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2015年10月 5日 (月)

「飛鳥・奈良時代の朝廷と酒文化」

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先日、奈良市の日本酒の「豊祝」の恒例の豊祝会があり、久しぶりに出席しました。

第1部は、橿原考古学研究所の菅谷文則所長の「飛鳥・奈良時代の朝廷と酒文化」と題する講演でした。

石上神宮の高さ97.8センチの須恵器の大甕のお話。置いてある。

そして日本書記の天武期の一節、「置酒宴群臣」、これは飛鳥浄御原宮で天武天皇が従五位以上の役人1015名を集めて行われた酒宴である。やはり酒を「置く」とある。白酒○酒□とある。おそらく濁り酒であったのではないか。

『懐風藻』には、天皇の宴では1、酒、2、作詩または歌が命ぜられた(応詔)とある。おそらく、漢詩あるいは和歌を酒の席で命ぜられ詠んだのではないか。即席というのもあったかもしれないがなかなかむつかしいので、事前に準備したり、おそらく下の者に作らせられたのではないか。そして大きな酒の甕を置いて皆で酌み交わしたのではあるまいか。

現在も結婚式などで鏡割りをするが、やはり酒樽を「置いて」行う。酒は昔から「置いて」皆で飲むものであったのではないか。

世界のあちこちで酒を飲んだり、酒席に出席した。世界のあちこちに酒はある。欧州からアフリカあたりは、ぶどうのワインであり、モヤシによる酒である。シルクロードのあたりは、乳酒。中国から日本のアジアあたりは、「かび」による酒である。もっと南はヤシによる酒。中米辺りはリョウゼツランの樹液による酒。南米では口噛み酒である。おおむね、温帯を横移動したのが酒の文化である。

そして酒に大きな影響があるのは宗教である。宗教によって酒に対する考え方はいろいろであり、宗教ごとの酒に対する○×をあらわすと以下のとおり(画像をクリックすると拡大します)。

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また隋の墓(592)に男性たちがブドウを足で踏んだブドウダンスの絵が残されている。今広島のある町では女性がブドウを踏んでブドウ酒を作るというパフォーマンスが好評だ。そのようにしてワインは作られた。

とすると聖徳太子の時代、日本でもワインがつくられたかもしれない。現に桜井市の上之宮遺跡のあとを発掘した時、大量のブドウの種がでてきた。分析してもらったところ、栽培種であることがわかった。大阪の富田林のブドウも栽培種であることがわかった。ということで、奈良時代にワインがあったのだろうか、天皇はワインを飲まれたのだろうか、といったロマンに満ちた研究もしてみたい、と80分ほどの酒は文化であるという、お話を結ばれました。

第2部は、懇親会が2階の大ホール満員の盛況の中、にぎやかに繰り広げられました。久しぶりに出会う人たちや初めてお会いする人たちと酒を片手にあちこちで懇親を深める良い機会でした。

おりしも10月1日は日本酒の日でした。奈良の日本酒と「豊祝」の発展を祈念する次第です。

豊祝のhpです→http://nara-toyosawa.jp/

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