東大寺・戒壇堂 6月末まで
15日から東大寺・戒壇堂は再開されましたが、6月末まででひとまず公開は終了し、3年間の予定で調査・修復されるとのことです。
早速お参りしてきました。どうぞ6月中にお参りをおすすめします。
びるばくしゃ まゆね よせたる まなざし を まなこ に み つつ あき の の をゆく 會津八一
*びるばくしゃ 写真の広目天のこと。
(以下、服部素空氏のHPより)
歌意
広目天が両方の眉を寄せてはるか彼方をみている、その目の表情が素晴らしいので眼前に思い浮べながら、私は秋の野を歩いていく。
「びるばくしや」という語が、短歌と調べという文芸の最大の魅力を引き立たせている。この音調ゆえに古今の名作になった。当初、毘楼博叉という語が人々に理解されなかったので、八一は随筆・渾齋隨筆のなかで辞書ぐらい引けばと苦情を言い、毘楼博叉と広目天の音調の違いを力説した。
マ行の効果的な使い方。八一は何度も何度も音読して作っている。その上、八一は広目天に自分に相通ずるものを感じている。 (広目天は筆と書を持つ)
「この廣目天は、何事か眉をひそめて、細目に見つめた眼(まな)ざしの深さに、不思議な力があって、私はいつもうす暗いあの戒壇の上に立って、此の目と睨み合ひながら、ひとりつくづくと身に沁み渡るものを覺える。まことに忘れられぬ目である。やがて此の堂を出て、春日野の方へ足を向けても、やはり私の目の前には此の目がある。何處までもついて離れぬ目である。私はこれを歌にした。」
渾齋隨筆 毘楼博叉より
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