音楽雑誌「ERIS(えりす)」
7,8年前のことになりますが、日本経済新聞の奈良支局長をされていていろいろとお世話になった現在編集委員の吉田俊宏 さんの署名入り10月11日付文化欄の記事がありました。
そこで「ERIS」を知りましたので紹介します。わたしも早速申し込みました。びっくりしましたが舞楽の南都楽所の楽頭をされている、奈良大学名誉教授の笠置侃一先生のインタビュー記事も掲載されていました。
以下は吉田俊宏さんが伝える日経新聞の記事です。
1万字で音楽を熱く語る 編集委員 吉田俊宏
「ERIS(エリス)」という音楽雑誌が面白い。エリスメディア合同会社(東京・渋谷)が2012年10月から年4回発行する電子書籍だ。9月発行の第8号から新編集長になった萩原健太さんをはじめ、執筆陣にはピーター・バラカンさんや亀渕昭信さん、北中正和さんといった人気音楽評論家がずらり。登録すれば無料で購読できる。
1万字以上の大ぶりの読み物が幾つも並んでいる。特徴はこのボリュームにある。同誌プロデューサーの土田真康さんは「2000~3000字にした方が読みやすいのだろうが、ファンが読みたいのは、筆者が割愛した残りの部分ではないか」と指摘する。
例えば、亀渕さんの連載「どうしても聴いておきたいアメリカン・ポップス1001」は、進駐軍ラジオに熱中した世代ならではの皮膚感覚が魅力だ。エルビス・プレスリーのデビューLPが出たころ「トゥッティ・フルッティ」などが毎夜のようにかかった。まだ「カバー」という言葉がなく、「プレスリーはリトル・リチャードがヒットさせた曲を歌っている」と紹介されたという。余談でも、こうした細部にグッとくるのだ。
東京大学教授の安冨歩さんによる「マイケル・ジャクソンの思想」も興味深い連載だ。最新号ではマイケルの3本の映画に光を当て、「彼の芸術のすごさは、そのメッセージの真実性と隠蔽性とにある」と看破する。字面だけ見れば難解だが、映画の内容を具体的に詳述してくれるからすとんと腑(ふ)に落ちる。
音楽誌に付き物のライブや新譜の情報は一切載せていない。「音楽を熱く語ること。マニアックに論ずること。その楽しさをインターネット時代ならではのやり方で再構築したい」と萩原さん。最近は音楽が情報として消費されている印象があるが、そんな現状への果敢な挑戦といえるだろう。購読会員は約1万5000人、平均45歳だそうだ。
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