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2018年5月27日 (日)

日経新聞(有料電子版)より

世界に届け9歳の音色 バイオリン界の父に導かれ、鳥取 

2018/5/21
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4月に米子で開いた初リサイタルのさかぐちあおのさん

 鳥取県米子市立小4年のバイオリニスト、坂口碧望さん(9)=同県日吉津村在住=が世界的な活躍を目指し、演奏活動を本格化させている。米子市は「日本のバイオリン界の父」と呼ばれる指導者、故鷲見三郎(1902~84)の出身地で、坂口さんは三郎の孫弟子に当たる。ドイツでトップレベルの管弦楽団と共演を果たすなど才能を開花させつつある。

 坂口さんは米子で4月に開いた初のリサイタルで、高度な技術が必要なサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」など7曲を披露。哀愁に満ちた旋律を、情熱的に紡いだ。

 「馬が駆け抜ける様子など、曲ごとにいろんな場面を思い浮かべながら弾いた。私の魂が観客に伝わるとうれしい」と話す。学校に通えない途上国の子どもたちを元気づけられる演奏家になるのが夢だ。

 三郎の弟子で義理の娘、野冨子さんに3歳から師事。野冨子さんの娘、恵理子さんの演奏会を米子で鑑賞したのが縁だ。自宅での毎日3、4時間の練習に加え、3週に1度上京してレッスンを受ける。全日本ジュニアクラシック音楽コンクール低学年の部1位など、主要コンクールで上位入賞を重ねる。

 来日したドイツ・ブランデンブルク国立管弦楽団の指揮者から能力を認められ、2017年11月にソリストとして現地を訪れ、約500人の聴衆から絶賛された。野冨子さんは「自然に恵まれた米子の地が、豊かな感性と心に響く演奏を育んだ」と目を細める。

 鷲見三郎は日本のバイオリン奏者、指導者の草分け。22歳で上京、現在のNHK交響楽団で活躍し、国立音楽大や桐朋学園などで教えた。徳永二男さんや千住真理子さんら多くの門下生がいる。〔共同〕

 

 

 

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