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2019年4月12日 (金)

京都・北野天満宮 美ビット見て歩き

奈良新聞でいつも楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビッド見て歩きは、京都の北野天満宮です。一度訪ねたことはあるのですが、年中良いところというご紹介です。

また新年号が太宰府ゆかりであることからいま注目されています。大伴旅人、山上憶良、万葉集そして太宰府に左遷された菅原道真など。九州国立博物館もある太宰府にはいちど訪ねたいものだとおもいます。

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *72 川嶌一穂

 

京都文化博物館「北野天満宮 信仰と名宝」展

 

写真 「八棟造(やつむねづくり)」と呼ばれる複雑な構成の北野天満宮本殿(著者撮影)

 

総本社・北野天満宮、菅原家発祥の地・奈良市の菅原天満宮、道真終焉の地・太宰府天満宮をはじめとして、菅原道真(845-903)を祭神とする「天神さん」は、全国に一万数千社もあるという。どの天神さんにも必ず道真の愛した梅の木が植えてある。
道真が56歳という高齢で九州の大宰府に左遷されたのは、今で言えば2月のはじめ。まだ寒い京都も、早い梅はちらほら咲いていたかもしれない。赦されて京に帰ることなく、道真は2年後にかの地で没した。
 それから続いた天変地異が道真の祟りと恐れられ、亡くなって二十年後、剥奪された官位・右大臣に復される。さらに二十数年の後に北野天神が創祀された。
 その間の事情を記す、数ある北野天神縁起のうち最古の絵巻である国宝「承久本(じょうきゅうぼん)」(13世紀)は、今回の展覧会の中心だろう。よほどいい顔料を使っているのか、目にも鮮やかな色彩を保ち、大画面に人物や地獄の鬼の群像が生き生きと描かれている。
 道真の六百年忌(1503年)に奉納された土佐光信描くところの「光信本」縁起絵巻は、承久本とはまた違った、大和絵の土佐派らしいしっとりとした描写が好ましい。
 北野天満宮を様々な切り口で紹介する今回の展示の中で興味深かったのは、豊臣家との関係である。応仁の乱以後、荒廃していた境内で、天正15年(1587)秀吉が大茶会を開いた。茶の湯が好きなものは身分によらず「釜一つ、釣瓶一つ、飲み物一つでも引っさげて来るように」と秀吉がお触れを出した野点茶会だ。江戸後期の作だが、「北野大茶湯図」の中で、小屋掛けの茶席にかしこまって座っている太閤秀吉の姿が微笑ましい。
 展覧会は明後日までだが、京都の北に位置する北野天満宮は何度も訪れたい神社だ。
この春、梅の時期に伺い、秀吉の築いた御土居から本殿を見て驚いた。正面からでは分らなかったが、檜皮葺きの屋根が幾重にも重なっている。慶長年間(1607年)に豊臣秀頼が建て替えた社殿で、拝殿と本殿を石の間でつないで一体とし、更に脇殿や楽の間をつないだ複雑な構造だ。三光門とともに、伸びやかな桃山の遺風を今に伝える建築。
この様式は秀吉を祀る豊国廟に採用され、さらに豊臣家滅亡のあと豊国廟を破却した家康を祀る日光東照宮に受け継がれた。
 花が終れば、すぐに御土居の青もみじが美しい季節を迎えることだろう。

 

=次回は5月10日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。

 

メモ 京都文化博物館 京都市中京区三条高倉。地下鉄「烏丸御池」駅下車、5番出口から三条通を東へ徒歩3分。電話075(222)0888。会期は14日(日)までなのでご注意下さい。
北野天満宮 京都市上京区馬喰町。JR京都駅から「北大路バスターミナル」行き市バスに30分乗車、「北野天満宮前」下車、徒歩5分。電話075(461)0005。宝物殿の開館日に注意。

 

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