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2020年12月27日 (日)

井上理津子著『絶滅危惧個人商店』

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奈良市出身、東京在住の井上理津子さんの近著です。紹介を受けて、奈良の啓林堂に置いていないだろうから取り寄せを頼もうかと行きました。すると店員さん曰く、たしかあったと、即座に書棚に案内してくれました。2冊入荷していました。1冊を早速買い求めました。筑摩書房。1500円+税。

『絶滅危惧』とは最初厳しいタイトルだと思ったのですが、著者の愛情を込めたタイトルらしく、読み始めるとなかなか面白い本です。

目次です。

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(クリックすると拡大します)

断片的にメモを記します。

東京近辺の個人商店をたずねてのレポートです。

佃煮の店、精肉店、魚や、豆腐店、青果店、魚屋、洋品店、靴店、ジーンズショップ、自転車店、時計眼鏡店、

書店、書店、文房具店、玩具店、駄菓子屋、花屋、質店、銭湯。

それぞれ生活感のある町のお店です。

それぞれ長く続けている。

時代と共に変化していく店。

一途に最初からのやり方を貫いている店。

代々継いでいる店。

寝るのも惜しんで働いている人も多い。

30年間無休とか聞くとびっくりします。

仕事についてから長い年月の人が多い。80才台、90才台で現役の人もいる。

それぞれの人が商売が根っから好きなのだなあ、地域の人のためになることがいきがいなのだなあ、と読んでいて思います。

それが大事なのだなあと思います。

東京は、大正時代以降、関東大震災、第2次世界大戦による空襲、戦時統制、物資統制、高度成長、バブル、地上げの頃、バブル崩壊、売れなくなる、新しい工夫・・・、町自体の変化など節目節目を感じさせます。

この本は東京あたりですが、日本の町の歴史だと思います。生活の歴史だと思います。

店と商品にとにかく愛着をもっている人が多い。

それらの店に1度ならず通い、著者の井上さんは、4時間も5時間も時間をかけて話を聞いている。

そして文にしています。

魚の仕入れには早朝から豊洲市場に一緒について行っている。

聞くだけでなく、買い物をしたり、修理してもらったり、お風呂に入って体験したり。

しっかり経営者の気持ちをくみ取って取材されています。

忘れがちな商売の原点を考えさせてくれる一冊です。

若い人にも読んでもらいたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(追記)
著者の井上理津子さんからの紹介です。

そしてそして週刊新潮の今週号に『絶滅危惧個人商店』が。過分。恐縮です。デイリーライフ・ルポって、とても素敵な言い方。これから使わせてもらお。
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