上野誠先生 日本エッセイスト・クラブ賞受賞。おめでとうございます。
奈良大学の上野誠先生がこの春出版された『万葉学者、墓をしまい母を送る』が第68回(2020年)日本エッセイスト・クラブ賞の文学賞を受賞されたということです。まことにおめでとうございます。
この本については4月に当ブログ「鹿鳴人のつぶやき」でも紹介しています。『万葉学者、墓をしまい母を送る』講談社発行。1400円+税
「はじめに。
死の手触り 祖父の死
墓じまい前後 こげな立派な墓はなかばい
死にたまふ母 福岡から奈良への引っ越し大作戦
われもまた逝く 大伴旅人 万葉集「生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば この世にある間は 楽しくをあらな」
おわりに
あとがき
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一気に一晩で読み終えました。率直な打ち明けた文でよくわかりました。
江戸時代からの旧家。おじいさんが家とも見まがう立派なお墓を建てられたこと、
一方呉服から洋装店への転換、船場の仕入れを近県を取りまとめた大きな卸小売のご商売、スーパーなどの大型店の影響で小売一店舗への集中、おばあさんの死去に続くお父さんの死去。墓じまい。お母さんは福岡を代表する俳人であったこと
お母さんと上野先生の会話。海援隊の武田鉄矢の母子の会話を思い出す博多弁の率直な会話でした。
長男であるお兄さんの死去。お母さんを奈良へ引き取り七年間にわたる介護と別れ。
古事記、万葉集やいろいろな書物、儒教や西欧のことなどを紹介され、生きることと死ぬことを哲学されているように受け止めました。」
上野誠の万葉エッセイ→http://www.manyou.jp/
著者略歴
1960年、福岡生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。奈良大学文学部教授。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団学芸賞、第20回奈良新聞文化賞、第12回立命館白川静記念東洋文字文化賞受賞。『古代日本の文芸空間』(雄山閣出版)、『魂の古代学――問いつづける折口信夫』(新潮選書)、『万葉挽歌のこころ――夢と死の古代学』(角川学芸出版)、『折口信夫的思考-越境する民俗学者-』(2018年、青土社)、『万葉文化論』(2018年、ミネルヴァ書房)など著書多数。万葉文化論の立場から、歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案。近年執筆したオペラの脚本も好評を博している。
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