直木賞候補、今村翔吾著『じんかん』
先日、新聞で直木賞候補を見ました。今村翔吾『じんかん』と出ていました。36才。直木賞候補になるのは2回目とのこと。
どうやら奈良の中学高校を卒業した同窓の作家とのことで、啓林堂書店で西田大栄店長にすすめられて購入しました。
松永久秀が主人公。
奈良の多聞城の天守閣から織田信長と東大寺や若草山をいっしょに展望したとか。
スペイン人宣教師ルイス・デ・アルメイダが多聞城を絶賛したとか(これはかつてまほろばソムリエの四択問題出会いましたが、みごと間違えました)。
信貴山城とか。
断片的なエピソードを知る程度です。
いざ読み始めてみると面白さに惹きつけられて、4日間で読み終えました。
500ページを越す長編ですが、その内容の濃さはなかなかのものです。
『じんかん』とは漢字では人間とのことです。全編を通じて、人間がこまやかに描かれています。
織田信長が松永久秀と語り明かしたことを思い出して、後年彼を回想するという設定です。
奈良、東大寺、興福寺、柳生、笠置、和束、宇治、飯盛山、京都、丹波、堺、筒井城、信貴山城など畿内の地名がつぎつぎ登場します。室町末期を描いています。
東大寺炎上、多聞城炎上、信貴山城落城など。
まさに大河ドラマのような重厚さです。
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講談社発行。1900円+税。
直木賞の発表は7月15日ということです。期待したいと思います。
ちょうど、日経新聞に、「あとがきのあと」という作者、今村翔吾さんのインタビュー記事が載っていました。(画像をクリックすると拡大します)
まほろばソムリエの会の池内力さんに産経新聞の記事を紹介いただきました。ありがとうございます。(画像をクリックすると拡大します)
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