日(水)14時から30分程度のギャラリートークあり(当日の入場者向け、参加費無料・事前申込不要)。
6月18日やまと郡山城ホールの小ホールでは、くらしにちょっとクラシック音楽の会の「わがママコンサート」があります。
楽しい盛りだくさんのプログラムです。父の日にお父さんとご一緒も良いかもしれません。
チケットは、器まつもりでも扱っています。(ペアーチケット4000円をどうぞ)
今回アメリカ、ボストンのバークレー音楽大学出身のジャズピアニスト、植田良太さんが登場してくれます。
ムーンリバーなど・・・。
植田良太さんは奈良出身で現在奈良在住の音楽家。広く活躍されています。
植田良太さんのホームページです⇒https://www.ryotaueda.com/
写真は、プロフィールから拝借。
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そして奈良市出身、奈良市在住のヴァイオリニスト農澤 正大さんも登場です。
ワールドシップオーケストラも主宰されていますが、今回はヴァイオリニストとして出演。
世界2位になった、口笛も吹いてくれるかもしれません。
農澤正大さんのホームページです⇒https://www.ryotaueda.com/
写真も拝借。
6月18日(日)は父の日です。
くらしにちょっとクラシック音楽の会のコンサートがDMGやまと郡山城ホールの小ホール(ほぼ300席)であります。
2部にはシンガーソングライターですっかり有名な氷置晋さんが登場、オー・ソレ・ミオ、フニクリフニクラなどを歌ってくれます。
チケットは、奈良もちいどのセンター街の器まつもりでも扱っています。(おふたりならペアーチケット4000円をどうぞ)
ところでyahooニュースに、氷置晋さんのニュースも流れて来ました。東大寺長老としてコメントを寄せられているのが
我々の、くらしにちょっとクラシック音楽の会の会長でもある筒井寛昭師です。
転載させていただきます。
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東大寺長老(住職)コメント 歌手の新曲に「感情を歌いかけているよう」
6/7(水) 12:00配信
インド人ミュージシャン・Tanmayとシンガーソングライターの氷置晋
6月7日にシンガーソングライターの氷置晋とインド人ミュージシャン・Tanmayの初のコラボ曲『Sunrise』がデジタルリリースされた。また、リリースを記念して東大寺長老(住職)より音楽に対して異例のコメントが公開された。
【写真】え、誰?謎のリーゼント…インド人ミュージシャンのTanmay
会ったこともない作者の2人がインターネットを通じて繋がったように、この世界の誰かと心をかわしたくなるような楽曲で、インドの香りがほのかにする浮遊感あるトラックと、氷置の柔らかい言葉が特徴となっている。
また、インドといえば仏教、仏教と言えば大仏。奇しくも奈良市観光大使である氷置晋…ということで、リリースを祝して奈良の大仏でお馴染みの東大寺長老(住職)よりリリースのお祝いコメントが到着した。
■『Sunrise』を聴いた奈良・東大寺 長老(住職)他のコメント
東大寺長老 筒井寛昭
音の高低と強弱で、感情や情緒を表す音楽ほど人間的なものは無い。然らば如何なる表現が人の感情を呼び起こすのであろうか。 彼の発信する音楽は、その感情を歌いかけているように聞こえる。 ※長老とは仏教の経験豊富な僧に対する尊称、または役職。
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氷置晋さんのホームページです。
https://shinhioki.com/
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