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2015年12月12日 (土)

美ビット見て歩き 私の美術ノート*36

毎月楽しみにしている、川嶌一穂さんの「美ビット見て歩き 私の美術ノート」ですが、ちょうどタイミング良く、15日から18日の春日若宮おん祭です。
わたしも15日の大宿所祭のお渡り行列に参列します。
もちいどのセンター街にある、春日大社の大宿所での御湯立ての儀も拝見したいと思います。

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奈良新聞より。

美ビット見て歩き 私の美術ノート *36 川嶌一穂
春日若宮おん祭り(12月15日〜18日)
写真=『春日大宮若宮御祭礼図』より「大宿所御湯図(おおじゅくしょみゆのず)」部分(著者蔵)

 奈良市立の小学校に通う子どもにとって、12月17日はうれしい日だった。
学校は2時間でお仕舞い。
お小遣いをもらって、まず猿沢池に向かう。
池の周りにずらりと並んだ屋台で綿菓子などを買って、この日ばかりは歩きながら食べる。
射的をやったりしてお金を使い果たすと、時代行列を見て、すっかり満足して帰る。
子どもにとっておん祭りと言えば、屋台と行列だった。
 小学校を出ると自然と足が遠のいたが、近頃また餅飯殿通りの大宿所(おおしゅくしょ)に懸鳥(かけどり)を見に行ったり、残念なことに若いひょろひょろの影向(ようごう)の松の下に陣取って、松の下式(諸芸能の披露)を見たりするようになった。  
平安時代末期の保延(ほうえん)2年(1136)に始まったおん祭りは、一度も途切れずに、何と今年第880回を迎える。元々興福寺の主催する祭礼であったということだが、神仏分離令で興福寺が廃寺となった明治初年が、おん祭りの長い歴史の中でも最大の危機だっただろう。
春日大社の祭礼となることで、辛くも生き延びたのである。  写真は、『春日大宮若宮御祭礼図』と題する江戸時代に出た木版本(昭和の再版本)である。
所々に図版があって、それを見ているだけでも楽しい。
 懸鳥は今もそのままに行われているが、写真の『御祭礼図』に「雉子千二百余羽。兎百三十六耳。狸百四十三疋」とある。当時でさえこれだけの数を揃えるのは大変だっただろう。
 日程も、室町時代から明治初年までは、毎年11月27日に行われた。
旧暦のことだから、この日は月も必ず二十七日の月。
つまり夜明け前に東の空から昇って、太陽が出ると同時に見えなくなってしまう逆三日月である。
真夜中に始まる遷幸(せんこう)の儀が、月の光のない漆黒の闇の中で行われるという日程である。
 『御祭礼図』の「御旅所御神幸之図」に、提灯を手にしている者に「火をけせ火をけせ」と注意している場面が描かれている。
昔も不心得者がいたということだが、春日大社の公式ホームページに、「春日若宮おん祭りでの小型無人機(ドローン等)の使用を禁止」するとあった。
えらい世の中になったものだ。  
おん祭りに合わせて、奈良国立博物館では「おん祭りと春日信仰の美術」展が開かれている(会期は28年1月17日まで)。おん祭り当日の12月17日は無料公開されるので、ぜひ足をお運び下さい。  
=1月は休載。次回は2月12日付(第2金曜日掲載)= ・ ・・・・・・・・・・・・・・・
かわしま・かずほ 大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ 春日若宮おん祭り保存会 奈良市春日野町160春日大社内。電話0742(22)7788。
インターネット上の「愛媛大学鈴鹿文庫」のサイトで『春日大宮若宮御祭礼図』が読める。http://www.lib.ehime-u.ac.jp/SUZUKA/251/index.html

春日大社の公式HPは→http://www.kasugataisha.or.jp/

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