東野治之著「聖徳太子」
今年は、聖徳太子1400年御遠忌の年です。4月3日から5日、法隆寺では大講堂前にて大法要が予定されているとのことです。
月刊「ならら」1月号でも特集されています。
また川嶌一穂さんは12月の「美ビット見て歩き」にも紹介されていました。
最近、厩戸王(うまやとのみこ)は実在したが、「聖徳太子」の存在は虚構だと言われ、教科書からその名が消えるらしい。その昔「聖徳太子=十七条憲法、冠位十二階…」と習った者としては、「えーッ」と驚くばかりだが、本当はどうなのだろう。
古代史で困った時は快刀乱麻の東野治之さんに聞いてみよう、という訳で『聖徳太子―本当の姿を求めて』(岩波ジュニア新書・2017年)を手に取った。
氏は「十七条憲法は太子が作ったと見ていい。が、政治的な実権はあくまで蘇我馬子にあり、太子は中国や朝鮮の書物を調べたり、制度を立案したりする立場だっただろう。仏教への理解は非常に深く、法隆寺に長く伝わり現在御物となっている「法華義疏(ほっけぎしょ)は、太子の著作であり、さらに自筆の原稿と見るのが妥当だ」と語る。法隆寺金堂釈迦三尊像銘文や「法華義疏」解読の道筋は、ミステリーを読んでいるかのようにわくわくした。
長らく積ん読で読んでいなかった、東野治之著の「聖徳太子」を引っ張り出して読みました。
『聖徳太子 ほんとうの姿を求めて』という岩波ジュニア新書です。880円+税。
裏表紙には以下のように書かれています。
誰もが知っているのに、謎だらけの存在。聖徳太子。偉人か、ただの皇子か。「聖徳太子」か「厩戸王」か・・・。彼をめぐる議論は絶えません。いったいなぜそんな議論になるのでしょう。問題の根っこを知るには、歴史資料に触れてみるのが一番。仏像、繍帳、お経、遺跡などをめぐり、ほんとうの太子を探す旅に出かけましょう。
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先日の大立山祭の講演でもおすすめの本に上げられていました。
◆聖徳太子の遺産 ~遣隋使から遣唐使まで~
講師:奈良女子大学 准教授 河上 麻由子先生
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