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2016年12月23日 (金)

「祭礼で読み解く歴史と社会ーー春日若宮おん祭りの900年」

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ことしの春日若宮おんまつりも無事終了しました。ことしのおん祭り以前に「祭礼で読み解く歴史と社会ーー春日若宮おん祭りの900年」という本がでていると新聞書評などでみていましたが、小西通りの啓林堂書店にあり手に入れ読みました。


ことしは881回目のおん祭りということですが、そのあたりの歴史を通して書かれた本が今までなかったそうです。

おん祭りの通史を書くことはなかなかむつかしいということでした。
このたび、安田次郎御茶ノ水大学名誉教授が第1章から第3章まで、幡鎌一弘(はたかま)天理大学おやさと研究所所長が第4章から終章まで担当されて、山川出版社から発行されています。
2000円+税。

創始は藤原忠通という通説として聞いていることは実は違って、やはり興福寺が創始だ、とか。

ひとことで881回といいますが、おん祭りもいろいろな時代にいろいろ変わった点もあります。

平安、鎌倉、室町の時代。

戦国、江戸時代。

明治から戦前まで。

戦後から現在まで。

日本全体の歴史の中での春日若宮おん祭りとしてとらえなおされています。

祭りは人とお金もいることはどの時代も共通していることであること。支える側も変化し、存続が危ぶまれることも何度もありながら、時の人々の努力で続いていることがよくわかります。
明治維新のころ、戦中の努力、戦後進駐軍がいる中でのおん祭りの継続、当時の観光協会会長の谷井友三郎さんの活躍。昭和52年頃の若い人たちによる大名行列の地元民による活性化、など民衆の楽しみであり地元の人たちによって支えられてきたことが明らかにされています。

また餅飯殿町にある大宿所の話。懸け鳥や大和士(やまとさむらい)の話。おん祭りの歌。850回目からの、のっぺい汁の復活、大宿所詣の話などもくわしく書かれています。

通説をふまえながらも、今一度読む必要があると思いました。目次は

第1章、おん祭りの成立

第2章、流鏑馬(やぶさめ)と武士

第3章、田楽と僧侶

第4章、中世から近世へ

第5章、『春日大宮若宮御祭礼図』を読む

第6章、近代の祭り

終章、現代のおん祭

186ページ+年表、資料

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