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奈良まほろばソムリエの佳山隆生さんの「奈良とび」飛鳥・奈良時代をうまく解説されたYOUTUBEがありますので紹介します。
第1回は
【日本史】飛鳥・奈良時代1/5 基礎編。系図で全体像を見てみましょう。大人の日本史:昔習った歴史を思い返しながら、奈良の名所・旧跡をご案内。これで奈良観光が100倍楽しくなること間違いなし【奈良観光】 - YouTube
以下は第2回です。
【日本史】飛鳥・奈良時代2/5 聖徳太子編。聖徳太子や蘇我馬子にスポットを当てて、日本の始まり飛鳥時代をのぞいてみましょう。大人の日本史:昔習った歴史と奈良の名所・旧跡をご案内。【奈良観光】 - YouTube
第3回 大化の改新編
第4回 天武天皇編
第5回 奈良時代 平城遷都編
\奈良を詠う、記紀・万葉合唱団10周年コンサートが3/11(土)に開催!/
古事記・日本書紀・万葉集など奈良に因んだ歌を歌う「奈良を詠う、記紀・万葉合唱団」が万葉学者の上野誠氏監修による「10周年コンサート~THE・天(てん)・天(あめ)~」を3/11(土)に開催します。
スペシャル・ゲストには、漫才コンビ「笑い飯」も出演します!お問い合わせ、チケットのご購入は以下をご確認ください。
📆2023/3/11(土)
📍奈良県文化会館 国際ホール(奈良県奈良市登大路町6-2)
🕒14:00開演(13:30開場)
💳入場料:前売1,500円 当日2,000円
定員:1,200名
主催:奈良を詠う、記紀・万葉合唱団事務局
後援:奈良県、奈良市
問い合わせ:合唱団事務局 TEL 090-9099-3308
narawoutau@yahoo.co.jp
チケット購入:奈良県文化会館 TEL 0742-23-8921
合唱団事務局 TEL090-9099-3308(高橋)narawoutau@yahoo.co.jp
※写真提供:奈良を詠う、記紀・万葉合唱団
売り切れ中と話題の「令和言葉・奈良弁で訳した万葉集1」税込1000円、万葉社発行。
第4刷が奈良・小西通りの啓林堂書店に入荷があり、予約していましたのでうまく手に入れることが出来ました。
(画像をクリックすると拡大します)
「はじめに。
1300年前、日本の首都は「奈良」でした。万葉集がつくられたのはその時代です。
万葉集には、4500首以上の和歌が全20巻に収められています。
歌人は、天皇から役人、主婦、芸人まで身分や職業さまざまです。
万葉集は人気の文学なので、数々の現代語(標準語)に訳されてきました。その言葉は、現代の首都「東京の言葉」です。しかし、万葉集の時代の首都は奈良なので、標準語は「奈良の言葉」のはずです。
◎奈良はかつての首都
1300年前の日本の首都は奈良!
万葉集はここで生まれました。
東京の言葉は現代の標準語。万葉集の時代は方言扱いでした。」
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以下のようにページを組み立ててあります。
有名な「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり」も以下の通りです。
上野誠先生の本にも思いきり意訳の現代語で書かれた本もありました。
今回、奈良弁で訳した、しかも現代の若い人の奈良弁というのが、売れているポイントかもしれません。
もっとも著者は、奈良出身ではないとのことです。
「現代の奈良弁」というのがついて行けなくて、よくわからないところもありました。
タレントで大活躍中の八嶋智人さんのNHKファミリーヒストリーの放送が近づいてきましたので、ご紹介します。
八嶋智人さんは奈良市出身の奈良市観光特別大使です。
奈良女子大学の附属小学校から中学高校まで在学、
中学高校では水泳部に入り、部長も務めたとのことです。
NHK総合テレビで、八嶋智人さんをテーマにした「ファミリーヒストリー」という番組が、2月27日(月)午後7時57分から放送されるそうです。よかったら録画するなりして、ご覧ください。
(以下NHKのHPより)
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「俳優・八嶋智人〜純愛にあふれた母 東大寺との縁とは〜」
初回放送日: 2023年2月27日
数々のドラマでユーモアあふれる役どころを好演してきた八嶋智人。その明るさは母から、好奇心は父から受け継いでいた。父は古墳の堀を泳いだり、体育館の屋根でスキーをして怒られたやんちゃ者。父方祖父も剛の男で稼ぎもよかったが、戦争から帰ると生活が激変する。母方祖父は1270年以上続く東大寺の修二会(お水取り)で大切な役割を担い、仏の精神に触れてきた。母も苦しい時期に東大寺で働くことになり、元気を取り戻す。
2月27日(月)午後7:57 ほか 放送予定へ
いろいろな知り合いとつながりがある、田中教子さんから、ご案内いただきましたので紹介します。どうぞお出かけください。
(画像をクリックすると拡大します)
3月17日〜19日 奈良東大寺総合文化センター金鐘会館(東大寺ミュージアム地下)にて、
「二月堂の青石段 〜End of the Silk Road〜田中教子展」
を開催します。 (入場無料)
従来あまり注目されてこなかった、二月堂の南側の青石段。
上下3段に連続した可憐な吉祥文様が刻印されていますが、現在かなりすり減っており、そこをよく通るひとでも、ほとんど気づかれません。
いつからあるのか、どのような意味があるのか。深い謎に包まれています。
これを調べたところ、華厳経入法界品に由来する、意味深いものであると考えられます。
このたび、この階段をモチーフに単独で大型インスタレーションを制作しました。
そして、同作品は2022年フランスの五大美術団体のひとつ、SNBAソシエテ・ナショナル ・デ・ボザールの160周年記念展で、総合金賞ならびにインスタレーション部門の金賞をダブル受賞しました。
また会期中、会場にて以下の催しが行われます。
17日13時〜 オープニング
14時〜 お水取りのお話(話し手:望月大仙さん/聞き手:中田文花さん)
東大寺の尼僧である中田文花さんのコーディネートで、お水取りに参籠されたばかりの権処世界・望月大仙さんのお話を伺います。
18日13時〜 二月堂青石段の文様について(田中教子)
アーティストトーク。二月堂の南側の階段の文様についてのお話をさせていただきます。
14時〜 東大寺の石工について(山川均さん)
東大寺を中心に古代の石造物をご専門に研究されている山川さんに、二月堂のすぐ下にある三月堂の石灯籠のお話などを伺います
15時〜 奈良市キャンベラ市姉妹都市30周年詩歌朗読 〜キャロル・ヘイズさんを偲んで〜(菊地利奈さん、田中教子他)
日豪の短歌交流に尽力されたオーストラリア国立大学教授・キャロル・ヘイズさんが翻訳された田中の短歌(お水取りの歌)ほか、キャンベラと関わりの深い翻訳研究家・菊地利奈さんと二か国語で朗読します。
参加費無料
(資料代500円)
保山さんの3月12日の上映会の申し込みが開始されます。21日21時から。
【チケットウェブ予約のお知らせ】
突然ですが、3月12日公演のチケット予約を21日火曜日午後9時から受付開始します。
今回も隣の席を空席にしての開催となります。
感染予防対策でもありますが、お客様に映像と音楽に包まれリラックスしていただく事が一番の目的です。インフルエンザも流行していますしね。
3月公演は第一部が作品上映会。
第二部がラジオの公開収録。
そして、「歌を歌おう」でフィナーレとなります。
上映会の内容は、リクエスト特集。
2ヶ月にわたって2022年を映像詩で振り返りましたが、たくさんのリクエストが届いており、それにお応えしたいと考えております。
今からでも、皆様からのリクエストをお待ちしています。
2022年に限らず、あなたのお気に入りを教えてください。
出来れば、コメントを添えて下されば合わせてご紹介します。
あなたの思い出と共にある映像詩のリクエストを心からお待ちしています。どうかどうか、よろしくお願いします。
ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」司会は中川直子局長。ゲストは興福寺の辻明俊師と大安寺の河野裕韶副住職のお二人。365日つながりのお二人をお招きします。
ロビーでは「興福寺の365日」「大安寺の365日」著書の販売とサイン会を開催します。この機会に是非!
(本当は五條永教師もお誘いしての企画でしたが、ご予定がありとても残念です)
そして、最初で最後のレア企画、岡本彰夫先生と私が対談(させて頂きます)本来なら出会うはずのない別世界で生きてきた二人が不思議なご縁でつながったお話をします。私が撮影して岡本先生にお贈りした貴重なビデオ作品(?)も少しだけ上映します。
フィナーレの「歌を歌おう」は大垣知哉さんが歌います!
3月もギター牧野由希子さんのアレンジでお届けします。
オープニングはバイオリン秦進一さんとピアノすみかおりさんによる「虹の彼方へ」ではじめます。
朗読は上本京子さん、松森重博さんとのコラボもあります。
実は隠れファンの多い竹田次長の奈良公園レポートもネタがあれば出動します。竹田次長にレポートして欲しいネタがあれば、教えてくださいね。中継ネタ募集中!お待ちしております。
3月公演は年度末ということもあり、区切りになるような、そんな気持ちで構成したいと考えています。
4月から始まる新年度のお話は出来ませんが、上映会で何度もお話ししたように、「当たり前だった事が突然気が付けば終わっている」常に後悔ややり残したことのないよう、全力でやります。
たくさんのスタッフに支えられ、たくさんのお客様から応援をいただき、映像作家として4kプロジェクターとタイムドメイン音響という最高の環境で映像詩を上映出来ることに心から感謝し、皆様をおもてなしします。
ご期待ください!、どうか、よろしくお願いします。
3月上映会ウェブ受付
https://event.nara.jp/sp/mar
ウェブ受付は一度のお申し込みで2名までとなります。
3名以上は2度に分けてお申し込みいただくか、メールでお願いします。
hozan4kmovie@gmail.com
電話でも1名様から受け付けます。
電話0742-24-5611、ならどっとFM
清水真貴や保山のメッセンジャーでも承ります。
毎年3月末から4月はじめ、佐保川べりのJR関西線から大宮大橋のあたりで、桜と行燈で楽しませていただいた、佐保川桜まつり燈火会は、代表の橋本征一さん(84才)が2022年12月、急逝されたので閉幕とのことです。
23年間、お世話されたということです。とても残念なことです。橋本征一さまのご冥福をお祈りいたします。
悼 橋本征一様 二首ささげます。
・佐保川の桜まつりは橋本氏逝きて終えぬとたよりの届く
・佐保川の桜まつりを二十三年世話を尽くせし画家橋本氏逝く
2017年の佐保川桜まつり燈火会にて、橋本征一さま。
(画像はクリックすると拡大します)
また、橋本征一さまは毎日新聞奈良版のやまと歌壇や、やまと俳壇、柳壇のページに毎週、花の挿絵を描き続けておられました。
毎年、いろいろな課題のメッセージで短歌や俳句を集められ、絵とともに行燈を掲げられていました。閉幕はほんとうに惜しまれます。
歌人のTさんからご案内いただきましたので紹介します。写真はHPより拝借。
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ご存知のとおり、本年は奈良市キャンベラ市姉妹都市30周年にあたります。
そしてまた、大阪市メルボルン市姉妹都市45周年にもあたります。
私は、キャンベラジャパンクラブの短歌会に所属しており、かつて奈良女子大大学院在籍当時から奈良市キャンベラ市の姉妹都市短歌の交流を続けてきました。
10年前から姉妹都市記念ごとに、キャンベラ政府の助成などをうけて、キャンベラ・ジャパンクラブやANUオーストラリア国立大学の協力のもとに、奈良市民のみなさんを中心に広く世界に呼びかけて短歌とTANKA集を制作してきました。
本年度も姉妹都市記念の短歌とTANKA合同歌集の制作にむけて、現在、短歌を募集しています。
ついては、大変恐縮にぞんじますが、もし良ければ、下記のホームページからご投稿いただけましたら、大変嬉しく存じます。
いかがでしょうか。
また、少しでも多くの方にご投稿いただきたく、もし、お知り合いがおられましたら、お声がけ頂けましたらと存じます。
テーマは「自然」です。
「自然」の文字を入れる必要はありません。自然に関することならなんでも結構です。
締切は、3月10日
投稿ホームページ
http://i-tanka.com
主催:キャンベラ・ジャパンクラブ/ANUほか
なお、入選掲載作品は、翻訳し、日本語、英語で掲載されます。
短歌作品の英語翻訳は、短歌の翻訳でドナルド・キーン賞を受賞された、アメリア・フィールデンさんが担当します。
英語TANKAの日本語訳は、歌人で、オーストラリアの日本語教師第一号である小城小枝子さんです。
投稿無料
是非ご協力お願いいたします
田中 教子
なお、掲載の記念合同歌集は無料で贈呈いたしますが、ご住所をお知らせいただくことと、送料のみ頂戴いたします。
突然の、お知らせご無礼を何卒、お許しください
こちらがクラスコードになります: ptifrwb
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奈良キャンベラ姉妹都市30周年大阪メルボルン姉妹都市45周年短歌とTANKA作品募集
JAPANESE/ENGLISH
「短歌と TANKA」作品募集
2023年は、奈良市とキャンベラ市の姉妹都市提携30周年、そして大阪市とメルボルン市の姉妹都市提携45周年にあたります。そこで、日豪「短歌とTANKA」では下記の要領で短歌とTANKA作品を募集します。「自然」をテーマとした短歌を一人3首まで。入選作品は二か国語に翻訳し合同歌集に掲載します。締め切りは、2023年2月10日〜3月10日まで。なお、選考は英訳または和訳することを基準にします。(投稿無料。)
入選し作品が掲載された方には、合同歌集を無料贈呈いたします。ただし、送料は御負担いただきたく、着払いでのお届けとなります。お届けご希望の場合は、作品投稿時にお書き添えください。
なおこのホームページ の作品投稿は、Googleクラスルームを利用しています。
ご投稿には、下記のクラスコードをご利用ください。
Googleクラスコード: ptifrwb
ー短歌とTANKAの作品募集ー
題:自然
〆切:2023年3月10日
投稿:一人3首まで
奈良市中心市街地活性化研究会(会長は不肖 私)の専務理事の新堂順規さんが興味深いランキングを知らせてくれましたので紹介します。
【幸福度ランキング都道府県別・自治体別】
これって、大東建託・いい部屋ネットが、アンケート調査した結果の発表なんやな。
都道府県別の「幸福度ランキング」で、昨年今年と続けて、奈良県が1位、滋賀県が2位、兵庫県が3位ということらしい。
但し、自治体別のランキングでは、TOP20に入った奈良の市町村は無くて、その次の21位に大淀町、以下39位40位が平群町、生駒市、48位王寺町、64位香芝市、69位斑鳩町、72位奈良市、94位天理市、169位広陵町、178位橿原市、201位葛城市、258位宇陀市、277位田原本町など。奈良の隣の木津川市は55位で、京都府では大山崎町20位、宇治田原町30位など。
「住み続けたい街」の方では、生駒市13位、王寺町19位にはいってますな。
2月12日、奈良公園バスターミナルのレクチャーホールにて保山耕一氏の映像上映会がありました。
その中で、若草山焼きの映像が流れました。
YouTubeにアップされています。以下をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=arybQQLFuVk
わたしの短歌がコラボされました。
若草山焼きについて、司会の中川直子さんとお話ししました。(奈良まほろばソムリエの会の松浦副理事長に写真を撮っていただきました)
【お待たせしましたアーカイブ限定公開】
2月12日の映像作家保山耕一作品上映会のライブ配信映像となります。
4時間にわたります。
投げ銭での有料配信となります。
https://youtube.com/live/yb8O70Qf8Io?feature=share
若草山焼きの映像も2時間56分頃から流れます。今回わたしも登壇し、山焼きのお話しを中川直子局長とさせていただきました。ありがとうございました。
■活動支援のカンパ、投げ銭は下記までお願いし申し上げます。
===============
三井住友銀行
小阪支店
普通 5231131
ホザン コウイチ
===============
皆様からの投げ銭でのご支援をどうかお願い致します。
川嶌一穂さんの美ビット見て歩き、年明けて初めての今月は、百人一首について興味深く書かれています。
川嶌さん、今年もよろしくお願いします。
後鳥羽上皇、藤原定家。わたしは百人一首について知らないことが多いことがわかりました。百人一首の英訳もあるのですね。
かつて、テレビラジオ新聞などでよく拝見していた、放送作家の織田正吉さんも百人一首の研究家であったそうです。(亡くなられていたのは知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします)
(画像をクリックすると拡大します)
美ビット見て歩き 私の美術ノート *113 川嶌一穂
藤原定家選小倉百人一首
写真 「後鳥羽院」「光琳かるた上の句札」(『別冊太陽 百人一首』昭和54年刊より)
お正月と言えば、小さいときは親の膝に座って「これこれ」と教えられた札を取ったり、「坊主めくり」には一人で参加したりして、子どもの頃から百人一首のかるた遊びに親しんできた。
亡き母は「昔取った杵柄」と呟きながら、いつも一位を保っていた。とくに「カク・サシ」という二字決まりの「かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを」(藤原実方朝臣)は、絶対に人には取らせなかった。
短大で教えるようになって、授業で百人一首を取り上げた時、学生の人気第一位は「このたびは幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」(菅家)だった。音の響きがいいのだろう、ポップな音楽を聞いている若者らしい。
そのとき授業で使ったマックミラン・ピーター著『英詩訳・百人一首』(集英社新書・2009年<絶版>)は、全百首がシンプルな現代英語に翻訳されていて、分かりやすい。
中でも「たち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰り来む」(中納言行平)の英訳は興味深い。この歌は「松」と「待つ」という掛詞がどう処理されるかが見どころだが、なんと英語のpine に、「松」という名詞の他に、「恋い焦がれる」という動詞があって、「松とし聞かば」は、そのまま if I hear you pine for me と訳されている。何たる偶然!
年に一度でも毎年百人一首で遊んでいると、少しずつ気づくことがあった。読み札の絵の天智天皇や持統天皇が衣冠束帯や十二単という平安の衣装を身にまとっているのは、選歌した定家のあずかり知らぬこととして、百首には同じ語句が多い。たとえば下の句が「ひと」で始まる歌は九首もある。だからこそかるた遊びは面白いのだが、歌集として何らかの意図があるのだろうか。
西行法師は「なげけとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな」の一首が取られているが、西行には他にいい歌がたくさんある。実際、定家に「白雲とまがふ桜にさそはれて心ぞかかる山の端ごとに」の歌があるが、これは西行の「おしなべて花のさかりになりにけり山の端ごとにかかる白雲」(『山家集』)を本歌としている。この歌を西行の一首として入れてもよかったのだ。
この、百首に重なる語句が多いことと、百人の歌人の最高の歌が選ばれているわけではないことにこだわり、定家の百首選歌の秘められた意図を解明しようとしたのが、お笑いの放送作家・織田正吉さん(2020年没)である。
鎌倉時代初期の歌人・藤原定家(1162−1241)は、何百年と政権の座にあった貴族が、新興勢力である武家に政治の力を奪われるという激動の時代に生き、九十一歳で亡くなった父・俊成には及ばないものの、病弱の身ながら八十歳まで頑張った。生涯に『新古今』と『新勅撰』という二つの勅撰和歌集を撰進し、歌道の家としての支配的地位を確立して、まさに「家ヲ定メ」た。
かたや後鳥羽上皇(1180-1239)は、時の執権・北条義時追討の院宣を出し、承久の乱を起こしたが、幕府軍に完敗する。子の順徳上皇は佐渡島に、後鳥羽上皇は隠岐島に流され、赦されることなく配所の隠岐島で崩御された。
織田さんは語るー院の勅命により編纂された『新古今集』の選者を定家とともに務めた藤原家隆らかつての歌臣は、隠岐に流された以後も後鳥羽院と音信を交わし続けた。いっぽう定家の周辺は、義弟・西園寺公経が太政大臣となり、主家九条家の頼経が鎌倉四代将軍に迎えられるなど親幕派で占められていた。それでこそ権中納言という地位にも昇進できたのだろう。定家は隠岐の院とは一切の通信を絶ち、院は定家の冷淡さを詠った。呪詛と言ってもよい。
そこで、表立って表明することのできない後鳥羽院への鎮魂の思いを、定家はこの百首に留めたー
このことを証明するために、織田さんは傍証を重ね、精緻に論を進める。ほんの一例を挙げると、『新古今集』をはじめとする通常の歌集に多く詠まれている花を咲かせる植物が、百人一首には梅一首と菊一首しかない。実は後鳥羽院はことのほか菊の花を好み、衣服、車、太刀を菊の紋で飾り、以来皇室の「菊花のご紋章」の起源ともなった。
つまり菊の花は、院の象徴である(梅の花は、式子内親王の象徴)。百首中の菊の歌「心あてに折らばや折らむはつ霜の置きまどはせる白菊の花」(凡河内躬恒)には、「隠岐」という音まで含まれている。
自選歌「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」も、百首中十三首もの歌に登場する「風」や「あらし」の歌の最後として、隠岐から京に向かって吹く北西風に乗せた上皇の呪詛を鎮めようとする「凪」の歌だという。
毎年この時期に、上質なミステリーのような織田さんの本を行きつ戻りつしながら楽しんでいる。それにしても、刊本もコンピュータもない時代に、膨大な過去の和歌のデータから百首のつづれ織りを完成させた定家の頭の中はいったいどうなっているのだろう。
=次回は令和5年3月10日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ ピーター・J・マクミラン著『英語で読む百人一首』(文春文庫・2017年)は新訳。
織田正吉著『絢爛たる暗号―百人一首の謎を解くー』(集英社文庫・昭和61年)は絶版で、古本でもかなりの値段だが、同じ著者の『百人一首の謎』(講談社現代新書・1989年)は、同じく絶版だが、まだ古本で安く買えるようだ。
文中の和歌の表記は『田辺聖子の小倉百人一首』(角川文庫・平成三年)にならった。
奈良まほろばソムリエの会では、このほど会報誌「ソムリエの風」39号を発行しました。
会のホームページ https://stomo.jp/ でも公開されています。
奈良まほろばソムリエの会のことや奈良をいろいろな角度から知ることができると思いますので紹介します。
ソムリエの風39号⇒https://stomo.jp/kaze/
そしていよいよ3月5日、奈良まほろばソムリエ検定試験です。
3月5日に奈良は天理大学にて、2級、1級、最上級のソムリエ級、
東京会場では2級と1級が行なわれます。受検される皆様の健闘をお祈りします。
合格されたらぜひ、奈良まほろばソムリエの会に入会してくださいね。お待ちしています。
奈良大学博物館では、3月20日まで、古写真のなかの奈良の企画展をされています。
開館時間、9時から16時半まで。(土曜日は12時まで)休館日は日曜日・祝日です。
https://www.nara-u.ac.jp/museum/inform/
奈良大学図書館所蔵の北村信昭コレクションのガラス乾板写真とのことです。
北村写真館は猿沢池東の畔にあったそうです。先々代の北村太一氏と北村信昭氏の明治時代から昭和の写真です。
入場無料。フラッシュをしなければ写真撮影もOKでした。そして立派なパンフレットをもらいました。
とくに興福寺五重塔からの写真を興味深く拝見しました。
三条通りから南円堂方向。
猿沢池。左下に北村写真館も写っています。
荒池、奈良ホテル方向。昭和11年とのことです。
南円堂から中金堂方向です。
他、明治期の東大寺大仏殿や春日大社、奈良公園、猿沢池などの写真がありました。会期は3月20日までです。
なお北村信昭氏は「奈良いまは昔」という本も出版されています。昭和58年奈良新聞社発行。貴重な本です。
奈良新聞2月1日の記事です。(画像をクリックすると拡大します)
奈良のシカの最近の研究発表が大きな話題を呼んでいます。富雄丸山古墳といい、奈良はつぎつぎ新しい発見があり驚きます。
以下は朝日新聞デジタルの記事です。
道路を悠然と渡り、観光客にせんべいをねだる。国の天然記念物に指定されている奈良公園(奈良市)の鹿たちは野生ながら独特の振る舞いを見せるが、遺伝的にも独自性が高いことを示した論文が、国際的な学会誌に載った。
福島大、山形大、奈良教育大の研究チームが発表した論文のタイトルは「歴史的な宗教保護地区がいにしえのニホンジカの遺伝子系統を守ってきた可能性がある」。
研究チームによると、遺伝子の解析から、奈良公園の鹿たちが紀伊半島の鹿集団から分かれたのは約1千~2千年前、特に約1400年前の可能性が高いと推定された。公園内の春日大社の造営(768年)にかなり近い。
研究チームは、人間の活動が野生動物の集団構造にどう影響するかを調べようと、古代からの歴史資料が多く残る近畿地方、中でも紀伊半島に着目した。
2000~16年に紀伊半島の8地域30地点から集めた鹿294頭の血液などから遺伝子の特徴を調べると、半島東部、半島西部、奈良公園の三つの集団で構成されていることがわかった。
さらに、遺伝子が突然変異を起こす頻度をもとに、各集団が共通の祖先の集団から分かれた年代を解析した。
その結果、6世紀ごろ(古墳時代~飛鳥時代)に半島にいた祖先の鹿の集団から奈良公園の鹿たちが分かれ、16世紀ごろ(室町時代~戦国時代)に半島東部の鹿集団から半島西部の鹿集団が分かれたとみられることがわかった。
春日大社の神は、鹿に乗って常陸国(茨城県)からやってきたとされる。今も「神鹿(しんろく)」と親しまれる奈良公園の鹿が、奈良時代から守られてきたことを科学的にも裏付ける成果だ。
チームの兼子伸吾・福島大准教授(分子生態学)は「DNAと歴史の一致に驚いた」と話す。
1月末あたりから、富雄丸山古墳が話題です。奈良新聞です。
全長2メートル37センチの蛇行剣の記事です。
盾型の銅鏡も初めての出土ということで話題です。ともに国宝級とのことです。
以下は毎日新聞6日の夕刊。旧知の花澤茂人記者の記事です。(画像はクリックすると拡大します)
毎日新聞デジタル有料版より。
「盾形の銅鏡(長さ64センチ、最大幅31センチ)と、長大な蛇行剣(長さ237センチ)。空前の出土品が大きな話題となった奈良市の富雄丸山(とみおまるやま)古墳(4世紀後半)は、いまだ謎多き古墳だ。史跡指定を目指す奈良市埋蔵文化財調査センターの2022年度の発掘調査では、古墳の性格に迫る発見が相次いだ。
富雄丸山古墳は直径109メートルで国内最大の円墳。時期の近い奈良市北西部の佐紀古墳群や、大阪府の百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群から離れた場所に独立して営まれ、被葬者も分かっていない。
銅鏡と蛇行剣は22年12月、墳丘の北東方向にせり出した「造り出し」の埋葬施設から見つかった。銅鏡は鏡面が丁寧に磨かれ、裏面には神獣を表した「鼉龍(だりゅう)」の文やのこぎりの歯のように三角形が並ぶ鋸歯(きょし)文などが精緻に表現され、市教委などは「鼉龍文盾形銅鏡」と名付けた。
蛇行剣はその大きさに当初は数本の剣がつながっている可能性も指摘されたが、奈良県立橿原考古学研究所によるX線調査で、くねくねと6カ所で屈曲する1本の剣であることが確かめられた。
いずれも国産とみられ、古墳時代前期の金属工芸技術の水準が想像以上に高かったことを示すとして専門家らも驚きを隠さない。
ただ同時代の大型前方後円墳はほとんどが歴代天皇の墓などとして宮内庁が「陵墓」として管理し、学術的な調査ができていない。同センターの村瀬陸学芸員は「実態が分からないため、今後はこうした遺物がもしかしたらあるかもしれないと想像していく必要がある」と指摘する。
古墳南東側で見つかった遺構。中央に置かれているのが湧水施設形埴輪=奈良市の富雄丸山古墳で2023年1月25日午前10時40分、花澤茂人撮影拡大
古墳南東側で見つかった遺構。中央に置かれているのが湧水施設形埴輪=奈良市の富雄丸山古墳で2023年1月25日午前10時40分、花澤茂人撮影
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造り出しは前方後円墳のくびれ部分にも見られ、祭祀(さいし)などの場だったと考えられているが、今回は木棺を粘土で覆った「粘土槨(かく)」という埋葬施設が見つかった。コウヤマキの丸太をくりぬいた木棺が約4メートル残存しており、銅鏡と蛇行剣はその外側に置かれていた。村瀬さんは「造り出しという空間の性格を考える上でも重要な発見」と話す。木棺内部は盗掘されておらず、今後の調査でさらなる遺物など被葬者像に迫る発見が期待される。
さらに古墳の南東側では、造り出しに似たテラス状の高まりが見つかり、水の祭祀の施設を表現した最古級の「湧水(ゆうすい)施設形埴輪(はにわ)」やミニチュアの高坏(たかつき)が出土した。造り出しから時計回りにちょうど90度の位置に当たり、村瀬さんは「こちらにも何らかの祭祀の場が広がっていた可能性がある」と指摘する。周辺では、墳丘の平らな面をぐるりと巡っていた円筒埴輪の列が円周より外側で見つかっており、張り出した特殊な空間の存在をうかがわせるという。
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隣接する小さな古墳でも新発見があった。富雄丸山古墳の北東側の隣接地には、富雄丸山2号墳、3号墳と呼ばれる古墳がある。これまでの県教委の調査では2号墳で6世紀後半の横穴式石室が確認されたが、詳しい実態は不明だった。今回同センターが改めて調査したところ、両古墳を区画するような施設がなく、3号墳に埋葬施設がないことが確認された。
このことから、2号墳を後円部、3号墳を前方部とする1基の前方後円墳(全長約40メートル)の可能性があると結論づけた。村瀬さんは「周辺に他の古墳はなく、富雄丸山古墳が作られて約200年後になって意識的にすぐ目の前に築造されたとみられる。当時この地域を治めていた勢力を考える際にも重要だ」と語った。
1月28、29両日の現地公開には延べ約4500人が訪れ、世の関心の高さを示した。さらなる大発見につながるか、今後の調査からも目が離せない。【花澤茂人】
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奈良市の動画です⇒https://www.youtube.com/watch?v=hXjqFie7-Ss
また、この間の記事を奈良まほろばソムリエの会の鉄田さんが以下のブログでまとめてくれていますので紹介します。
https://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/605775f7fb185574e6a5788104ec9f33
(追記)2月11日の朝日新聞記事をもらいました。
きょうは告知があったので、ならどっとFMの「岡本彰夫の奈良の奥の奥」を聞いていたら、薬師寺の高次喜勝師がご出演。
もちいどのセンター街にある、Mスタジオにいきましたら、何人もの熱心なファンの方がおられ、一緒に聴きました。
岡本先生に保山耕一さん、清水真貴さん、大垣知哉さん、特別ゲストの高次喜勝さん、中川直子局長ら番組中のみなさんの様子。
放送のあとスタジオ前で談笑。島岡さんから写真をいただきましたので記念にアップします。
番組はたしか再放送があると思います。金曜日20時から再放送とのことです。
インターネットで聞くことができる、サイマル放送⇒
https://www.jcbasimul.com/narafm12月17日に行なわれた本年度の「あしたの奈良」表彰。ビューティフルシニア表彰。動画が公開されました。https://www.youtube.com/watch?v=PpHFKBsNMyc
https://www.youtube.com/watch?v=PpHFKBsNMyc
92才でお元気に社会活動、グランドゴルフ、同窓会のお世話などをされている 林千鶴さん
奈良まほろばソムリエの会で、ガイドや講演などで活躍の友松洋之子(トモマツヨシコ)さん。
奈良の365日を撮影しSMSで発信したり、NHKで放送されたり、毎月上映会をされている保山耕一さん。
存知あげている皆さんらがスピーチされています。
2年前、私が「あしたのなら」表彰をいただいたときはコロナのため、知事室で行なわれ、残念ながらスピーチはありませんでした。
荒井知事さんから、表彰状と記念メダルをいただきました。
令和4年12月17日(土) 奈良県コンベンションセンターで知事表彰を行いました。
【表彰内容】
・あしたのなら表彰:奈良のPRやイメージアップ、県民に元気や感動を与える活動を行 っている個人や団体を顕彰します。
・ならビューティフルシニア表彰:心身ともに健康で若々しく、積極的に社会活動を行い、年齢を重ねた美しさを感じさせるシニアを顕彰します。
・奈良のお薬師さん大賞:地域医療・介護分野において県内で地道に取組、地域住民・関係者から高い評価を受けている方を顕彰します。
【タイムスケジュール】
02:33 開会のあいさつ
コンテスト・活動発表
07:53 ならビューティフルシニア表彰 コンテスト
30:53 あしたのなら表彰 受賞者活動発表
52:54 奈良のお薬師さん大賞 受賞者から活動発表
表彰式
1:06:05 あしたのなら表彰 表彰状授与
1:13:05 お薬師さん大賞 表彰状授与
1:15:59 ならビューティフルシニア表彰 表彰状授与
1:22:35 ならビューティフルシニア最高感動賞の発表・メダル授与
1:25:36 閉会のあいさつ
https://www.youtube.com/watch?v=PpHFKBsNMyc
ロータリークラブの全国版会報誌「ロータリーの友」2月号です。
奈良ロータリークラブの柳沢育代さんが大きく紹介されています。
そして毎月、ロータリー歌壇があります。
私もときどき掲載されるのですが、2023年2月号に、今回なんと1席に取り上げられましたので、記念にアップします。
選者は、著名な佐佐木幸綱さんです。
くらきやみ
ご造替の春日若宮の昏き闇神官の声高く響けり 松森重博
以下は佐佐木幸綱さんの評です。
2022年10月に春日若宮で20年に一度の式年造替が行われました。
大きなしかも荘重な儀式を一首に歌うのはとても難しいのですが
闇の中の「神官の声」に焦点を合わせ成功しました。
有り難いことです。
神さまのお引っ越しのチラシです。白い布の中に神官の声(警蹕)に包まれて、若宮さまが引っ越しされました。
2月2日、毎日新聞奈良版のやまと歌壇。横山季由先生選。
あかつきの春日大社に初雪のしんしんと降り朱(あけ)際立ちぬ
期せずして、春日大社を詠んだ歌がふたつ選ばれました。
2月12日の保山耕一さん上映会の案内が届きました。まだ席はあるようです。ぜひお出かけください。
昨年8月から、毎月私も短歌で出演させていただいています。
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2月12日(日)
奈良公園バスターミナル東棟2階レクチャーホール
会場:13時30分 開演:14時
大人3,000円、学生500円、全席指定、当日精算
コロナ感染予防対策として入場者数を減らして開催します。
■第一部、14時〜
ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」公開収録
提供:株式会社淺沼組
■第二部、15時30分〜
映像作家保山耕一作品上映会
※お客様にもれなく萬葉ラムネをプレゼント。
チケットウェブ予約
https://event.nara.jp/sp/feb
お問い合わせ、チケット予約
hozan4kmovie@gmail.com
【出演者】
ゲスト:松田大児(画家)
司会:中川直子(ならどっとFM)
出演:岡本彰夫
出演:松森重博(歌人)
出演:西山美穂(萬葉ラムネ)
出演:竹田博康(奈良県地域デザイン推進局)
朗読:上本京子
歌:大垣知哉
歌:檜垣里枝子
ピアノ:すみかおり
ギター:牧野由希子
バイオリン:秦進一
パーカッション:森内清敬
ワールドシップアンサンブル
バイオリン:農澤明大
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