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以下のような纏向遺跡の動画配信があります。500円です。私も申し込みました。
主催奈良県桜井市
連絡先
桜井市纒向学研究センター
0744-45-0590
詳しくは https://makimukugaku50th.jp/
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開催趣旨
桜井市纒向学研究センターでは例年「東京フォーラム」を開催し、纒向遺跡に関する最新の調査・研究成果を発信してきましたが、この2年間は新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、中止を余儀なくされました。そこで今年度は少し趣向を変え、「東京フォーラム番外編」として、これまで50年間にわたる纒向遺跡の調査を振り返る座談会を開催し、その様子を動画配信することといたしました。数々の調査・研究に関わってきた出演者が、調査成果の意義や纒向遺跡への思いを熱く語ります。ぜひお楽しみください。
動画内容(プログラム)
●主催者挨拶 桜井市長 松井正剛
●テーマ1「纒向遺跡と私」約40分
・纒向遺跡との出会い・関わり
・関わった調査や整理・分析でとくに記憶に残る事例
●テーマ2「主な調査の評価」約40分
・重要な調査や発見をめぐって
・重要な分析視角など
●テーマ3「初期ヤマト王権論と邪馬台国論」約30分
・ヤマト王権最初の王宮所在地
・ヤマト王権の系譜論
・邪馬台国との関わり
・これからの邪馬台国研究
●テーマ4「これからの纒向遺跡、研究センター、桜井市」約30分
・これからの調査・研究
・纒向遺跡の将来・・・整備・活用など
・研究センターの将来
・その他
出演者
兵庫県立考古博物館 名誉館長
石野 博信 氏
俳優・日本考古学協会会員
苅谷 俊介 氏
奈良教育大学 教授
金原 正明 氏
桜井市纒向学研究センター 所長
寺沢 薫
桜井市纒向学研究センター 統括研究員
橋本 輝彦
読売新聞社 橿原支局長
司会:関口 和哉 氏
動画視聴お申し込み期間
令和4年1月17日(月)から令和4年3月9日(水)まで
※2月中旬にお申込み頂いたメールアドレス宛に動画視聴URLをお送りさせて頂きます。
視聴料金
500円(税込)
動画視聴期間
令和4年2月17日(木)から令和4年3月23日(水)まで
※視聴期間中は何度でも繰り返し視聴頂けます。
兵庫県姫路市在住の池内力さんは、奈良の人以上に奈良をよく歩き、よく学んでおられます。
はるか40年以上前の神戸大学の学生のころから奈良によく来られているということです。「やいち」のハンドルネームは、長年研究されて造詣の深い「會津八一」さんからの命名です。
そして歩かれた道を昨年からブログ「やいちの歴史探訪」http://mahorama.info/index.html
にアップされはじめて、100本以上書かれたとのことです。
朝早く姫路を出発されて、奈良の吉野や曽爾村など奈良市から見ても遠く感じるところまでほとんどを日帰りで行かれています。
そして実際に歩かれる距離や高低差を考えると実に健脚だと思います。
多くの先生のガイドのツァーにもよく行かれています。
写真や地図などがありよくわかります。
また余談ながら奈良まほろばソムリエ資格も途中止まることもなく3年で見事合格されています。
以下は信貴山に行かれた時のブログです。かなり詳しくて参考になります。これからも楽しみにしたいと思います。
前半。信貴山。
http://mahorama.info/posts/post100.html?fbclid=IwAR3jIb0yId3VBMLahJ15cg7G3s_dfvS2-qZ30L5ahTKE93x_-wA-yw0kGGU
後半。高安山。
http://mahorama.info/posts/post101.html?fbclid=IwAR1htGmSEn2nAeSehxspcqHQBK_7RVb9STLWPjxj_IQDS6lsQap3ZX87bO0
先日、ホテル尾花でおこなわれた澤田瞳子さんの書かれた「龍華記」を中心とした座談会がありました。
直木賞作家の澤田瞳子さん。
「龍華記」は興福寺中金堂再建を記念した小説ということを聞き、取り組まれたとのこと。
書く際には、史料があればよく調べること、とにかく文書を読み込むこと、そして地図などの図もとても参考になると言っておられました。
ふたりの対立する人物を描く際、どちらかが100%悪者であることはない、どちらにも利がある、それぞれの立場で思うことがあるという風に考えて書いている。
かつて研究者であったのでそれをベースに書いている。
など非常に示唆に富んだお話でした。
翌日の奈良新聞です。
ところで、そのときご紹介が司会の安達さんからありましたが、「龍華記」のボイスドラマ全六話を順々にYOUTUBEで無料で公開されるそうです。
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCPEE5PtdOBG4BkP3OrV7iAA
そのイラストです。
興福寺など奈良の地図です。
範長と信円。
その他の登場人物のイラストです。
25日からのYOUTUBEをご覧頂きボイスドラマをお聞きいただければと思います。
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「一般社団法人アニメツーリズム協会は、直木賞作家・澤田瞳子著『龍華記』(角川文庫)を声優の内田雄馬、間島淳司出演でボイスドラマ化すると発表した。2月25日20:00から毎週金曜、全6話が配信される。
YouTube での無料配信と同時に、物語の舞台となる奈良市の非接触型観光に寄与するため、無料アプリ SpoTribeとも連動し、スタンプラリー機能を使って作品の舞台となった場所を巡ったり、周辺のおすすめスポットも含めて楽める仕掛けを用意している。SpoTribe を使って現地にチェックインすると、同じコミュニティ内のメンバーと感想や情報を共有できる。
また楽天連携企画として3月上旬以降にお得なキャンペーン実施予定。ボイスドラマを聴きながら旅をする、スマホひとつで新しい形の奈良旅が楽しめる。
【ボイスドラマ視聴】
・YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCPEE5PtdOBG4BkP3OrV7iAA
2/25(金)20:00~ 第1夜:戦きの予兆(おののきのよちょう)
3/ 4(金)20:00~ 第 2 夜:酷薄の篝火(こくはくのかがりび)
3/11(金)20:00~ 第 3 夜:南都消失(なんとしょうしつ)
3/18(金)20:00~ 第 4 夜:一切皆苦(いっさいかいく)
3/25(金)20:00~ 第 5 夜:諸行無常(しょぎょうむじょう)
4/1(金)20:00~ 第 6 夜:沈黙の魂(ちんもくのたましい)
更新(各話追加)予定
・内田雄馬さん(主人公 範長役)コメント
今回の作品は、この時代や世界観のバックボーンを捕まえるために自分の中にないものを引っ張り出してくる感じで、すごく新鮮な体験でした。範長は、本来持ちえたものを失ってしまった人生なので「自分の意志で生きていく」という気持ちが強い人間だと思います。また本作は、人の生死に関わるシーンが多かったため、エネルギーを使う作品でもありました。今の僕らは戦のない時代に生まれているので、こういう時代があったということを、作品を通して歴史をたどれるのはすごく大切だと思いました。
・間島淳司さん(信円役)コメント
今回の作品に入るにあたり、独特な仏教用語や地名などがあったので下準備が大変でした。それでもなかなか触れる機会がない時代なので、演じていてすごく楽しかったです。僕が演じた信円は、一見弱々しい人間のように思えますが、時として激昂する一面も持つ人物。その二面性をうまくまとめるのに苦労しました。
澤田 瞳子著 『龍華記』(角川文庫)
■あらすじ
南都焼き討ち――平家の業火が生む、憎悪と復讐に終わりはあるのか。
高貴な出自ながら、興福寺の僧兵に身を置く、範長。
興福寺を守る使命を背負う範長の従兄弟、信円。
そして、復興に奔走する仏師、運慶。
角川文庫
定価: 770 円(本体 700 円+税)
ISBN:9784041116425
時は、平家が繁栄を極める平安末期。高貴な出自でありながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやって来るという国検非違使別当らに危惧をいだいていた。検非違使が来るということは、興福寺がある南都をも、平家が支配するという目論みだからだ。検非違使の南都入りを阻止するため、仲間の僧兵たちとともに、般若坂へ向かう範長。だが、検非違使らとの小競り合いが思わぬ乱戦となってしまった。激しい戦いの最中、検非違使別当を殺めた範長は、己の犯した罪の大きさをまだ知らなかった─平家が南都を火の海にし、復讐の連鎖を生もうとしていることを。」
東京の中学高校同級生のMさんからの情報です。辻明俊さんのお話がラジオ深夜便であったとのこと。聞き逃しサービスで聞けるそうです。
「19日午前4時、NHKラジオ深夜便「明日へのことば」のコーナーで、興福寺の辻明俊氏が、令和の修理を前に、というテーマの話をしていました。約40分ほど、興味深い話でした。
興味がある人は、聞き逃しサービスを(https://www.nhk.or.jp/shinyabin/k5.html) サービスで聞けるのは1週間限り、26日までの期間限定らしい」との情報です。
わたしも早速、聞き逃しサービス
https://www.nhk.or.jp/shinyabin/k5.html
を聞きました。とても興味深い話でした。おすすめです。
久しぶりに奈良県庁の屋上へ。いつもの屋上よりさらに高い塔屋の展望台からの景色です。ちょうど日の丸と奈良県の旗のところです。
曇りでしたが、逆光にならず良かったかもしれません。エレベーターでR、屋上へ。それから歩いて2階分ほど昇りました。
塔屋展望台からの360度の写真です。(画像はクリックすると拡大します)
東の東大寺大仏殿、二月堂方向です。
南大門から若草山方向です。
春日奥山から高円山方向。手前は奈良国立博物館です。
興福寺五重塔
興福寺五重塔と中金堂
南西の南都銀行方向。遠くに大和川の亀の瀬方向がみえます。
興福寺中金堂と南円堂
西方向。平城宮跡、生駒山方向
もとNHK方向。遠くに平城山。
若草中学(もと多聞城)から元奈良少年刑務所方向。
奈良阪から三笠温泉方向。遠くに山城の山が見えます。
屋上から2階分高いだけによく見えました。おすすめスポットです。
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(追記)
奈良まほろばソムリエの奈良通の姫路の池内さんから以下情報頂きました。ありがとうございます。
「先日、行ったばかりです。バルコニーに出て回れるのが素晴らしいです。秋に、屋上だけで帰ろうとしていた修学旅行のグループに教えてあげたところ、バルコニーで歓声をあげていました。
知っている人が少ないのがもったいないです。
ただ、2~3月は、土日祝は屋上が閉鎖されているので要注意です。」
もちいどのセンター街を南へ下御門商店街をすぎた脇戸町にある、奈良市史料保存館へいきました。
江戸時代の奈良の茶人、久保権田夫(長闇堂)というひとは初めて知りました。
「久保権太夫は春日神社(現在の春日大社)の神職の家に生まれ、わび茶人で知られる小堀遠州や松花堂昭乗らと交遊。現在の奈良春日野国際フォーラム甍辺りの邸宅前に「長闇堂」を建てて茶の湯を楽しんだという。」(奈良新聞より)
令和元年、2年度の寄贈史料のかずかずが展示されていました。3月31日まで。
そして常設の橋本町御高札場について。江戸時代、橋本町は札場町ともいわれていたとパネルには書いてありました。これも初耳でした。
奈良市三条通りの橋本町御高札場とともにご覧になるのがおすすめです。
奈良市史料保存館は、奈良市杉岡華邨書道美術館、奈良市工藝館もすぐ近くです。
偶然見つけたのですが、YouTubeに奈文研チャンネルというページがあります。
今回は、現在の奈良文化財研究所の建設の際に、しっかりした発掘調査をされたということです。
きれいな奈文研の1階エントランスは自由に見学できると紹介されていましたので、通りがかりに見学してきました。
ななめのラインが運河の跡とのことです。
白い石が側溝とのこと。
説明板が設置してあります。(画像をクリックすると拡大します)
エントランスの展示品は写真お断りとのことですのでありません。
くわしくは以下のYOUTUBEをご覧下さい。(約8分)
https://www.youtube.com/watch?v=71D4ISjvO6E
1階エントランス
受付では、パンフレットをいただくなど丁寧な応対をしていただきました。
しばらく閉まっていた登大路町の飛鳥園の写真ギャラリーが開店していて、また茶かゆの店も開店していて茶かゆも食べられると聞き、昼休憩に出かけてきました。
ことし飛鳥園さんは創業100周年とのこと、おめでとうございます。
島村利正さんの『奈良飛鳥園』(新潮社)を思い起こします。
入口から右側の小路を歩いて一番奥の以前写真ギャラリーをされていた茅葺きの建物で絵はがきの写真や写真集を販売されています。
写真や写真集を買い求め、ふとレジーで、新薬師寺の香薬師像のA1の大きなカレンダーを見つけました。
戦前香薬師像が盗難を受ける前に、初代の小川晴暘さんの撮影されたガラス乾板の幻の香薬師像ということです。早速買い求めました。
庭園には右の建物などに仏像の写真が展示されています。雨など大丈夫なのか伺うと、金属板の上に写真を焼き付けしてあるので大丈夫とのことでした。
ここには會津八一などがよく泊ったすぐ並びの日吉館(今はありません)から移された會津八一の歌碑が建っています。
《かすがの の よ を さむみ か も さをしか の まち の ちまた を なき わたり ゆく》
服部素空氏のページ
http://surume81.web.fc2.com/hitorigoto/81/81top.html
によると、
「歌意
春日野の夜が寒いからであろうか、牡鹿が街中を鳴きながら渡っていくようだ。
奈良の常宿・日吉館で、早春の夜の寒い街中を鳴き渡る鹿の声を八一は聞いていた。「奈良の鹿には、特定の寝所あれど、其処には赴かずして、ひとり群を離れて、夜半に市街をさまよふものあるなり。」と自註鹿鳴集で書いている。ひとりさまよう鹿の声を歌う事によって、奈良の夜の静寂と旅先での寂寥感を見事に表現している。1925年(大正14年)3月の作である。」
そして入口の建物1Fのテナント、新しく出来たお粥がたべられる茶漬けバイキング「月日星」という食事処へいきました。有名な料亭、夢窓庵が経営されていると人づてに聞きました。
まず器が運ばれてきます。そして、薄いゴム手袋をして自分でお粥か白ご飯をよそいます。
また奈良漬や香の物なども自由に取って食べるというスタイルです。写真は一膳目です。久しぶりにおかゆを食べました。
二膳目は白いご飯でお茶漬けをいただきました。
味噌汁が変わっていて、麩のなかに出汁入の味噌が入っていて、自由に湯をいれて自分で味噌汁を作ります。
税込み1600円でした。
奈良国立博物館の北、氷室神社の西の並びです。
写真ギャラリーの飛鳥園とお茶漬けバイキング、新しいスポットができました。
興福寺五重塔(2022.2.12鹿鳴人撮影)
いつも奈良新聞で楽しみにしている川嶌一穂さんの今年初めての「美ビット見て歩き」は、奈良興福寺五重塔です。現在調査中で、2022年度から修理とのこと、覆屋は2023年にはかけられると先日お寺の方は言っておられました。昨年秋に五重塔の初層公開がありました。後期の公開は今年3月予定でしたが、「コロナウィルスのため延期」と興福寺のホームページ→https://www.kohfukuji.com/news/1719/
には載っていて残念です。
覆屋がかかる前にせいぜい興福寺の勇姿を眼にやきつけ、修理の終了を待ちたいと思います。
2月12日はとても良い天気でしたので、五重塔の写真を撮ってきました。
(画像はクリックすると拡大します)
美ビット見て歩き 私の美術ノート *102 川嶌一穂
令和大修理前の御開帳 奈良興福寺五重塔
写真 興福寺五重塔(令和三年十月十三日著者撮影)
「何とかと煙は」という例えの通り、私は高いところが好きだ。子供の頃は一時期庭の夏みかんの木の上が憩いの場所だった。旅に出ても登れる所は基本、登ることにしている。
お城の天守閣は、現存天守十二城のうち七城に登った。まだ訪れていない所が五城もあると思えば(弘前、丸岡、備中松山、宇和島、高知城)、それもまた楽しからずやだ。何と言っても上からの眺めが最高で、「あの山に見張り台を築いて」などとにわか城主になった気分。
海外だと、イタリアの古都シエナにあるマンジャの塔が忘れ難い。高さ約100メートルの塔は、世界一美しいと言われるカンポ広場に面した市庁舎に付属している。エレベーターがないので、ひたすら足で登るのだが、その数400段とも500段とも言われる。階段は上になればなる程狭くなり、最後は人一人がようやく通れる幅しかない。「カワシマさんに殺される…」と呟きながら登った友人と二人、上からの眺めの美しさに疲れを忘れた。
眼下には扇を広げたようなカンポ広場、それを囲む明るい茶色のいわゆる「シエナ色」をした街並み、遠景にトスカナの山々の緑。しばしイタリアの田舎の美しさを堪能した。
子供の頃は、よく興福寺の五重塔に登った。角度の急な梯子段のような階段で、登る時よりも降りる時が怖くて後ろ向きに降りた覚えがある。
久しぶりに帰寧できた去年の十月、五重塔初層が特別公開されていることを知り、墓参りの帰りに立ち寄った。天平二年(730)藤原不比等の娘光明皇后によって建立されて以来五回の焼失・再建をくりかえして、15世紀に再建された現在の五重塔は、再建時に一般的だった禅宗様より古代様式を踏襲しているとのことだ。
公開された初層の南方に釈迦如来像、西方に阿弥陀如来像、北方に弥勒如来像、東方に薬師如来像がそれぞれ愛らしい脇侍菩薩二体を連れて鎮座しておられたが、子供の頃の私の記憶の中にそのお姿はないのだ。まだ仏様には興味がなかったのだろう。
境内東側の博物館や、北側から興福寺に入るとなだらかな道に感じるが、南側の猿沢池とは「五十二段」もの高低差があるし、南円堂の西側は崖地だ。平城遷都とともに鹿島神宮からお迎えした武甕槌命(たけみかづちのみこと)が降り立った御蓋山(みかさやま)から続く丘陵地の縁(へり)という地形をうまく生かした見事な伽藍配置である。かくして猿沢池から五重塔を臨む絶好の写真スポットが出来上がった。
おん祭の行列を見る時、眼医者さんに通う時、定期試験が終わってやれやれと友達と駅まで歩く時、いつも興福寺の境内を通った。
大人になってあちこちの五重塔を自分で訪ねるようになってから、ふと気づけば興福寺の五重塔が私の塔を見る基準となっていた。
山口の瑠璃光寺の五重塔は桧皮ぶきで屋根の反りがとても美しい。しかし塔身はちょっと細身だし、周りの庭園が整い過ぎている。
東寺(教王護国寺)五重塔は、現存塔としては日本一の高さを誇るだけに平地にあってもその量感はすごい。しかし白壁がないためか、ちょっと重い、などといつも興福寺五重塔と比べてしまうのだ。地元愛が強すぎるのか、人間見慣れたものが一番いいということなのか、困ったものだ。
五重塔は今年令和四年から百二十年ぶりとなる大規模修理に入るという。修理期間は約十年と予想され、塔は覆屋に覆われてしまうらしい。そこにあるのが当たり前だと思っていたので、寂しい。
その間は、伽藍南西の少し下がった所に静かに佇む三重塔を訪れよう。創建からわずか数十年後に南都焼き討ちに遭い焼失したが(1180年)、その後再建されたままなので、現存の五重塔より250年ほど歳上である。創建時の平安の様式を留めた優しい姿だ。
一月はお休みを頂いたので、今回が本年第一回になります。今年もあちこち見て歩きますので、どうぞごひいきに。
=次回は3月11日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ
法相宗大本山興福寺 奈良市登大路町48。電話0742(22)7755(17時まで)。https://www.kohfukuji.com/ 初層四方の三尊像公開は3月1日(火)〜3月31日(木)。(公開は延期になりました。鹿鳴人注)
なお明治の廃仏毀釈で五重塔が売却され、危うく破壊されそうになったのを近隣住人の訴えでかろうじて免れた、というよく語られるエピソードを、前橋重二が正木直彦『回顧七十年』を典拠に否定している(「五重塔2500年史」新潮社とんぼの本『五重塔入門』)。
興福寺三重塔(2022.2.12鹿鳴人撮影)
現在の興福寺伽藍配置図
(画像はクリックすると拡大します)
奈良市北部の郊外(奈良阪町)に、さくらサーカスがきています。なかなかチャンスがなかったのですが、2月13日までということで最後に行ってきました。A席2800円の所、入り口でもらった割引券で1500円になりずいぶん得をした感じです。
身体の柔らかい女性スター。
少年のバランス演技。
ピエロは芸達者で楽しませました。
最後は空中ブランコ。
出演者はほとんど外国人でした。テンポ良く2時間の熱演で、楽しめました。
さくらサーカスのホームページです→https://sakuracircus.com/?gclid=CjwKCAiA6Y2QBhAtEiwAGHybPQg55iOmfvHxPltOQ6hcH0u1IQwp8I6L_so4-JbVsBNfFGxagSCQ-BoCBl8QAvD_BwE
奈良公演は2月13日まで。つぎは3月5日から大阪和泉公演ということでした。
(クリックすると拡大します)
奈良文化財研究所の馬場基さんからの案内です。
興福寺で放送大学~写経と埋蔵物から興福寺を語る~
2月19日(土)1時から4時。
興福寺会館にて。
無料。先着50名とのことです。
<日 時>
令和4年2月19日(土) 13:00~16:00(受付:12:30~)
<講 師>
杉本一樹 放送大学奈良学習センター客員教授
馬場 基 奈良文化財研究所都城発掘調査部平城地区史料研究室長
<会 場>
興福寺会館 奈良市登大路町48(興福寺境内三重塔の西隣) TEL/0742-22-7755
<地 図>
http://www.kohfukuji.com/access/info.html
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(聞いてみての追記)
●杉本一樹氏。正倉院前所長。
福山敏男「奈良時代に於ける興福寺西金堂の造営」(『日本建築史の研究』1943)記念碑的な本であること。
その本を参考文献にして、『写経目録』のうちから、天平5年頃からの写経の講義があった。のちに五月一日経につながるとのことであった。
●馬場基氏。奈良文化財研究所 平城地区史料研究室長
興福寺南大門、中金堂などを発掘調査した実践。そして『興福寺流記』などから多彩なお話があった。
とくに、以前は興福寺を「尾根の先端の平坦地をたくみに利用」としていたが、現在は尾根の先端部を徹底的に地形改変して利用」と考えられている。
大規模な整地。中金堂付近で土で谷を埋めている。主たる谷は南北方向。多様な小さな谷が入り込んでいた。埋めた谷が東南の大きな谷とぶつかる=猿沢池付近。
猿沢池と龍。
興福寺は竜宮の上にある特別な寺。中金堂の下は竜宮である。南大門付近に「龍穴」がある・・・・という考え方も伝わっている。
やと(蛇の神)を埋めた興福寺境内。祟りではなく、「竜宮」に昇華。・・・能「海士」「春日龍神」の世界。
もっとくわしいことは、放送大学でお話ししたいと締めくくられた。
一緒にお聞きした奈良まほろばソムリエのH女史から、中金堂落慶法要の2日目の雲、たしかに龍が来ましたと写真をいただきました。
貴重な写真です。
書家の桃蹊さんからの案内が届きましたので紹介します。無料あるいはZOOMでどうぞとのことです。
2月17日に開催されるSDGsと奈良に関するシンポジウムに参加します。
墨のこと、是非是非
最初のビデオ(5分)は日本語と英語のバイリンガルです。
シンポジウムはどなたでも参加できます. 直接ご来場いただけます。
また
ズームでご覧ください。よろしくお願いします
こちらからお申し込みください:
https://nara-manabitabi.com/entry-form/
I am taking part in this symposium about SDGs and Nara on February 17. It is in Japanese, but the first video (5 minutes) is bi-lingual Japanese and English.
The symposium is open to everyone. If you'd like to come please apply here.
Come in person or on Zoom.
https://nara-manabitabi.com/entry-form/
(追記)
桃蹊さんが若草山頂上で書かれた「寧楽」
とても大きな立派な字でした。
奈良市観光協会のニュースです。
なお、奈良まほろばソムリエ会ガイドグループが企画協力と当日ガイドを務めましたとのことです。 お世話です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「奈良市観光協会公式ウェブサイトでは「ならまち周辺の再生古地図」を公開しました👐
https://narashikanko.or.jp/topics/naramachimap/
元興寺が広大な境内を持ち、全盛期を迎えていた奈良時代」、
町家が増え町人の町として栄えた「江戸時代中期」の2種をご用意。
今と昔の地図を見比べながら、街の散策をお楽しみください。」とのことです。
ふたつの時代の地図はなかなか興味深い地図です。
2月5日から3月27日まで、奈良国立博物館では聖林寺の十一面観音像の特別展が始まりました。初日に熱心な友人に誘われて早速拝見してきました。
聖林寺ではいま十一面観音像の安置されている観音堂が大規模改修されています。昨年は東京国立博物館で特別展があったということですが、
いまお寺に帰られる前に奈良国立博物館で特別展がひらかれました。
東新館に入ると、十一面観音像が広い展示スペースにガラスケースに入らず展示されていました。まわりをぐるりと何周か回って仰いで拝見しました。高さのある蓮台の上に大きな十一面観音像が立っておられます。観音像のまわりにはゆったりとした空間が設けられています。
東京では背景に三輪山があってちょっと良くないと指摘されていた西山厚先生もこの展示が望むべきものであるとほめておられます。
そして少し離れてビデオで7分間、大神寺(のちに大御輪寺と改称)のころからの説明や現在は若宮神社になっているという様子や十一面観音像をアップで撮った映像も流れていましたのでとても良くわかりました。
そして再び実際の十一面観音像をあらためて近づいたり離れたり拝観しました。
ほかに正暦寺に移された日光菩薩像、月光菩薩像、そして法隆寺に移された地蔵菩薩像も拝観できました。4つの像は本展覧会で150年ぶりに再会されたということです。
ほかに多くの展示品がありましたが、十一面観音像に圧倒されました。
そして2月2日から4月27日まで、聖林寺では観音堂改修工事のついに最終章としてクラウドファウンテングにてご支援受付中ということです。
以下のサイトをご覧下さいとのことです。⇒https://readyfor.jp/projects/shorinji2022
ちょうど毎日新聞でも紹介されていましたので、奈文研の飛鳥資料館へ行ってきました。
高松塚古墳の模型などが特別展示されていました。高松塚古墳の内部が発見された50年ほど前の様子がビデオで再現されていましたので、興味深く拝見しました。
思い返せば1972年(昭和47年)は高松塚古墳の彩色絵画が網干先生たちによって発見され、大フィーバーでした。
どおりで、橿原考古学研究所附属博物館でも奈文研の飛鳥資料館でも高松塚古墳にスポットライトがいま再び当たっている理由がわかりました。
お得情報です。
2月6日(日)は、無料入館日です。常設展示・特別展示ともに無料で見学できます。
冬期企画展「飛鳥の考古学2021」開催中ですので、この機会にぜひ飛鳥資料館へお越しください。
◆「飛鳥の考古学2021」の詳細はこちら
https://www.nabunken.go.jp/asuka/kikaku/2021.html
◆開館時間・アクセス等の詳細はこちら
https://www.nabunken.go.jp/asuka/access/
ホームページです→https://www.nabunken.go.jp/asuka/about/
昨年秋にリニューアルされたと聞いていましたが、ようやく行くことが出来ました。寒い時期で、コロナ禍でおすすめです。
ちょうど常設展だけでしたが、平日で人が少なく、ゆっくり見ることができました。
大王墓の変革あたりが新しくなっていました。
また黒塚古墳の34枚の鏡も一堂に展示されていました。
飛鳥京の発掘の成果が展示されていました。
牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)の出土物も展示されていました。この春には、整備された牽牛子塚古墳が公開される予定ですので楽しみです。
なお5日から、高松塚古墳の特別展が始まるとのことです。
ホームページです→http://www.kashikoken.jp/museum/top.html
奈良国立博物館では2月5日から3月27日までお水取り展が行われるとのことです。
お水取りは東大寺の二月堂でおこなわれる仏教法会で、正式には修二会しゅにえといいます。法会の目的は、仏の前で罪過を懺悔さんげすること(悔過けか)。現在は3月1日から14日までおこなわれ、その間、心身を清めた僧(練れん行ぎょう衆しゅう)が十一面観音の前で宝号を唱え、懺悔し、あわせて天下てんか安穏あんのんなどを祈願します。
お水取り(修二会)は、天平勝宝4年(752)に東大寺の実じっ忠ちゅう和尚かしょうが初めて十一面悔過を執行して以来、一度も絶えることがなく不退ふたいの行法ぎょうぼうとして1270年にわたって勤め続けられてきました。そこには東大寺が歩んできた長い歴史が刻み込まれています。
本展は、毎年、東大寺でお水取りがおこなわれるこの時季にあわせて開催する恒例の企画です。実際に法会で用いられた法具や、歴史と伝統を伝える絵画、古文書、出土品などを展示し、お水取り(修二会)への理解が深まる一助となることを企図しています。
奈良市観光協会のホームページ情報です。⇒https://narashikanko.or.jp/topics/setsubun/
奈良市内の主な節分行事まとめ
2022/1/31
奈良市内で行われる今年の主な節分行事情報はこちらをご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、内容は変更される場合があります。あらかじめ各所公式ウェブサイト等をご確認の上、お出かけください。
2022年節分行事(以下、順不同)
2022/2/3(木) ※豆まきは中止※ 二月堂下の法華堂前広場で豆・鈴まきも。節分/東大寺
2022/2/3(木) ※豆まきは中止※ 鬼を毘沙門天が退治。追儺会/興福寺
2022/2/3(木) ※規模縮小※「福は内、鬼は内」節分会/元興寺
2022/2/3(木) ※非公開※ 約3,000基の燈籠に火が灯される。節分万燈籠/春日大社
2022/2/3(木) 当たり星を祀り、厄除け・開運を祈る。節分星祭法会/霊山寺
2022/2/3(木) ※豆まきは中止※ 護摩を焚いて厄除け祈願。節分会/大安寺
2022/2/3(木) ※豆まきはありません※ 厄を祓い福を招く。節分星祭祈願会/西大寺
2022/2/3(木) ※法要は非公開※ 1年の星回りを見て、厄除け・招福。節分星祭/帯解寺
奈良八重桜の会(上田トクヱ会長)では、室町時代に創られて長い間上演されずにいた能『八重桜』を、20周年を迎えてこのほど復曲することになったということです。
復曲するには、残された内容に節及び型をつける必要があり、時間も費用もかかります。そのため3月31日までクラウドファウンティングをおこなって挑戦中とのことです。どうぞご協力のほどよろしくお願いしますとのことです。
クラウドファウンティングのページです⇒https://camp-fire.jp/projects/view/544210
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