4月8日から「快慶」特別展
奈良国立博物館では、4月8日から6月4日まで、快慶特別展がひらかれます。HPでは
「快慶(かいけい)は、わが国を代表する仏師のひとりであり、鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たした人物として運慶(うんけい)と並び称されてきました。快慶には確証ある遺品が際立って多く、鎌倉時代初頭の造像界の動向を具体的に知るうえで不可欠な存在である一方、出自や工房など、その人物像には不明な点が少なくありません。
建久3年(1192)に無位でありながら後白河院(ごしらかわいん)追善の造像に抜擢されるなど、康慶(こうけい)の弟子のなかでも特殊な立場にあったようですが、こののち運慶と肩を並べて活躍の舞台を得る画期となったのは、後白河院主導のもと重源(ちょうげん)により進められた東大寺再興造像でした。
「巧匠アン(梵字)阿弥陀仏」と称したことからもわかるように、快慶は単に仏師として重源にしたがっていたのではなく、熱心な阿弥陀信仰者として造仏に臨んでいたことも見逃せません。彼が生涯をかけて追求した実在感と格調の高さを兼ねそなえた阿弥陀如来立像の姿は、後世「安阿弥様(あんなみよう)」と称され、来迎(らいごう)形阿弥陀の一典型としてながく受け継がれてゆきます。平安時代には、仏師定朝(じょうちょう)が「仏の本様(ほんよう)」と謳(うた)われる理想的な仏の姿をつくり出しましたが、快慶はこの定朝にも匹敵する役割を果たしたといえるでしょう。
本展は、快慶の代表的な作品を一堂に集めて、わが国の仏教美術史上に残した偉大な足跡をたどる試みです。さらに、快慶作品の成立と密接に関わる絵画や、高僧たちとの交渉を伝える史料をあわせて展示することにより、いまだ多くの謎に包まれた快慶の実像に迫ります。本展を通じて、多彩な快慶作品の魅力を堪能していただくとともに、現代を生きる我々の共感をいまもなお呼び起こし、仏の規範とされつづける快慶芸術の本質について考える機会となれば幸いです。 」
奈良国立博物館のHPです→http://www.narahaku.go.jp
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