法華寺へ
梅雨の晴れ間の日に、法華寺にお参りにいきました。この秋に、海龍王寺、法華寺を案内する下見です。
本堂では、テープによる案内を15分間聞きました。またご住職がお参りをされていました。
写真家の入江泰吉さんご夫妻が奉納された、會津八一の歌碑です。
ふぢはら の おほき きさき を うつしみ に あひみる ごとく あかき くちびる
いつもの素空氏の解説です。
(藤原の大き后をうつしみに相見るごとく赤き唇)
法華寺 「藤原不比等の娘・光明皇后(聖武天皇皇后)が父の没後旧宅を喜捨して奈良に
建立した総国分尼寺」
十一面観音「皇后を象って作ったと言い伝えられる。豊麗な女性を思わせる榧の木の1本彫刻。平安時代作の国宝。通常は本物と違わぬ模造仏が公開されている」
おほききさき 「光明皇后、この寺の温室(蒸し風呂)で千人の人に施した伝説がある」
うつしみ 「現実に。皇后を目のあたりに見る思いで」
歌意
藤原時代のあの立派な皇后を実際に目のあたりに相見ますような生き生きとした美しい赤い唇の色であることよ。
美しい観音に惹かれて友人を誘い再訪した。観音像は人間の姿を模しながら、その豊麗・豊満な姿の中に微妙なバランスで仏を具象している。エロチシズム的表現とも取られるような言葉「赤き唇」で八一は仏の美しさを余すところなく歌い上げた。おおらかでリズミカルな調べのこの歌を作者も愛誦した。
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