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奈良の良心的地域情報誌「かぎろひ」がこのほど発行されました。復刊第34号です。
今回の特集は、大和三山をめぐる、麓の神話、古代の息吹をもとめて、です。
300円+税。
かぎろひさんのブログです→http://kagiroi3.blog.fc2.com/blog-entry-1768.html
かぎろひの大和路のHPです→http://www4.kcn.ne.jp/~kagiroi/
5月27日になら100年会館大ホールで、スプリング コンサート 2018を開かれる、氷置 晋さんが、いま奈良県で話題の「ふりむかないでーー奈良市版」を歌って公開されはじめました。
氷置晋さんが歌いこんでいます。
日ごろ、Jポップス系の歌が多い氷置晋さんですが、生まれる前のこんな歌をうまく歌うものだと感心します。
このほど、YOUTUBEにアップされました。→https://youtu.be/etnNzk1iEB4
制作は、株式会社まちづくり奈良で作詞も担当しました。
協力は、奈良ミュージックデザイン、そして奈良市観光大使の氷置晋さん。
映像はRaku Movieの坂本佳太さんの力作です。
現在、奈良市内の商店街でも歌が流れて好評です。
全国のJOY SOUNDのカラオケ店でも歌えるそうです。一度歌ってみたいと思います。
わたしども奈良市中心市街地活性化研究会(通称、奈良まちなか商店街)は、もちいどのセンター街(協)、しもみかど商店街(協)、橋本商親会、東向き商店街(協)、東向き北商店街(振)、花芝商店街(振)、小西通商店街(振)、三条ショッピングモール(振)の8つの商店街で10年以上前から協同で奈良市中心市街地とその地域の商店街の活性化ならびに発展をめざしてきました。
このほど経済産業省と中小企業庁に、平成30年の全国の「はばたく商店街30選」の一つに選ばれましたので、東京・霞が関の経済産業省での授賞式に出席してきました。
奈良市の小学校を卒業されたという世耕経済産業大臣の祝辞。
大臣名の表彰状。
江戸切子の特別製の盾。
「はばたく300社とはばたく商店街30選」を掲載した440ページ余りの分厚い冊子です。
→ http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2018/180326monozukuri.htm
会場の様子。(S専務理事より)
経産省から選ばれた商店街の皆さんとの記念撮影が送られてきました。前列は大臣らと審査にあたられた先生方。
(4月12日追記)
毎日新聞やまと歌壇に載りました。ありがたいことです。
万葉集にも歌われている奈良・佐保川の桜が咲き始めました。(3月25日朝9時ころ撮影)
桜まつりがちょうど3月25日から4月6日までひらかれます。
咲いているのかなと半信半疑で、見てきました。咲いている木もあり、まだ咲いていない木もあります。
新大宮駅から北へ100mの新大宮橋から、東へJRの線路あたりまで、佐保川の両岸にあんどんが掲げられています。
(線路を越えてさらに東へ、船橋通りを越えて奈良女子大の北あたりまで桜並木はつづいています)
ことしのメッセージのテーマは「和」です。
海龍王寺の石川住職の書「和顔」がありました。
歩いていると運動具店をされていた旧知のNさんにばったりと出会いました。毎朝、佐保川べりを散歩されているそうです。
私はあんどんに今年も投稿したのですが、幸い掲げられていました。
なご
「佐保川の桜の下で和やかにあなたに逢いたいまた来年も」
奈良県の20市町村版がすでに公開されていますが、待たれていた奈良市版がYOU TUBEで公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=lK6FIijpBR0
「ふりむかないでー奈良市ー」公式版として奈良県から発表されたものです。
制作は「株式会社まちづくり奈良」。
協力は奈良ミュージックデザインであり奈良市観光大使のシンガーソングライターの氷置 晋さん。
ビデオの制作はRAKU・MOVIEの坂本さん。
奈良市版作詞は株式会社まちづくり奈良です。
全国のJOYSOUNDのカラオケ店で歌うこともできると聞いています。
奈良市版の歌詞です。
「ふりむかないで」ー奈良市―
作詞 株式会社まちづくり奈良
1.君と会いたい 奈良の町で
猿沢池を 歩いてみれば
五重塔が 高くそびえる
思い出の町 奈良の都
2.飛火野春日野 歩いて仰ぐ
三笠の山を ながめた人を
今も伝える 都のにぎわい
きょうも元気だ 奈良の町
3.奈良の大仏 大きな心で
世界の幸せ きょうも祈る
若草山に 鹿も遊ぶ
広がる町は 奈良の都
3月25日からの薬師寺の花会式が近づきました。南都銀行本店のウィンドーの様子です。
薬師悔過法要が25日から31日までおこなわれます。薬師寺のHPによると、
花会式(修二会)とは
修二会とは奈良の大寺が国家の繁栄と五穀豊穣、万民豊楽などを祈る春の行事です。修ニ会とある通り、この法要は2月に行われるのですが、薬師寺の場合は旧暦の2月末に行われていた事から、そのまま新暦に直して3月25日から3月31日にかけて行われています。春先に東大寺に修二会お水取りという俗称がついたように薬師寺修二会には十種の造花がご本尊に供えられるところから「花会式」と呼ばれ、「奈良に春を告げる行事」として親しまれています。花会式(修二会)に参篭する僧のことを「練行衆[れんぎょうしゅう]」と言い、最終日の3月31日の夜には「鬼追式[おにおいしき]」が法要の結願[けちがん]を飾ります。
花会式(修二会)の歴史
所謂「花会式」と呼ばれる法要は正確には『修ニ会』と言い、薬師悔過法要であります。この法要は奈良時代から脈々と続いてきた法要です。現在の形態となっての法要は嘉承2年(1107)に堀河天皇が皇后の病気平癒を薬師如来に祈られ、その霊験を得て病気が回復したとされています。そして、皇后はその翌年に女官に命じて10種類の造花を作らせて、お薬師様の御宝前に供えられたのが、今の『花会式』と呼ばれる華やかな法要の始まりとされています。
造花がきれいです。そして僧侶の装束です。
満行の31日夜には鬼追い式がおこなわれます。
薬師寺のHPです→http://www.nara-yakushiji.com/
春日大社の創建は、神護景雲2年(768年)と伝えられています。今年は創建1250年ということです。4月14日から6月10日まで、奈良国立博物館で、「春日大社のすべて」展が開かれます。相当、力の入った特別展覧会になるということです。
先日、奈良ロータリークラブの例会で、春日大社 国宝殿の主任学芸員の松村和歌子さんの卓話を聞きました。
最初に春日大社の濫觴をききました。神護景雲2年(768年)創建からことし1250年になります。創建前の歴史も聞きました。
今回の特別展は、出陳件数が224件。うち国宝57件、重要文化財47件。
9章をテーマ別に展示されるそうです。
1章。平安の正倉院ーー本宮御料・若宮御料古神類の美ーー
2章。神宝ーー神々に捧げられた祈りーー
3章。春日大社の濫觴
4章。国の護り、氏の社ーー皇室、藤原氏と春日大社ーー
5章。春日曼荼羅の世界
6章。春日権現記 絵の世界
7章。春日大社の神と仏
8章。春日大社の祭礼ーー春日大社とおん祭ーー
9章。春日信仰の広がりーー全国に広がる春日社と春日講ーー
今回の特別展は、鹿島神宮や香取大社からの宝物も特別に展示されるということです。
特別展のHPです→http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2018toku/kasuga/kasuga_index.html
奈良市観光センターNARANICLEで毎回好評の、奈良の歴史通が集まるNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」による『奈良の歩き方講座』です。
4月15日(日)、5月20日(日)、6月10日(日)、7月15日(日)と毎月テーマを代えて講座がひらかれます。
講師陣は、奈良を良く知っている方ばかりで、おすすめです。参加費はワンコインの500円。
参加をおすすめしますし、早めの申し込みをおすすめします。ご予約は→order@narashikanko.or.jp
大和当帰葉や大和橘など16種類がブレンドされた「桃鹿茶(とうかちゃ)」が最近売り出されました。
JR奈良駅ビル1Fのうまいものプラザで目に付きましたので、記事にしました。
鹿鳴人のイチ押し!ということで、くわしくは
以下のHPをご覧ください。→http://www.narano-umaimonoplaza.com/ichioshi/toukacha/
歌人の會津八一は、奈良で多くの歌を詠み、20基ほど県内各地に歌碑を建てられています。
ところが京都でも歌を詠んでいますが今まで歌碑はなかったそうです。
この3月27日京都に初めて歌碑が建てられます。
東寺の洛南会館の前庭だそうです。
作は奈良の名石工、左野勝司さんとのことです。
写真は東寺(京都市)講堂に祀られている五大明王のうちの一仏・軍荼利(ぐんだり)夜叉明王です。
東洋美術史学者・歌人・書家の會津八一(早稲田大学教授)は1939(昭和14)年秋、東寺を訪れ軍荼利明王をはじめとする五大明王を拝し、密教芸術の神秘性にうたれて
「たちいれば くらきみだうに 軍荼利の しろききばより ものヽみえくる」と詠んだ。
その歌碑ということです。
以下は會津八一研究家の服部素空氏の解説です。
「この日醍醐を経て夕暮に京都に出で教王護国寺に詣づ 平安の東寺にして空海に賜(たま)ふところなり講堂の諸尊神怪を極む(第1首)
(たち入れば暗きみ堂に軍荼利の白き牙より物の見えくる)
醍醐 | 「京都市伏見区の東部の広域地名で、豊臣秀吉が豪勢な花見を行ったことで知られる醍醐寺に発する」 |
教王護国寺 | 「京都市南区九条町にある東寺真言宗の総本山。平安遷都直後、平安京鎮護のため羅城門左に建立に着手した。通称名は東寺」 |
空海 | 「平安時代、高野山金剛峰寺を建立した真言宗開祖。教王護国寺(東寺)を真言道場として後進の育成に努めた。835年に高野山で入滅、齢63歳。醍醐天皇から弘法大師の諡号が贈られた」 |
ぐんだり | 「五大明王の一つで、南方に配置される軍荼利夜叉明王のこと。一面八臂(はっぴ)の姿で武器を持ち、憤怒の相をなしている」 |
もののみえくる | 「“密閉したる真言宗寺院の堂内に立ち入る時は、暫くは視力を失ひたる如く、やうやくにして物の見え来るを常とす。その時軍荼利明王の牙の白きより堂内の諸物は見え初め来れりと詠めるなり。”自註鹿鳴集」 |
歌意
暗いみ堂に立ち入るとまず最初に軍荼利明王の白い牙が浮かび上がり、その後から次第に他のいろいろな物が見えてくる。
まず白い牙が見え、その後ゆっくりと全体が見えてくる。とても印象的で表現が素晴らしい。密教の寺の雰囲気を見事に表現した名歌で、忘れがたい歌である。この歌を暗誦しながら、東寺に軍荼利明王を見に行ったのは随分昔のことである。
東寺のHPです→http://www.toji.or.jp/
2年に一度のなら国際映画祭の年になりました。9月20日から24日に開催ということです。
ただいま、2018年度レッドカーペットクラブ会員の募集をされています。
毎月のならシネマテークで映画を見ることも出来ます。おすすめです。
なら国際映画祭のHPです→http://nara-iff.jp/
このほど旧知の奈良の写真家の野本暉房さんが「神饌・供えるこころ」という写真集を出版されました。奈良大和路の祭りと人、という副題がついています。早速、啓林堂書店に買いに行こうと思っていた矢先、野本さんから戴きました。ありがとうございます。早速、拝見しました。
「神饌 供えるこころ 奈良大和路の祭りと人」は、淡交社発行。1800円+税。
まず「序ーー神饌と人」は奈良民俗文化研究所 代表の鹿谷勲さんが書かれています。
十津川村や、奈良市から笠置町に向かう北村、また大保などの村の神饌や人にふれられたあと、
「今回の企画は、奈良県内を縦横に巡り、無数の場面から息をのむような一瞬の民俗を精力的に切り取り続けてきた野本暉房氏と同氏の写真を扱ってきた編集者でライターの倉橋みどり氏による成果である。
枡型などに入れて成形したお供えの飯をキョウと呼ぶが、それはまさに神への「饗応」である。
一年の平穏無事、年穀の豊穣、家族の安泰のために、土地の神々に対して心からの「饗応」を長い年月続けてきた大和の人々とお供え物が、色や形、舞・音・命・、火・水さらに調製と直会のよろこびという独自の構成で、いきいきと捉えられており、先の外国人による写真集に劣らず大変興味深い。
急激に変転する現代社会において、大和の神饌と人を巡る美しく新しい成果を紐解きながら、積み重ねられた民俗の意味を、改めて考えてみる必要があるだろう。」とかかれています。
そして、本文。
カラー写真で神饌などが鮮やかに紹介されています。写真は談山神社の嘉吉祭の「百味の御食(おんじき)」
ふつう、その神社は行ったことはあっても、なかなかその神事が行われている時に訪れることはむつかしいことです。
しかも夜であったり、朝であったり。
いろいろな行事が同じ日に重なることもあります。奈良県も広いことですし、なかなか
これだけ各地を訪れることはできません。
神社や地域のお祭りにも、日ごろの細やかなおつきあいがなければ、これだけの写真は撮れないだろうと思います。
何十年の野本さんのキャリアであり、いろいろな蓄積の賜物であろうと推察します。
野本さんのすばらしい写真に加えて、倉橋みどりさんの文がわかりやすく説明されています。
そして、野本さんのあとがきです。
「今回は奈良大和の神社祭礼から特殊神饌と呼ばれるものを中心に取り上げています。
奈良大和の祭事、神饌などはどちらかというと、静かでおとなしめの感があります。
でも丁重さはほかよりも感じられるものがたくさんあります。また本来の食べ物を中心とした神饌だけでなく、おもてなしの演出とも言える、舞、唄、火、水なども含め取り上げました。(中略)
我々民はハレの日でもある祭礼の日に特殊神饌など目を引く神饌に興味を感じますが、多くの神社では毎朝に「日供」という神饌を上げておられます。
神饌の基本とも言えるもので見落としてはなりません。
それらは、水、米、塩、酒、餅など、多くが素朴な状態のものです。こうした祭事や神饌などは、日本人の精神文化の形成に影響を与えてきた大きな要因であったのではないでしょうか。
近代化激しい時代でも祭事も簡素化省略化される傾向がないわけでもありませんが、こうした文化の伝承は続いて欲しいと願うものです」
と野本暉房さんは書かれています。
写真の野本暉房さん、文の倉橋みどりさん、序の鹿谷 勲さん、3人とも存じあげていることは私にとってとてもうれしいことです。
そして本の出版記念の野本輝房さんの写真展が4月4日から8日まで奈良県文化会館でひらかれます。毎日11時、15時から、ギャラリートークもされるそうです。
写真集も写真展もおすすめです。
奈良新聞の15日付にちょうど大きく紹介されていました。
パンフレットです。画像をクリックすると拡大します。
平城宮跡の朱雀門南あたりが長い間工事中でした。大宮通を通る時、ときどき工事の進行は見えていましたが、3月24日平城宮跡歴史公園が開園ということです。
3月24日25日には熱気球搭乗体験(係留飛行)やワークショップなどいろいろなイベントがあるそうです(要申込み)。
また、3月31日には祝賀コンサートが奈良県文化会館国際ホールであります。
4月15日には海龍王寺石川住職の特別法話があるそうです
。
チラシのPDFはこちらです→http://www.pref.nara.jp/secure/193383/20180305.pdf
どうぞお申し込みの上、公共交通でお出かけください。
奈良県のHPの説明です。
平城宮跡歴史公園 平成30年3月24日オープン!!
~1300年の時を超えて”朱雀門ひろば”がよみがえります~
平城宮跡は、日本の律令国家が形成された奈良時代の政治・文化の中心として、多くの重要な遺構が確認されており、学術上きわめて価値の高い文化財として、昭和26年度に特別史跡に指定され、平成10年度には世界遺産に登録されています。
奈良県では、平成20年度の閣議決定に基づき、「古都奈良の歴史的・文化的景観の中で、平城宮跡の保存と活用を通じて、“奈良時代を今に感じる”空間」として、事業化された国営公園と連携して県営公園区域の事業を進めてまいりました。
今般、隣接する国営公園部分を含む「朱雀門ひろば」等について整備が進んだことから、平成30年3月24日(土曜日)に、国営公園部分と同時に、「平城宮跡歴史公園」として供用を開始いたします。
PDFの報道資料です→http://www.pref.nara.jp/secure/185130/kaiensiryo.pdf
3月9日から25日まで開催中の奈良市アートプロジェクト「古都祝奈良2017-2018」のチラシです。
そして3月30日の演劇の案内です。
「プロモーションムービーをご紹介します。
開催中、開催後もムービーを公開していきます。
https://www.youtube.com/channel/UCkI364g44oRkzV-YuuTiTDg...
イベント詳細は奈良市公式ホームページから
http://www.city.nara.lg.jp/…/conte…/1515029800981/index.html
この写真の人に見覚えありませんか?
何人わかりますか?
かつて、学校の音楽室に貼ってあった、作曲家の皆さんです。
ところで5月5日、子どもの日に、「大人の子どもの日」として、気軽なコンサートがあります。
わたしも参加している、くらしにちょっとクラシック音楽!の会が主催で、やまと郡山城ホールのB1、レセプションホールで行われます。
入場料は2500円。ペアーチケットなら(2枚で)4000円です。
器まつもり・もちいどの本店で預かっていますので、お買い求めください。
プログラムは以下の通りです。
クリックすると拡大します。
ところで作曲家の名前は
1番上から、ベートーベン、瀧廉太郎、ハイドン。
2段目、バッハ、シューベルト、ブラームス、プッチーニ、ドボルザーク、
3段目、ドビュッシー、グリーク、山田耕作、モーツアルト、
4段目、チャイコフスキー、ショパン
とのこと。何人わかりましたか。
毎月楽しみにしている川嶌一穂さんの今月の美ビット見て歩き 私の美術ノートは京都・本法寺 長谷川等伯・大涅槃図開帳です。釈迦が入滅した日は旧暦では満月とのことです。
先日聞いた東大寺修二会もかつては旧暦の2月であったので、新月の1日に始まり満行の15日は満月であったということでした。
お釈迦様の入滅の日が修二会の満行の日であったということになります。月の満ち欠けの旧暦をあらためて知ることです。
美ビット見て歩き 私の美術ノート *60 川嶌一穂
京都・本法寺 長谷川等伯・大涅槃図開帳
写真 長谷川等伯筆「仏涅槃図」紙本着色 慶長4年(1599)=「本法寺・平成30年春季特別寺宝展」チラシより許可を得て複製
旧暦2月15日はお釈迦様が涅槃に入られた、つまり亡くなった日である。奈良では2月の15日に、京都では3月の15日に涅槃会(ねはんえ)の法要が行われる寺が多い。涅槃会で懸けられる涅槃図は、だいたい共通の約束事に沿って描かれるが、細部が少しずつ違うので、比べてみるととても興味深い。ちなみに、本欄第25回(26年12月)で取上げた法隆寺五重塔初層北面の涅槃塑像群は、涅槃を題材にした作として日本最古である。
最期を悟った釈迦はクシナガラ近くの川岸に赴いて、弟子に「サーラ―の双樹の間に、頭を北に向けて床を敷いてくれ。アーナンダよ。私は疲れた。横になりたい」と言って、入滅された(中村元著『釈尊の生涯』)。その日、旧暦の2月15日は、必ず満月である。
写真の長谷川等伯(1539-1610)の筆による本法寺(ほんぽうじ)の「仏涅槃図」(重要文化財)は、画中高く満月が上り、天まで届かんとする4対の沙羅双樹が釈迦を囲んでいる。沙羅の木の間に、跋提河(ばつだいが)という川の荒波が見え隠れしている。釈迦最後の説法が終ると、足元の沙羅の木はたちまちに枯れ、あとの4本は栄えた。
たいていの涅槃図に描かれる、急いで天上から下りて来る摩耶夫人(まやぶにん)が、本図にはない。おそらく本図が余りにも巨大であることに因るのだろう。ぜひ実物でその大きさを味わって頂きたい。
60歳の等伯がこの涅槃図を描いた6年前、跡取りの久蔵を26歳という若さで失った。天下が誰のものになるのか、狩野派も海北派も生き残りに必死だった時である。頼りにしていた久蔵の七回忌に際し、菩提寺の本山である本法寺にこの涅槃図を奉納したのだ。画中では、菩薩たちでさえ悲しみを隠そうとしない。まるで画家自身が、この絵の中で思い切り泣いているかのようだ。
今回展示されている訳ではないが、等伯に「千利休像」がある。一筋縄では行かない利休の人となりを余す所なく描いた名作である。当然2人に交流があっただろうが、実際に本法寺は東側の小川通で表千家、裏千家と隣り合っている。400年間変わっていないような界隈に、目の保養にも、目の毒にもなりそうな、趣味のいい道具屋さんがあり、お茶のできる美味しい和菓子屋さんがある。
今年は寒い冬だったが、日の光はもうすっかり春だ。涅槃会が終わると、来月は花祭り。
=次回は平成30年4月13日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
元大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ 叡昌山本法寺 京都市上京区小川通寺之内上ル本法寺前町617。電話075(441)7997。京都市営地下鉄「鞍馬口」駅から徒歩15分。または京都市営バス9系統「堀川寺ノ内」バス停から徒歩3分。涅槃図開帳は3月14日(水)から4月15日(日)まで。3月14日(水)午前10時から涅槃会。
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叡昌山本法寺のHPです→ http://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/
認定NPO法人 アゴラ音楽クラブの第15回目になるアゴラ音楽クラブコンサートが3月17日にひらかれます。時間は13時30分開演。場所はやまと郡山城ホールの小ホール(300人)です。
奈良出身、奈良在住、の氷置晋コンサートが5月27日(日)、なら100年会館の大ホールでひらかれます。昨年はなら100年会館中ホールで満員の盛況で大成功でしたが、ことしはまた思い切って大ホール、1fで800人、2f、3fをあわせると1300人というホールです。当方の器まつもりも協賛させていただいています。氷置晋さんをメインにそうそうたるメンバーが出演されます。
大人3500円(ペアーなら6000円)です。チケットの販売が開始されました。
チケットは奈良ミュージックデザインinfo@nara-music-design.com 070-5014-7161.
なら100年会館0742-34-0111へどうぞ。
「どっぷり!奈良漬」のブログでもくわしく紹介されています→
https://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6e439f11d1b62c3c9d41ccc0602f0a13
商店街のショウテンガイエイトや商店街つながりで以前からよく知っている行政書士でもあるOさんと、ならどっとFMのアナウンサーでもあるKさんが、ひらいている銀河食堂。
いままで、前日に予約しなければなりませんでしたのでなかなか行くことが出来ませんでした。
3月5日から、日曜日以外営業との案内をいただきました。
場所は、JR奈良駅を三条通にそって西へ、信号2つこえた第3銀行あたりを南に入る三条宮前町の飲食街です。
先日、毎日営業の初日に訪問してきました。おいしい料理と奈良のおいしい地酒をいただき、話もはずみました。
ちょうど、シンガーソングライターの氷置晋さんと中村千沙さんにもお店で出会い、皆で写真を撮ってもらいました。おすすめのお店です。
TEL:0742-20-3471
takino@cc.nara-wu.ac.jp
3月1日の夜、奈良氷室神社で、ひむろしらゆきサロンがありました。東大寺修二会に奉納されるいろいろな会や講の中でも古いといわれる、三重県名張市の一ノ井の松明講や支援される春を呼ぶ会の皆さんのお話や保山耕一さんの素晴らしい映像を拝見することができました。画像はヒライソウスケさんから拝借。
770年間、名張から奈良東大寺まで毎年3月、檜(ひのき)の木を奉納され、その檜を1年間乾燥させて、翌年の修二会の3月12,13,14日の韃靼(だったん)の松明に仕上げられて使われるそうです。
韃靼のたいまつは童子さんたちによって3月9日朝から、二月堂の下の若狭井のあたりで作られます。(見学可能)
修二会の大松明はよく燃える松の油を含む松の松明であるのに対して、韃靼の松明は二月堂の内陣でおこなわれる行法であるので、よく燃えて煤(すす)の少ない檜をつかうそうです。
2月に名張の松明山で樹齢100年くらいの1本の大木が切り出され、皆で運ばれて極楽寺で薄い松明の木に仕上げられるそうです。
様子を伝える極楽寺のHPです。
→http://www.gokurakuji-nabari.jp/taimatsu.html
帰りにりっぱな「伊賀一ノ井松明調進行事」という冊子とうすく仕上げられた松明の木を1枚いただきました。
東大寺の修二会のHPのページです→http://www.todaiji.or.jp/contents/function/02-03syunie1.html
3月のならシネマテークです。3月9日から11日まで、場所は奈良もちいどのセンター街にある「きらっ都・奈良」です。映画は「さざなみ」。
妻の心はめざめ、夫は眠りつづける―――
自然豊かな田舎で2人暮らしの仲睦まじい夫婦ジェフとケイトは、週末の土曜日に結婚45周年の記念パーティーを控える。しかし月曜日、ジェフ宛にある手紙が届いたことで、彼らの土曜日までの6日間は、45年の関係を大きく揺るがしていく――。
開催日時
3月9日(金)10:00 / 14:00 / 19:00
3月10日(土)14:00 / 18:00
3月11日(日)11:00 / 15:00
HPです。→ならシネマテーク
10数年ぶりに、器まつもり、のホームページを大幅リニューアル中です。
英語のページもつくっています。
http://utsuwamatsumori.life.coocan.jp/
大宮店の閉店セールも3月25日まで。(木曜休み、10時から18時まで)あと1ヶ月をきりました。
徐々に商品も減ってきています。
お早めに5割引のお値打ち価格で良い品をお買い求めください。
この際、赤札の特価品もそこから半額にします。
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