「奈良坊目拙解」 喜多野徳俊訳註版
山田熊夫さんの著作である「奈良町風土記」にはあちらこちらで、村井古道の「奈良坊目拙解」が引用されています。
江戸時代の村井古道の「奈良坊目拙解」を昭和52年に奈良の郷土史家といわれる喜多野徳俊さんが訳・註をされた本が出ていることを今頃知りました。
村井古道は医師であり郷土史家であり「天和元年(1681)奈良市東城戸町生る。寛延2年(1749)没す。法名古岸道静居士。奈良市林小路町霊厳院に葬る。」という人です。
訳された喜多野徳俊さんも長らく奈良市中筋町15で医師をされる傍ら、郷土史家と研究を続けられた方です。
この本はすでに絶版で古書店でもなかなか手に入らないところ、幸いにもご子息の喜多野西大寺診療所の喜多野三夫さんはわたしの中学以来の友人であり、本のことを尋ねましたら、「すでにあちこちに贈呈して最後の1冊が本棚にあるので貸してあげる」という温かいお返事で早速借りて来た次第です。
御高札場があるということで、最初に、わたしの店がある「奈良市橋本町」そして「餅飯殿町」と南に順に並べられています。
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江戸時代に、古老はこのように語っているとか、お寺や神社などはその位置にあるのでなかなか興味あるもので価値のあるものだと思います。
巻十五まで、合計210ほどの奈良の町が解説されています。
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喜多野氏の訳本は自宅にありますが、興味のある部分しか読めていません。ゆっくり全頁を読んでみたいです。近世の奈良町を知る上で貴重な資料ですよね。
投稿: jp3pzd | 2014年12月 2日 (火) 22時32分
jp3pzdさん。コメントありがとうございます。本をお持ちとはすごいですね。江戸時代に先人は立派なものを残し、喜多野徳俊さんは漢文を翻訳されて残してくださいました。先人の努力に感謝したいと思います。
投稿: 鹿鳴人 | 2014年12月 9日 (火) 20時27分