ふくろうカフェならまち INもちいどのセンター街
もちいどのセンター街に、7月にオープンした、ふくろうカフェならまち、が毎日新聞奈良版のなら歳時記に大きくとりあげられました。ときどきお店からふくろうがスタッフの腕にのって商店街に出てきていたり、なかなか好評です。
奈良といえばシカ−−。そんなイメージを覆す「ふくろうカフェならまち」(奈良市)が今年7月、近鉄奈良駅からほど近い商店街「もちいどのセンター街」にオープンした。世界中のフクロウたちと間近で触れ合えると聞き、さっそく出かけてみた。
店内に入ると、約50坪の広々とした空間に驚いた。壁際にずらりと並んだフクロウたちが、羽を震わせたり、パチパチとまばたきをする様子が間近に見られる。
エサやりや手乗り体験もできる。アカアシモリフクロウを手に乗せてもらった。体長約30センチ、体重300グラムほどの小さな体だが、私の手首をぎゅっとつかむかぎ爪は力強い。賢そうなまなざしでこちらをじっと見つめるが、ふわふわの羽毛で覆われた頭をなでると、ネコのように目を細めるのが面白い。
園長の佐藤由香さん(45)が「タカなども含めると16種19羽がいます」と説明してくれた。開店から約2カ月だが、休日は120人ほどが訪れる人気スポットで、リピーターも増えているという。店のフクロウたちは人に育てられ夜に休息を取るため、昼にもストレスなく遊ぶことができるという。
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福井県出身の佐藤さんは約10年前から、奈良で暮らしている。猛きん類が好きな夫と5年ほど前から自宅でフクロウやタカを飼い始めた。これまで県内にはフクロウカフェが1軒しかなく、「フクロウと遊ぶ魅力を広く知ってほしい」と今年、26年務めた大阪の会社を辞め、ふくろうカフェをオープンさせた。
店頭では手作りのフクロウグッズや、店内を飾る糸井忠晴さんの絵も販売されている=奈良市のふくろうカフェならまちで、日向梓撮影
店内の装飾は、奈良町とネコを題材にした作品を描く墨絵画家の糸井忠晴さんに依頼。また、佐藤さんが育てたユーラシアワシミミズクのキャラクターを作ってもらった。明るいオレンジ色に黒々とした瞳で、店のキャラクターとしてスタッフのエプロンや看板にも使用している。
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店の一番人気はフクロウやタカのフライト体験だ。特に海外からの観光客に好まれているという。「ロープをつながないので、迫力ある飛行を見てもらえる」と佐藤さん。実際にハリスホークのフライト体験をさせてもらった。
約2メートル離れた場所からスタッフが放したハリスホークは、私の腕にはめた革製の手袋めがけて飛んでくる。翼がはためく音がすぐ近くに聞こえると、風をほおに感じた。思わず「うわあ」と大きな声を上げてしまった。きりりとした精悍(せいかん)なハリスホークの横顔にドキドキした。
佐藤さんはフクロウたちの魅力について、「とにかくかっこいい。人に飼われても野性を失わず、表情豊かで見ていて飽きない」と笑顔で語る。奈良公園でシカと戯れた後は、フクロウカフェに遊びに行ってみてはいかがだろうか。【日向梓】
ふくろうカフェならまち(奈良市餅飯殿町)
奈良市餅飯殿町30。午前10時〜午後7時(毎月第1木曜定休)。料金は大人1300円、小学生以下500円(最大1時間、ドリンク付き。2歳以下無料)。問い合わせは同店(0742・23・7578)。
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