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2022年5月 4日 (水)

倉橋みどりさんの第一句集『寧楽』

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40年ほど俳句を作ってこられたという、山口県出身で現在奈良でご活躍の、倉橋みどりさんが第一句集をこのほど上梓されました。タイトルの「寧楽」(ねいらく)の通り、奈良を詠んだ俳句が多いということです。倉橋さんの俳句の先生はじめ多くの方が長年発行を待ち望まれた俳句集とのことです。倉橋さんは俳句結社「寧楽」も主宰されていて今回相当量の俳句から387句を選ばれたということです。角川書店発行。税込2970円。

4月30日夕方、小西通りの啓林堂書店奈良店2階でたくさんの人を集めて、ミニトークとサイン会がありましたのでいってきました。

今までの道のりを語られたあと、自選十句を解説していただきました。

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黄落(こうらく)や正倉院に錠(かぎ)おりて           黄落=紅葉のこと  錠おりて=正倉院の鍵がかけられること

秋の蚊に小指を食はれ業平寺(なりひらでら)           業平寺=佐保路の不退寺のこと        

つちふる(土降る)と都の址に都人                つちふる=中国大陸からの黄砂

去年(こぞ)今年(ことし)奈良太郎の音(ね)鎮(しず)もれる  去年今年(こぞことし)=除夜の11時45分から12時15分ころ                   

                                奈良太郎=東大寺の大鐘のこと

行く春や転害門(てがいもん)ある手貝町(てがいちょう)     転害門も手貝町も=てがい、字は違うが同じ事

再建の塔より秋の風の音(おと)                 再建の塔=斑鳩の再建された法輪寺の三重塔

大寺をつつんで若草山眠る                    大寺=東大寺のこと。山眠る=冬の季語

時雨(しぐれ)きて鹿も加はる雨やどり              冬急に雨が降り雨宿りをしたら私の両側に私をはさんで鹿も雨宿りした

佐保川の千鳥ぞ光る石拾ふ                    佐保川の千鳥=万葉集に出てくる歌をふまえて

満行や大和の春は調(ととの)ひぬ                満行=お水取りの終えたこと

 

俳句は季語がありますから、わたしなど解説がないとよくわかりませんが、辞書をひいたりインターネットの季語のサイトでしらべたりしながら味わっています。

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倉橋みどりさんとは、月刊誌「あかい奈良」の頃からの知り合いです。

倉橋みどりさんのプロフィールです⇒https://www.arca-nara.jp/about/kurahashim/

(追記)

読売新聞5月13日、2面の「四季」の欄に、倉橋みどりさんの俳句を発見しました。

長谷川櫂さんの欄です。

いま一片やがて一切花吹雪

満開の桜から花びらがひらひら舞い降りる。そのひとひらを見て、数かぎりない花びらの飛び交う光景を予感しているのだ。

ひとひらの静かさと無数の花吹雪の静かさ。何事もはじめはかすかだが、たちまち本流となる。句集『寧楽』から。

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