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2019年11月 8日 (金)

10日まで奈良町展、天理図書館へ

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理図書館で10日まで開催中の、奈良町展へいってきました。貴重な資料が展示されています。入場無料。https://www.tcl.gr.jp/index.htm

京阪奈情報教育出版の加藤なほさんがレポートされています。了解を得ましたので以下に紹介します。

 

天理図書館開館89周年記念展

「奈良町―江戸時代の『観光都市を巡る』―」に行ってきました。

(備忘録代わりなので長文です)

うーん。余談ですが、なぜ、
天理図書館開館89周年記念
なのでしょうかねえ……笑。

っていう素朴な疑問はさておき(笑)、
同館所蔵の史料のスゴさに圧倒されました~。

【参詣地としての南都】

平安時代以降、藤原氏の成長に伴い、
奈良町は寺社の都市として発展。
藤原氏は、政権担当者として春日社、
興福寺の拡充につとめる一方、
東大寺は天皇家の氏寺としての
性格を色濃くしていきます。

10世紀後半には春日詣、春日行幸(ぎょうこう)がはじまり、
12世紀以降には大江親通(おおえのちかみち)による
『七大寺日記』『七大寺巡礼私記』(諸説あり)をはじめとする巡礼記が作成されるように。

続いて、興福寺大乗院門跡の尋尊(じんそん)が
奈良町を描いた現存最古の
『大和国小五月郷指図(やまとこくこさつきごうさしず)』(室町時代後期)が紹介されていました。

永禄10年(1567)、戦乱に巻き込まれて大仏殿が焼失。
大仏さまの頭部が焼け落ちました。

その後、再興の動きはあるものの実現に至らず、
本格的な活動となったのは
貞享元年(1684)より始まった、
東大寺僧公慶(こうけい)による大仏再興のための勧進でした。

【江戸期の東大寺大仏開眼供養のあとの奈良町】

元禄5年(1692)に大仏開眼供養が、
宝永6年(1709)に大仏殿落慶供養が盛大に行われました。

大仏再興に伴う来訪者は数十万人ともいわれ、奈良町の産業に大きな影響を与えました。

そして、来訪者を強く意識した出版物が多く登場することになります。

東大寺の江戸時代復興の立役者、公慶自筆の「大仏造立勧進帳」の展示も。

「南都名所之絵図」関連では、元禄5年から明治、大正期に至るまでに発行された絵図がずらりと展示されていました。

版元は変わりながらも、
中央に東大寺、
左手に興福寺、
右手に春日社
という構図はほぼ変わらず…
時代の変化に伴い、
当時の最新情報も変化して…

また、
奈良町内の町々について、
さまざまな文献を用いて解説した、
村井勝九郎(古道)による地誌
『奈良坊目拙解』享保20年(1735)も。

当時の奈良の様子を知る貴重な史料として、
私もよく活用していますが、
この自筆稿本が展示されていました。

『大和名所鑑(かがみ)』
元禄9年(1696)、
こちらは諸国の神社仏閣・旧跡を記した名所記で、
展示では猿沢池の魚にエサをやる旅行者の様子が描かれていました。表情が豊かで楽しい絵だなあと思っていたら、浮世絵師の菱川師宣(もろのぶ)の手によるものとか。

あと、興味深かったのは
井原西鶴(いはらさいかく)が
初めて書いた浮世草子
『好色一代男』天和2年(1682)。
若草山山麓での野がけの様子が描かれていますが、これは西鶴の自画であるらしいです。

最晩年に西鶴が書いた浮世草子
『世間胸算用』元禄5年(1692)では、
大晦日に京都の呉服屋から奈良晒(ならざらし)の代金を集金するエピソードが掲出されていました。

教科書で紹介されている浮世草子の世界に、奈良町も描かれていたんですねー。

当時、奈良晒は一大産業だったといいます。奈良晒が経済的豊かさを表現するために、欠かすことができない題材だったことを、こんな粋な浮世草子で知ることができるなんて!

それから、さらに感動なのは
有名な松尾芭蕉の初の紀行文
『野ざらし紀行』貞享2年(1685)の、
自筆による初稿本が展示されていたこと!

こちら、二月堂に石碑がある芭蕉の句

「水とりや 氷の僧の沓(くつ)のおと」

が掲出されてありました。
お水取りファンにとっては感動の史料ではないでしょうか。

天理大学所蔵の史料、なぜこんなにスゴイのでしょう。
想像以上に良い企画展でした。
11月10日(日)までです。
まだの方はお急ぎください!

※天理大学内にあるのですが、関係者以外でも利用できます。

参考:『奈良町 江戸時代の「観光都市」を巡る』(天理大学付属天理図書館)

 

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