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2015年9月18日 (金)

デービッド・アトキンソンさんの話

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先日、デービッド・アトキンソンさんの話を聞いてきました。

デービッド・アトキンソンさんは羽織袴姿で、ほとんど横文字を使わないでなめらかな正確な日本語でお話しになりました。

後半の荒井奈良県知事とのトークの中で、

 

知事:奈良の売りは何か?

 

アトキンソンさん:本質が大切、楽して儲けたいというのはいけない。奈良の良さはわかりやすい。

 

知事:リピーターが大切。たとえば東京の下町の沢の屋さん。http://www.sawanoya.com/nihonngho.html
奈良にもかつて日吉館があった。サービスが大切。

 

アトキンソンさん:伏見稲荷を一から見直して神職さんと魅力づくりをした。リピーターがほんとに大切だ。

 

知事:スイスも100年前までイタリアに比べて歴史遺産もなかったが、山、雪、スキーを磨き上げて有数の観光地になった。

 

アトキンソンさん:北海道のニセコもたいへん人気がある。奈良も十分そうなる可能性がある。人は楽しいから行くのであって、楽しくないところには行かない。日本は禁止事項が多すぎる。むしろ増えている。イギリス貴族はひそかにやぶる。

 

知事:同じことを言っても、アトキンソンさんがいうと皆さん聞いてくれますね。(笑い)

 

 

以下は、奈良市観光協会のデジタルかわら版に、W専務理事がうまくまとめていただいていますので紹介させていただきます。

2)デービッド・アトキンソン氏
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 9月13日、デービッド・アトキンソンさんの講演を聞いてきました。
奈良県大芸術祭の文化セミナーのひとつとして計画されたもので、アトキンソン氏の著書である「新・観光立国論」も読ませていただき楽しみに行ってきました。以下に彼のお話の中で気になったところ、共感したところなどをご紹介します。

 

 

 

1.日本がこれからの国の発展を成し遂げてゆくには「観光」を産業として育成するしか方策はない。
 日本のGDPを維持するには、人口を増やすか、観光の誘致により一時的な海外からの顧客を呼び寄せるしか方法はない。GDPは労働力の大きさ(人口)に依存しており、日本が人口を増やす施策は、出生数を増やすことか移民による労働力を受け入れることしかない。出生数の増は40年前に手を打つべきことで、すでに手遅れ。また、移民の受け入れ
は治安の問題など複雑な問題がありお勧めできない。残るは「観光による外客の誘致」のみ。

 

 

 

2.観光大国になりえる国の条件とは
◆気候……日本は亜熱帯の沖縄から冷涼な気候の北海道まで多様性に満ちている。
◆自然……日本の1平方キロメートルあたりの自然の多様性は世界一。イノシシとクマとサルを同時に見ることができる国は日本くらいのもの。
◆歴史文化……まったく問題ない
◆食……和食が世界遺産に認定される。日本には世界中の食を楽しめるインフラがあるので問題なし。
 4条件を満たす国は世界中を見渡しても10か国程度。日本は非常に高い潜在能力を持っている(が活かしきれていない)。

 

 

 

3.日本の誘致活動の陥っている誤りについて
 多くの日本の地域や団体は「日本の良さを知ってほしい」「○○の良さを知ってほしい」という誘致活動を行っている。顧客は日本を楽しむためにやってくる。楽しみたいポイントは顧客によって違うため、情報発信側の都合で「知ってほしいもの、体験してほしいもの」を限定してしまうことは相手の立場で考えていないことにならないだろうか。つまり押し付けになっていると考える。

 

 

 

4.また、「おもてなし」「治安の良さ」があたかも海外の顧客にとって大きな誘因になるような錯覚があるが、おもてなしや治安では顧客は呼べない。日本の皆さんだって旅行先を決める優先事項が治安やおもてなしではないと思う。

 

 

 

5.ホームページ等の多言語化がいろいろな場面で進められているが、14か国のHPを造るのであれば、英語だけでいいので14倍の情報を載せるということも考えても良い。
 例えば、京都の二条城は明治維新に関わる重要な施設であるにもかかわらず、その重要性が全く解説されていない。施設の管理は文化財の保護という視点が強すぎて、観光の視点での取り組みができていない。海外からやってきた顧客には、二条城が歴史上どんな意味があるのか理解できないまま、二条城を後にすることになる。結果として、「古い空っぽの日本建築を見てきた」という口コミにもつながりかねない。

 

 

 

6.今までの日本の観光は「顧客を捌く」という視点で取り組まれていた。
日本人の多くは盆暮れ・ゴールデンウィークなど旅行の時期が集中しており、こういったやり方が中心だと思う。これからの考え方としては「顧客にお金を落とさせる」という視点で考えるべき。
日本でひとりあたり23万円を消費する中国の顧客は、アメリカでは66万円消費している。
アメリカは観光を産業としてとらえ、顧客にお金を落とさせる仕組みがしっかり出来上がっている。
 一例を挙げれば「奈良に一週間顧客を滞在させるためには何をすべきか?」といったことを考えるべきだろう。
 また、宿泊の場面では、顧客の一日は24時間。睡眠に8時間、食事に3時間、昼間の行動に8時間、残り5時間のアイドルタイムを日本の事業者は見落としている。ビジネスチャンスを逃していると考えている。

 

 

 

 アトキンソンさんの話を聞いて、著書に書かれたお考えを直接の言葉を聞くことでより深く理解できたように思います。日本全体のことが中心で、戦略論の講演ではありましたが、戦略の共有から戦術への落とし込みを行ってゆくことは十分できることだと感じています。新しい刺激をいただき、貴重なお話をお伺いすることができました。実務に生かすことが私の役割だと思っています。(鷲見)

 

 

 

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コメント

私のつたない文書をご紹介いただき有難うございました。納得できることばかりでしたので、キーボードも滑らかに打つことができました。
アトキンソンさんの頭に入っている数字、すごいと思いました。これが一番正直な感想かもしれません。

鷲見専務理事様。コメントありがとうございます。そして引用させていただきありがとうございました。またよろしくお願いします。

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