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2019年8月10日 (土)

美ビット見て歩き*76 「相馬野馬追」

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奈良新聞で毎月楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビット見て歩きは福島県・相馬の野馬追(のまおい)です。2011年東北大震災以来、東北に熱い眼を向けておられる川嶌一穂さんです。奈良からはともすれば遠く感じられる東北ですが、東北に眼を向け手を差し伸べることの大切さが感じられます。それは他人事でなく自分たちのことだと思います。

おすすめのYOU YUBEは以下の通りです。震災の翌年2012年、そして2017年の映像を見ることが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=VSzsWP6SMV4

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *76 川嶌一穂

 

重要無形民俗文化財「相馬野馬追(そうま・のまおい)」

 

写真 本陣で神職から水を頂く甲冑競馬の勝者(著者撮影)

 

先月28日、「相馬野馬追」を見るツアーに参加した。
8年前の大震災の年の7月、南相馬市の伝統行事「野馬追」が、規模を縮小して実施されることになったというニュースが流れた。南相馬市は福島県北部の浜通り(太平洋側)に位置する、地震・津波・放射能汚染の影響を最も被った地域だ。人も馬も甲冑も、帰る家さえ失われた人も多かったことだろう。震災関連の多くの報道の中でも、祭り好きの「東北人魂」を見せつけた印象的なニュースだった。
公式ガイドブックによれば、旧奥州中村藩主・相馬氏の遠祖とされる平将門が始めた、野生の馬を放して敵兵に見立てた軍事演習が、1000年以上も脈々と受け継がれて現在の野馬追に繫がるという。
さもありなん。平将門と言えば、平安中期に東国で兵を挙げ、「新皇」を自称して朝敵となった伝説の反逆者である。「これからもいつ何どき中央に楯突くことになるやも知れぬ。この野馬追だけは決して止めてはならぬ」と言い遺したに違いない!?
祭りは、7月最終の土日月曜日の3日間行われるが、今回のツアーでは、中日の「甲冑競馬」と「神旗(しんき)争奪戦」を観覧した。台風が接近して当日の朝まで雨が降っていたので、会場も会場までの道もかなりぬかるんでいた。会場に向かう途中、馬のいななきが聞こえてきたり、道に大きな馬の落し物があったりして、いやが上にもお祭り気分が盛り上がる。
会場に入って、息を呑んだ。一度にこんなにたくさんの馬を見たことがない。ざっと300頭以上はいるだろう。甲冑を着け背中に旗印を差した武者が、着飾った馬を操っている。
この旗印がまた美しい。鷹の羽や橘などのよく見る家紋もあれば、「諏訪大明神」「八幡大菩薩」などと書かれた神旗もある。色鮮やかで力強いデザインが遠くからでもよく目立つ。
甲冑競馬は、甲冑はそのままに兜だけ脱いで白鉢巻を締め、背中に旗印を指して一周千メートルの祭場を駆け抜ける。旗指物がしなって、「風を切る」という表現そのままだ。
出発地点にゲートがないので、出場する10騎が小さく輪になって回りながら間合いを計り、息の合った時点でスタートとなる。タイミングが難しいので、フライングが何度かあった。他の馬が走るのを見て興奮したか、会場内を気ままに走る放れ馬が出て、注意を喚起する放送が流れた。
審判は厳しく、2位に入った一騎が、旗指物が折れたという理由で3位に降格となった。各回の上位3騎の人馬は、ジグザグにうねった羊腸坂を本陣目指して駆け上がる。人も馬も泥だらけ。その誇らしげな武者姿を、女子が「わー、イケメン」とか言いながらカメラに収めるのも祭りならではの微笑ましい風景だ。
ささやかな復興支援、という最初の旅の目的は飛んでしまって、東北の夏の暑さの中で繰り広げられる勇壮な戦国絵巻に酔いしれた。次回はぜひ午前中の「お行列」も拝見したい。来年の開催は、7月25日からの3日間。

 

=次回は9月13日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

メモ 相馬野馬追 相馬野馬追執行委員会事務局(南相馬市観光交流課内)。福島県南相馬市原町区本町2丁目27番地。電話0244(22)3064。主な会場となる雲雀ケ原祭場地へは、福島駅から原ノ町駅前まで福島交通バスに1時間30分乗車。または仙台駅からJR常磐線で原ノ町駅まで1時間30分乗車。大阪駅前から福島駅まで、福島交通深夜高速バスあり。いずれも原ノ町駅から祭場地まで徒歩7分。クラブツーリズムなどの旅行代理店によるツアーあり。YouTubeに映像あり。
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