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2015年10月12日 (月)

美ビット見て歩き 私の美術ノート *34 

毎月楽しみにしている、川嶌一穂さんの美ビット見て歩き 私の美術ノート *34は、奈良県葛城市 當麻寺です。

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美ビット見て歩き 私の美術ノート *34 川嶌一穂

奈良県葛城市 當麻寺

 先月、奈良国立博物館で開かれた「白鳳」展で、當麻寺の持国天のエキゾチックなお顔を拝見していて、久しぶりに當麻寺に行きたくなった。
 近鉄当麻寺駅で降りて、山に向って歩く。二上山(にじょうざん)が右手奥に見え隠れする道の両側に、大きな造りの民家が続く。玄関に独特の注連飾りがあるのは、天神講に入っている家だという。田んぼの稲は穂を垂れ、柿の実が色付きはじめている。秋だ。
 ゆっくり歩いて、東大門に到着。すぐ左手に鐘楼がある。青銅色の、小さな細身の梵鐘だ。保護のための囲いで見えにくいが、7世紀後半、まさに白鳳時代の作で、日本最古の鐘の一つである。
 金堂と講堂の間を抜けて、正面の本堂(曼荼羅堂)で三堂共通の拝観券を購入する。まず本尊・當麻曼荼羅を拝見するが、今回、お厨子と須弥壇の豪華さが印象に残った。
 厨子と言っても、曼荼羅を収めるので奥行きはないが、六角形をした宮殿形の造りである。屋根の隅木の先端が蕨手になっていたり、黒漆の柱に描いた朱の虎斑模様が須弥壇の欄干の模様と響き合っていたりなどと、見飽きることがない。鎌倉時代に大改修されているとはいえ、立派な天平時代の遺品である。
 次に金堂に向う。堂内中央に南面して鎮座する白鳳仏・弥勒仏座像が本日のお目当てである。表情にどこか幼さを残しつつも、若いエネルギーが内側から溢れ出すような堂々たる体躯だ。現存する最古の塑像である。
 本尊を守護する四天王立像のうち、増長天と、奈良博でお会いしたばかりの持国天は修復中で、残念ながらお留守だった。多聞天以外の三像は、これも白鳳仏で、日本最古の乾漆像。
 金堂を出て南側に回ると、また日本最古の石灯籠がある。灯籠の前に立つと、背後の山裾に東西二基の三重塔、前方の金堂のさらに北側に講堂があって、当初の伽藍配置を偲ばせる。
 古代の三重塔が東西揃って現存するのは、ここ當麻寺だけだという。平重衡の南都焼討ちの際には、興福寺との関係が深かった當麻寺も焼かれたが、塔は被害を免れた。木に囲まれていて遠望できないのがもどかしいが、力強く、美しい姿だ。
 帰りに塔頭の一つ、西南院(さいないん)に寄って、庭園から、両塔を一枚の写真に収めた。 
 「最古」「随一」という形容詞で一杯の當麻寺だったが、毎年5月に行われる練供養をまだ拝見したことがない。来年は土曜日にあたるようなので、ぜひ訪れたい。
 東門を出た所で蕎麦を食べ、駅前ではお約束の中将餅を頂き、お腹もすっかり満足して帰途についた。

 =次回は11月13日付(第2金曜日掲載)=
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かわしま・かずほ
大阪芸術大学短期大学部教授。
メモ 當麻寺 奈良県葛城市當麻1263。電話0745(48)2001。近鉄南大阪線当麻寺駅から徒歩15分。

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當麻寺のhpです→http://www.taimadera.org/

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