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2日目もとても良い天気。一行は地元のマイクロバスに乗って、8時半出発。
この日も杉井辰夫さんの解説付で、一路、果無(はてなし)集落へ。ポスターでも有名でぜひ行きたかったところです。直登で登山口から1時間かかるというところを林道をバスで登っていきますが、バスもなかなかたいへんそうでセコンドギアくらいで登っていきます。
やがて世界遺産の果無集落に到着。有名な世界遺産の石碑が建っています。画像はクリックするとすべて拡大します。
ポスターの岩本さん宅あたりを散策。果無集落は、北の高野山から、峠を越えて谷を下って本宮神社への小辺路(こへじ)という参詣道にあります。果無集落から4キロほど先には果無峠があるということです。
参詣道でありかつ生活道路という特色があるということです。
映像作家の保山耕一さんのYOUTUBEの映像です→https://www.youtube.com/watch?v=ngYTfESlCTo
同じく今年の7月の映像です→https://www.youtube.com/watch?v=ZhFMEAME3yQ
朝9時、雲海があります。
こんなところにバス停がありましたが、時刻表では月曜日だけ運行のようです。山の上に住むあちこちのこどもはスクールバスで通っているそうです。
再びバスに乗り、十津川村の川沿いを走ってつぎは玉置神社へ行きます。杉井さんに質問したのですが、十津川あたりは標高で200メートルくらいで、玉置神社は標高1000メートルのあたりにあります。したがって標高差800メートルほどをバスはぐねぐね道を登ります。杉井さんは十津川村折立に家があり、中学の頃、玉置神社の例祭の時や初日の出を拝見の時など2時間半ほどかけて登ったということでした。小型バスも登れる道が出来て、玉置神社へ人もお参りしやすくなったとのことです。
やがて駐車場へ到着。徒歩で玉置神社へ参拝。
巨岩がありました。枕状溶岩堆積地とのこと。海の火山の溶岩が長年にわたり標高1000mの玉置神社まで隆起したとのことです。ブラタモリなら注目の巨岩との解説でした。
杉の巨木がありました。神代杉、樹齢3000年とのことです。胴回り8.5mとのことです。
夫婦杉。
玉置神社は、大峰山奥駆修行の重要なお参りする神社であること。本宮神社から10番目の靡(なびき)とのことです。展望台への道の道中で奥駆けの道をすこし拝見しましたが、人ひとり歩くことができる細い道で、修行の厳しさを感じることでした。また社務所のある建物では狩野派のふすま絵も拝見できました。天皇の玉座の間もありました。
細い道が奥駆けの道ということです。
そのあとバスで展望台へ。山の尾根がみごとに目前に広がりました。右手が野迫川村・高野山方向、左手が本宮(海の方)方向ということです。画像をクリックすると拡大します。
バスは一路下って昴の郷へ。ここで奈良交通の大型バスに乗り換えて、釜飯の長谷川さんへ。ここまでガイドしていただいた杉井さんとご一緒で、十津川村のことがよくわかりました。ありがとうございました。
そこで十津川のキノコをおみやげに買いました。詰め放題500円の安さでした。
キノコがいっぱい入った釜飯。1320円(税込)
このツァーはGOTOトラベル適用らしく、4000円の日にち限定の商品券とさらに奈良県民は十津川村で来年5月まで使用可能な商品券2000円をもらうというとてもお得なツァーでした。
そして戴いたパンフレットや資料はたいへんな量でした。ゆっくり読み直しているところです。
帰り道は順調に五條市を経由して近鉄八木駅南口に予定の4時半ちょうどに到着。
良い天気に恵まれて、なかなかいくことができない十津川村へのすばらしいツァーを楽しむことが出来ました。
皆さんお世話になりました。
情報満載の十津川村のホームページです→https://www.vill.totsukawa.lg.jp/
(終わり)
(画像をクリックすると拡大します)
秋の好天に恵まれて、奈良まほろばソムリエの会による、十津川村への一泊二日のバスツァーに参加してきました。
近鉄八木駅南口集合、奈良交通の貸し切りバスで9時に出発。五條市を経由して国道168号線を一路十津川村へ。
同じ奈良県と言っても北の端の奈良市から南の端の十津川村へということで、行くのは3度目のことでした。途中、鉄田憲男専務理事より天忠組の解説があり、ひさしぶりに天忠組の復習が出来ました。てんちゅうぐみは二つの漢字があるが、岡本彰夫先生は天忠組の方をすすめられているということでした。
ほどなく、五條市の以前の大塔村にある,かつて天忠組が本陣を置いたという天辻本陣跡へ。バスを降りて900メートルとのことでしたが、勾配のきつい上り道で日頃の運動不足を感じることでした。
映像作家の保山耕一さんのYOUTUBEの映像です「五條から天辻峠」2017.5.24撮影→https://www.youtube.com/watch?v=LCyYUie_L8g
バスの車内では、講演講座グループの名講師、福井洋さんによる沿線のくわしい説明がありました。
・4つのクイズの一つ、西日本で一番の山国はどこか?
答えは奈良県。奈良県は1000m以上の山がたくさんあり、西日本では随一の山国だということでした。
たしかに山が実に多くて深いことを実感します。
やがて五條市を過ぎて、かなり走ると十津川村の北の端あたりの谷瀬の吊り橋へ到着。長さ297メートル 高さ54メートルの生活用の吊り橋としては、日本一(近頃観光用の吊り橋はほかでも出来ていますので)です。
対岸に住む谷瀬の皆さんが多額の私費を出し合って建設したそうです。
つぎは十津川村役場そばの道の駅でおいしい蕎麦の定食を食べたあと、十津川村歴史民俗資料館を見学。
単なる見学ではなくここからは郷土史家でもと先生の杉井辰夫さんの解説付でした。十津川村の地理、歴史、生活などがよくわかりました。
そのあとバスでこの日の宿泊、十津川温泉のホテル昴(すばる)へ到着。源泉掛け流しの温泉や郷土料理を楽しみました。
(2日目に続く)
先日、奈良まほろばソムリエの会の雑賀さんと池内さんから紹介された本です。2010年に出版されて以来、売り切れで手に入らなかった、『桜井の横穴式石室を訪ねて』という本が改訂されてこの11月から販売されているということです。
桜井市埋蔵文化財センターにある(公財)桜井市文化財協会に連絡すれば手に入りました。本は800円と送料180円というお値打ちの本であり、読むだけでもおもしろい本でした。写真や地図、さらに石室の採寸されて描かれた図がとてもリアルです。
無論この本を片手に古墳歩きすることを「あとがき」にはおすすめされています。
申込先です→http://www.sakurai-maibun.nara.jp/books.html
奈良市写真美術館ではいま「忘却の彼方へ、日本写真の黎明期から現在まで」という展覧会がはじまりました。
マーク・ピアソン フォト・コレクション展「忘却の彼方へ-日本写真の黎明期から現在まで」
(第一章日常生活1850-1985)
マーク・ピアソンは、来日して30年余り、日本をはじめアジアの写真文化の発展に貢献してきました。アジアの写真表現にフォーカスをあてた禅フォトギャラリーを立ち上げ、東アジア写真史の重要な作品、貴重な作品の展示や写真集などをプロデュースするとともに、若手写真家の実験的でコンテンポラリーな作品紹介にも積極的に取り組んでいます。その一方で、2万点におよぶ写真作品の収集にも力を入れて活動してきました。そして、今まで約130冊の写真集を出版し、国内外にアジアの写真文化を発信しています。その功績が認められ、2020年の日本写真協会賞国際賞を受賞しました。
このたびマーク・ピアソンの膨大な写真コレクションの中からテーマを設け3回にわたって紹介します。第1回目は「日常生活」をテーマに、日本に写真が伝来し、幕末から明治期に撮られた古写真をはじめ、農村や漁村の暮らし、人が行きかう街のスナップなど、日本を代表する写真家がとらえた写真群と当館所蔵の入江泰吉作品を加えて展示構成します。
[マーク・ピアソン フォト・コレクション展 出品作家一覧]
古写真(幕末~明治期)<フェリーチェ・ベアト、ライムント・フォン・スティルフリード、アドルフォ・ファルサーリ、日下部金兵衛 他>、福原信三(1883-1948)、吉野銈一郎(1895-1983)、木村伊兵衛(1901-1974)、ハナヤ勘兵衛(1903-1991)、小石清(1908-1957)、フランシス・ハール(1908-1997)、名取洋之助(1910-1962)、植田正治(1913-2000)、桑原甲子雄(1913-2007)、小島一郎(1924-1964)、丹野章(1925-2015)、井上青龍(1931-1988)、浜口タカシ(1931-2018)、南良和(1935-)、桑原史成(1936-)、森山大道(1938-)、渡辺眸(1939-)、橋本照嵩(1939-)、須田一政(1940-2019)、荒木経惟(1940-)、北井一夫(1944-)、百々俊二(1947-)、館蔵品・入江泰吉(1905-1992)
HPです→http://irietaikichi.jp/
この11月15日に『大和の古墳を歩く』という古代史探訪の最適なガイドブックが出版されました。
著者は、何度か講演を聞いたり、平城京散策でご指導いただいた、元奈良市埋蔵文化財調査センター所長であり、現在奈良県立橿原考古学研究所共同研究員である、森下惠介先生です。同成社発行。2400円+税。238ページ。
はじめに
古墳とは何か?/さまざまな古墳/こんなにおもしろい大和の古墳/古墳見学のポイント
Ⅰ 大和東南部の古墳 纏向古墳群など
Ⅱ 大和北部の古墳 佐紀古墳群など
Ⅲ 大和北西部の古墳 生駒と平群の古墳など
Ⅳ 国中と大和西南部の古墳 馬見古墳群など
Ⅴ 飛鳥と高市の古墳
Ⅵ 宇智と吉野の古墳
Ⅶ 宇陀と都祁の古墳
奈良県がほぼ地域に分けて網羅されています。
それぞれの古墳が全体の写真とか図、石室内部の写真、出土物、地図などでくわしく説明されています。
またそれぞれの地域の古墳の探訪コースを紹介されています。
古墳探訪はウォークとしてもとても良いと書かれています。
まほろばソムリエの検定試験では古墳はよく出題されますが、なかなか適当なテキストがなく、勉強に苦労する分野ですが、この本はとても良いテキストだと思います。
ウワナベ古墳の発掘調査の現地見学会が21日から始まりました。県コンベンションセンターの天平広場出発のシャトルバスで、一条高校東に到着。24号線を北へ400メートルほど歩いて、ウワナベ古墳の北部分に到着。24人のグループで現地で25分ほど見学しました。
見学会は22日と23日まで。当日受付もされていましたので、時間帯によれば当日でも参加できるようです。
もらった4ページの資料の1ページ目。
入口
仮設の橋を渡りました。
資料の1ページの奈良市の調査部分。
橿原考古学研究所の方のお話では、
稲刈りが終わったころ水を抜いて調査をはじめたとのこと。
実際の長さが従来より長いことがわかったこと。
円筒埴輪が三段にわたりぐるりを巻いていて、頂上部にもあったこと、ときどき装飾の埴輪もあったと思われること。
(埴輪はどこで焼いたのですか?)
おそらく平城山で焼いたのではないでしょうか。相当の量が焼かれています。
この見学会が終われば埋め戻しなどが行われて11月末で調査は終了しますとのことでした。
今回発掘された埴輪の断片。
復元された円筒埴輪は以前の自衛隊の訓練校の中での発掘の品ということでした。
11月17日に、ヘリコプターから撮ったウワナベ古墳全景です。
今回は、空からのヘリコプターの遊覧、そして歩いて訪ねたり、そして見学会で実際に発掘の様子を運良く見ることが出来ました。
11月21日の奈良新聞はくわしく伝えています。クリックすると拡大します。
ことしのおんまつりは神事は行われますが、お渡り行列や大宿所祭はコロナ禍のためやや縮小されて行われます。
そんな中、子ども向けと思われる『おんまつり』という絵本が啓林堂書店の店頭に並んでいました。福音館書店発行。700円+税。
早速読んでみましたが、決して子どもだけのものではなく大人も楽しめる本になっています。文も絵も素敵です。
作者の方は、おんまつりをすべて見るのに7年かかるといわれると書かれています。
わたしも子どもの時からずいぶん見ていますし、大名行列の奴さんで出たり、最近では大宿所詣でにも出たりしていますが、すべてを見ることは出来ていません。わたしも真夜中の遷幸の儀や還幸の儀も年を分けてみましたし、まだ見ていない芸能もあります。
12月8日から今年も奈良国立博物館で「おんまつり」展も開かれます。HP→☆
佐紀古墳群歩き終えて、電車に乗り 近鉄奈良駅近くの春日ホテルでおいしい松花堂(2000円+税)を、もらったGOTOトラベルのチケットで食べました。そして、タクシーで奈良市の東部の田原の奈良県ヘリポートへ。ヘリコプターは4人乗り、京都から匠航空というヘリコプター業界では大手航空会社が飛んできてくれました。すべて画像はクリックすると拡大してよく見えます。
私は助手席に着席。パイロットがたくさんの計器を操作されて、いざ出発。本日の飛行高度1500フィート(約450メートル)とのことです。時速は減速して時速100キロくらいとのこと。
飛び立つといきなり奈良市内が大きく目の前に広がりました。建設中の市営斎場も眼下に見えます。
真ん中あたりにJR奈良駅が見えます。JRの線路もよく見えます。
しばらく西に飛ぶと大和郡山市のプールが見えました。
北方向へとぶと薬師寺に。解体修理が終わった東塔もよく見えます。
唐招提寺も森の中に。
そして垂仁天皇陵がよく見えます。
平城宮跡。大極殿や建設中の南門に朱雀門もよく見えます。南に買い上げた積水の跡地が更地となって空からも広く見えます。
午前中に歩いたばかりの成務天皇陵・日葉酢媛命陵・孝謙天皇陵の三つがかたまって見えます。
手前から、水上池、コナベ古墳、ウワナベ古墳。
ウワナベ古墳とコナベ古墳の間には航空自衛隊幹部候補生学校が見えます。校内には陪塚も。
東の若草山方向です。国道24号線と一条通が交差しています。
今発掘調査中のウワナベ古墳。近日古墳見学会をされます。
佐保台住宅地から木津川市も見えます。
ドリームランド跡地も何か工事中の様子。
手前から市営球場、陸上競技場、もと奈良少年刑務所(ホテルのオープンは数年先に延期という報道です)。
市立若草中学校、聖武天皇陵、光明皇后陵です。
県庁から興福寺境内。五重塔や中金堂も見えます。ならまちが見えます。
大仏殿や若草山がよく見えます。
先日行基さん大感謝祭を行なわれた飛火野。そして春日大社、東大寺、若草山、春日奥山が見えます。紅葉が実に美しい季節です。
ほんとうにとても良い天気で最高でした。奈良は空からの観光もとても良いと思いました。
若草山が一重、二重、三重になっているのがよくわかります。
大仏殿から西の方向です。
15分間ほどの遊覧で無事奈良県ヘリポートへ着陸。すばらしい空中観光でした。奈良は空からみても素晴らしいと3人、口を揃えて感激でした。
池内さん携帯のGPSロガーによるヘリコプターの飛行ルート。赤い線です。
次回は12月19日。満員で現在キャンセル待ちだそうです。
やまとびとさん、ありがとうございました。
やまとびとツァーズのHPです→https://tours.yamatobito.net/
17日、かねて楽しみにしていた佐紀古墳群散策と午後からヘリコプターによる奈良市内を空から観光というツァーに参加してきました。
とても良い天気で、快晴でした。ガイドは奈良まほろばソムリエの会の副理事長、名物ガイドの雑賀耕三郎さん。
朝9時平城駅に集合。東京方面の方のキャンセルが出たということで、参加者は最大8名募集のところ3名、姫路から池内さん、そして大和郡山市のKさん(いつも鹿鳴人のつぶやきのブログを読んでいただいているとのことでした)。
9時平城駅を出発、成務天皇陵、日葉酢媛命陵、孝謙天皇陵の3つの御陵。そして平城天皇陵、水上池から、コナベ古墳、ウワナベ古墳、磐之媛命陵の合計7つの大きな古墳を歩いて12時に平城駅に戻りました。近くにいて何度も行ったところですが、あらためて解説つきのウォークは勉強になりました。
発掘調査中のウワナベ古墳(21日から事前予約で見学会があります)。池の水がずいぶん少なくなっています。
磐之媛命陵。人があまり行かない所という訳かすこし手入れが良くないようです。
二重の周壕あととのこと。
この日の資料の表紙。貴重品です。画像をクリックすると拡大します。
池内さんからいただいた携帯のGPSロガーの午前中のコースです。緑の線です。すごい装備ですね。雑賀さん、池内さんありがとうございました。
今回の募集案内です。
いつも楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビット見て歩きが奈良新聞に掲載されていました。
京都の泉屋博古館センオクハクコカン https://www.sen-oku.or.jp/
の特別展覧会です。蹴上駅から南禅寺境内を歩いて行く道がおすすめとのこと、今の時期はさぞかし良いだろうと想像することです。
新聞はクリックすると拡大します
ポスターです→☆
美ビット見て歩き 私の美術ノート *89 川嶌一穂
「開館60周年記念名品展II 泉屋博古#住友コレクションの原点」
写真 天皇の鳳輦(ほうれん)『二条城行幸図屏風』(部分) 紙本金地着色 六曲一双 江戸時代・17世紀(泉屋博古館提供)
6年前の野村美術館の回でもご紹介したが、泉屋博古館へもぜひ京都市営地下鉄東西線の蹴上駅で降りて、レンガ造りの小さなトンネルを潜り、南禅寺の境内を歩いて行きたい。これからちょうど紅葉も見頃となるだろう。
住友は四百年以上前に「南蛮吹き」と呼ばれる銅の精錬技術を開発し、別子銅山を中心として、「世界有数の銅産出国」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構HP)だった江戸期日本の銅の生産・輸出を支えた。
住友家伝来の美術品を収蔵・公開する泉屋博古館は、古代中国の青銅器を中心とする素晴らしいコレクションで知られているが、意外にもそのほとんどが十五代当主・春翠住友吉左衛門(一八六五〜一九二六)によって収集されたものだという。明治維新の混乱期に事業が逼迫したためだ。
春翠に限らず、数寄者と言われた明治の実業家の多くが中国古銅器を集めた。それは主に煎茶の茶会の折に、茶席や展観席で飾られた。とりわけ中国趣味の西園寺公望の実弟でもある春翠は「煎茶の総大将」と称された。今回の「開館60周年記念名品展」でも、紀元前14世紀の道具から、19世紀清朝の壺まで青銅器が数多く展示されている。
本展で私が一番楽しみにしているのが『二条城行幸図屏風』だ。泉屋博古館の収蔵品の中では珍しく、江戸期から住友家に伝来したもので、江戸前期の制作だとすると、その保存状態のよさは驚くばかりだ。写真は、そのごく一部で、屋根の上に鳳凰の飾りを載せた鳳輦(ほうれん・天皇の乗り物)である。
六曲一双屏風は、六扇(六枚折り)の屏風を二隻(せき)並べて一組として鑑賞するものだが、とくに本作は合計十二扇の絵柄が一続きに連続する。
右隻左隻とも、真ん中に棚引くすやり霞(金色の霞)が、上下二段に画面を分けている。行列は上段が右向きに、下段が左向きに進む。洛中洛外図屏風だったら、最初に清水寺の舞台を見つけて、それから徐々に三十三間堂、鴨川と探していくのだが、これはどうにも場所が特定できない。
泉屋博古館編『二条城行幸図屏風の世界』(サビア刊)によると、上段は堀川通りを西側から見て、中立売から二条城へ進む天皇の行幸を、下段は中立売通りを北側から見て、堀川から御所へ参内する将軍の行列を描いているという。実際には、朝に将軍が天皇奉迎のために二条城から参内し、その後に行幸となる。先頭は中宮和子(まさこ)である。
描かれる天皇は後水尾天皇、将軍は徳川三代将軍家光。時は寛永三(1626)年、元和偃武(げんなえんぶ)からまだ11年しか経っていない。
家康は、早くも大坂夏の陣の終結直後に、禁中并公家中諸法度を二条城において発布している。後水尾帝は二代将軍秀忠の娘・和子の入内を拒否したいがために譲位しようとしたが、容れられなかった(熊倉功夫『後水尾天皇』中公文庫)。しかし、この行幸の3年後に突然譲位を決行し、その後50年にわたり院政をしく。本阿弥光悦ら文化人を庇護して一大サロンを築き、修学院離宮の造営も指示した洗練された趣味の持ち主だった。
着々と天皇の実質的な権威を奪っていくが、しかしその権威を自らの権威付けに利用する幕府と、財政的には幕府に頼らざるを得ない天皇、両者それぞれの思惑を内に秘めて、豪華な道具立ての中で行列は粛々と進む。それを知ってか知らずか、熱狂する群衆。まことに「見れどあかぬかも」、実物を拝見するのが楽しみだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。
=次回は12月11日付(第2金曜日掲載)=
メモ
泉屋博古館 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24。電話075(771)6411。https://www.sen-oku.or.jp/kyoto
バスなら、京都駅前から市バス100系統に30分乗車、「宮ノ前町」下車すぐ。お勧めは、地下鉄東西線「蹴上」駅下車、1番出口より北へ徒歩20分。会期は12月6日(日)まで。「二条城行幸図屏風」の展示期間は、11月17日(火)〜12月6日(日)まで。
11月15日は素晴らしい秋の好天に恵まれ、気温も20度を越してとても穏やかな小春日和でした。
春日野の飛火野の特別会場で行基さん大感謝祭2020が行われました。
喜光寺住職であり薬師寺長老の山田法胤さんのごあいさつでは、行基さまにまつわるお話をくわしくお話いただきました。
春日大社、花山院宮司さんはご挨拶で、尾田栄章会長は、平成の皇太子殿下(現天皇陛下)の国連でのスピーチをはじめ水のご進講をされたことでもとても有名であるとご紹介がありました。
『行基と長屋王の時代』(現代企画室発行)の本を著され、建設省の河川局長などを歴任された、水の専門家の尾田栄章さん。
4年前ふる里の奈良に帰ってこられ、「行基さん大感謝祭」実行委員会の会長です。行基さんの業績のお話を4元中継で熱くお話されました。
行基さんのお墓がある生駒の竹林寺の村上副住職と山田法胤喜光寺住職。
そのあと大阪堺市、大阪狭山市、兵庫県伊丹市の行基さんの作られた池がある、3つのゆかりの地と奈良春日野の飛火野会場を結んだZOOMによる4元中継がありました。(映像は久米田池より拝借)
3時過ぎから、行基菩薩像に般若心経を唱え、行基さんが造営に尽力された東大寺大仏さまに、行基像を中心に山田法胤住職をはじめ一同が歩いて参詣しました。
大仏殿では東大寺、狭川普文別当のお出迎えをいただくという特別のお計らいをいただき、大仏さまにお参りをしました。
日暮れ近く、無事行基さん大感謝祭2020は終了しました。お世話になりました皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
14日もちいどの、小西、東向の商店街のあちこちで、GOTOプレイがはじまりました。GOTOプレイは15日も11時から5時まで行われます。
行基広場ではレゴプログラム体験。
小西通商店街の南都銀行の駐車場では、自動車によるドローン操縦体験など、されていました。
もちいどのセンター街では、空中を飛ぶドローン操縦体験。飛んでいかないように大きな網のケージがつくられていました。
いろいろな雑貨のワークショップが行われていました。人気を呼んでいました。
大きなパネルも3カ所に登場。ピカチュウの作者のにしだあつこさんが春日大社に奉納された、アマビエと白鹿のキャラクターです。
早速、人気スポットになりそうです。この写真はもちいどのセンター街の春日大社大宿所にて。
読売新聞の14日付に大きく報じられています。画像をクリックすると拡大します。
3回目を迎える行基さん大感謝祭が、11月15日に行われます。13時から春日大社の境内である飛火野にて。
3時から行基像を先頭に東大寺大仏様参詣があります。当日受付先着100名様です。
特設サイトです→☆
14日の奈良新聞でも大きく報じられています。
奈良新聞11月10日付で早速報じていただいています。画像をクリックすると拡大します。
【おでかけニュース】
地域に再びにぎわいを - 3種類の企画で誘客/11月14日スタート「GoTo商店街 in 奈良」
奈良市内3商店街(東向、小西さくら通り、もちいどのセンター街)の各組合理事長らが9日、14日にスタートする「GoTo商店街 in 奈良」の実施内容について、奈良市春日野町の春日大社で発表した。
「GoTo商店街」は、国の新型コロナウイルス対策支援事業。国内外の観光客を対象にしていた3商店街が連携し、再び地域住民に愛されるための企画を申請、採択された。「GoToプレイ」「GoToショッピング」「GoToデリバリー」を中心にイベント展開する。
#nara_np #奈良新聞 #奈良市 #東向 #小西さくら通り #もちいどのセンター街 #GoTo商店街 #GoToプレイ #GoToショッピング #GoToデリバリー
https://www.nara-np.co.jp/news/20201110092503.html
追記
昨日春日大社、感謝共生の館で3商店街協同事業「Go To 商店街 inNara」、プレスリリースを実施しました。
奈良テレビの放送がYOUTUBEにアップされました。
https://youtu.be/zLl6gS3s4Qc
経済産業省のGOTO商店街という補助事業があり、奈良東向き商店街、小西通商店街、奈良もちいどのセンター街の3つの商店街共同で申請を出しておりましたが、採択されました。
三商店街で夏以来、手作りの催しを考えてきました。
11月14日から順々に来年2月初めまで開催していきます。冊子もできあがってきました。
一部を紹介します。
14日、15日はオープニングイベントです。
近鉄駅前広場、小西通り、もちいどので。
ドローン模擬体験
レゴプログラム体験
YOUTUBE体験
雑貨ワークショップ
11月16日からGOTOデリバリー、「おつかい楽々便」がスタートします。どうぞご期待ください。
9日のNHK奈良のニュースで早速取り上げていただきました→NHK奈良
商店街に新作キャラクター登場
11月09日 17時40分
新型コロナウイルスで減った客の回復につなげようと、人気キャラクター「ピカチュウ」のデザイナーが手がけた新たなキャラクターの巨大パネルが奈良市のもちいどのセンター街など3つの商店街に登場することになりました。
もちいどのセンター街などに登場するのは人々を疫病から守ると言い伝えられている妖怪「アマビエ」をモチーフにした「はるちゃん」と、神の使いの白い鹿をモチーフにした「はくちゃん」です。
このキャラクターは、「ピカチュウ」などのデザイナーとして知られるにしだあつこさんが手がけた作品で、先月、新型コロナウイルスの収束を願って春日大社に奉納されていました。
3つの商店街では、国の補助事業「Go To商店街」を活用して抽選会などのイベントや商品の宅配などに取り組むことにしていて、その一環で「はるちゃん」と「はくちゃん」の巨大パネルを3か所に設置し、集客の増加をねらいます。
春日大社の花山院弘匡宮司は「新型コロナウイルスで多くの人々が大変な思いをしているなか、イラストを通してまちに笑顔や活気が戻ってくることは神様も喜んでいると思う」と話していました。
上記画像は、東大寺、森本庶務部長から拝借。今回笠原先生をご紹介いただきました。ありがとうございます。左前一列目私が写っています。
革遊びHARUHINOでの様子。
先日、もちいどのセンター街、小西通商店街、東向商店街で、「医学的に見て正しいコロナ対策」の勉強会、その後、もちいどのの3つの店での実地の指導をいただき、医学的に正しいことなど対策を学びました。講師は7月NHKテレビの「プロフェッショナル」の特別番組などで拝見した、奈良県立医大の笠原敬先生です。いただいた名刺によれば感染症センターのセンター長であり、病院の教授。感染制御内科の部長。感染管理室の室長です。
これをしなさいとか、これはしてはいけないという話ではなく、商売をいかに続けるかを前提にして、具体的にどういうコロナ対策が出来るかというお話でした。今年2月くらいからのコロナ対策では、これで良いという惰性ではなく、もう一度、商店街、社寺など含めて奈良という町でコロナ対策があらためて必要だということでした。2時間近いご指導で参加のメンバーはもういちどそれぞれの店でどうするか、商店街としてどうするかを考え直す機会となりました。NHK奈良の取材もきました。ちょうど、GOTO商店街IN奈良がこの14日から始まるに際しとてもタイムリーな勉強会となりました。具体的に、見直しと共に下田市観光協会のホームページのコロナ対策が参考になると紹介を受けました。
かまぼこの、魚万にて。
スーパーオーケスト入り口にて。
11月18日まで三好和義さんの写真展が開かれていると友人の紹介で大阪ニコンへいってきました。
三好和義さんとしばらく歓談できました。
友人と高校の同級生であること。
以前銀座和光での室生寺展や東大寺本坊での展覧会で
お会いし写真集を買い求めたことなど。
東大寺の巨大本も紹介の本もありました。
カメラや印刷機が良くなったからこれだけの大きな本が出来るようになったとのことでした。
お話は続き、
室生寺の寶物殿にいったこと、聖林寺のこと、来年のお水取りのことなど。
展覧会の写真の何枚か説明もしていただきました。
0.98とかの明るさのレンズによるお水取りの写真とか
150万円もするレンズとか
お坊さんのすぐそばで撮ってもシャッター音がしないカメラとか
14ミリの広角でフラッシュをたいて撮った花の写真とかの説明も。
サービス精神豊かに応対していただきました。
今回の写真集も買い求めました。サインとエンボスをいただきました。
室生寺の来年のカレンダーも。
出版が待たれていた、『神仙境 吉野の謎に迫る 壬申の乱と修験道の誕生』という本が出版され、近鉄奈良駅近くの啓林堂書店の店頭にならんでいましたので早速買ってきました。
著者は古代吉野を見直す会、大淀教育委員会の松田度さんのご指導による、奈良まほろばソムリエの会の10名の皆さんによる長年の活動の成果です。おめでとうございます。
書かれた奈良まほろばソムリエの会のみなさんは、
宇田光美さん、沖田拓司さん、亀田幸英さん、川井祐司さん、繁田泰樹さん、鈴木和子さん、富田良一さん、中瀬道美さん、前田景子さん、道崎美幸さん。
出版は地元の京阪奈情報教育出版株式会社、京阪奈新書。900円+税です。
目次
第1章 吉野と王権の神祇政策~壬申の乱前後~
第2章 吉野の神と仏~修験道のはじまり~
第3章 吉野古代史の現地を訪ねる
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序にかえてで 前園實知雄先生は「本書の白眉は第三章です。吉野古代史の現地を訪ねるというタイトルで「古代吉野を見直す会」の方々が、六年に及ぶ坐学と現地踏査に基づいて書き上げられた、古代吉野を学ぶための必携の書になっています」と書かれています。
前園先生のアドバイスにしたがって、まず第3章を興味深く読みました。
そしてかなり専門的な1章から2章をゆっくりと読み終えました。かなり内容が濃い1章2章です。
たぶん3章から読み始める方が良いのではないかと思いました。
京阪奈情報教育出版のページ→http://www.narahon.com/book/2020/10/31/56
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