奈良まほろばソムリエの会 講演会と忘年会
私も所属しているNPO法人の奈良まほろばソムリエの会の講演会と忘年会がありました。講演会は一般の方も含め100名以上集まり会場が満員でした。そして、ことしは紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産登録10年という年で、このテーマに沿ったお話を興味深く聞きました。
司会・進行は小野さん、そして小北理事長のご挨拶がありました。
最初に大峯奥駆道を歩く(その1)鈴木英一さんから約40分のお話。奥駆の歴史などをくわしく語られました。そして9月天川村から大峯山寺へ登り宿坊で1泊。2日目は山上ケ岳の夜明けから弥山へ、2日間で42000歩という厳しい行程が語られました。鈴木さんは75才とのこと。ふつう奥駆修行は65才が定年だそうです。いかにたいへんであるかよくわかりました。
そして二人目は大峯奥駆道を歩く(その2)、弥山から前鬼裏行場を、亀田幸英さん。
9月11日天川村洞川~大峯山寺・山上ケ岳(龍泉寺宿坊泊)、9月12日山上ケ岳~弥山(弥山小屋泊)、あとはひとりで9月13日弥山~前鬼(小仲坊泊)約13キロ、9月14日前鬼裏行場~前鬼口約16キロという行程だったそうです。スライドを見ながらお話を聞きましたがなかなか厳しい山道でありよく行かれたものだと思います。そして深田久弥の日本の100名山を挑戦中とのことで健脚なことです。
そして本日のメインゲストは松田 度(わたる)さん。同志社大学大学院では森 浩一先生の門下生で、現在は吉野郡大淀町教育委員会/主任技師の40才の気鋭の学者です。
スライドを使って90分ほど熱心にお話いただきました。
「紀伊山地の霊場と参詣道~大峯奥駆を中心に~(その歴史と現状)」というタイトルでした。
歴史として、三つの野ということで、高野・熊野・吉野。霊場の誕生のくわしい説明を聞きました。そして奥駆道をいろいろとくわしくお話いただきました。
現状ということで、課題(神仏分離・女人禁制・生態系)の話がありました。
おだやかな語り口で、とてもわかりやすくお話いただきました。 そして以下がこの日松田先生が言いたかったことではないかと思いますので資料をコピーします。(クリックすると拡大します)
「吉野を含めた奈良県各地域の「実像を見直す」という作業が今必要であること。
そのためにまず必要なのは、何ものにも御されない、常に冴えたクリアーな視野をもつこと、
そして、これまでの多くの著書や学者が唱導したその地域のイメージをいったん空白にして、今残る地域の「場(フィールド)を訪ねることです。
この「場」とは、私たちがいつでもその「根源」に帰還できる、という意味でもっとも重要なテキスト(教科書)といえます。
あとは、その普遍的価値が失われないよう、その「場」の多様な保存方法のあり方をわたしたち自身で考え、議論し、実践し、生活文化のなかへともどしていく作業が肝要です。みなさんもぜひ、その知識と経験を、地域で活かしてください。」
と結ばれました。
その後、忘年会は会員のうち70名ほどが和気藹々と立食パーティーで講師の松田先生ともご一緒に楽しみました。
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