春日大社の萬葉植物園 2
昨年来、長い間春日大社の萬葉植物園は休園でしたので久しぶりに萬葉植物園を散策できました。
片岡梅林にあった円窓も移転されるということでしたが、正面入口近くに整備されていました。障子も入っています。さぞかし良い空間だと思います。
後日、花山院・宮司さんにうかがいました。
円窓はかつては経蔵であったとのことです。明治期の神仏分離で窓が開けられたらしく、もとは現在地のあたりにあったらしいとのことです。今回、元の場所あたりに戻ったということになるということです。
すぐそばに會津八一の歌碑があります。服部素空氏の解説です。
かすがの に おしてる つき の ほがらかに
あき の ゆふべ と なり に ける かも
(春日野におし照る月のほがらかに秋の夕べとなりにけるかも)
春日野 「現在の奈良公園。“若草山の麓より西の方一帯の平地をいふ。古来国文学の上にて思出深き名にて、今も風趣豊かなる実景なり。”自註鹿鳴集」
おしてる 「おしは接頭語、くまなく照っている」
ほがらか 「あかるく澄んだ月」
歌意
春日野にくまなく照っている月の光はあかるく澄み渡っている。まさに秋の夜になったのだ。
良い風景になりました。
御衣黄も咲いていました。
臥竜のイチイガシです。
鯉に餌をあげました。
この日は昼から雨になりました。映像作家の保山耕一氏が春日大社で撮影され、YouTubeに発表されていますので紹介します。
YouTube「奈良時の雫」をぜひご覧ください
www.youtube.com/watch?v=6osjPfTzy7M
「春日大社、林檎の花」
満開前の藤。
静かに降り続く冷たい雨。
私には藤が雨にじっと堪えているように見えた。
開きかけた花びらを傘のように閉じて、雨に降られていた。
声無き命の仕草、藤の声が聞こえるような気がした。
今日の撮影の主目的は藤ではない。
林檎の庭の林檎の花。
元気が無さそうに見えていた林檎の木。
この春はみずみずしい葉をたくさん広げている。
春日大社で最も穢れなき花はこの林檎の花だと私は思っている。
人々の祈りを見続けてきた林檎の木に咲く白い花。
その林檎の花が一輪だけ雨に濡れて咲いていた。
この林檎の花を撮影出来たのは今日が始めて。
枯れてしまわないかと心配だった林檎の木。
さだまさしさんや川上ミネさん、桃蹊さんの奉納を一番近くで見て聴いていた林檎の木。この花こそ、私にとって神様に一番近い花。
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