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2014年10月11日 (土)

10月美ビット見て歩き

いつも楽しみにしている、大阪芸術大学短期大学部教授の川嶌 一穂さんの美ビット見て歩きが奈良新聞に掲載されましたので紹介します。

京都国立博物館「平成知新館オープン記念 京(みやこ)へのいざない」展です。

わたしも先日京都国立博物館の平成知新館を拝見に行きました。建物も素晴らしく、あまりの名品の数々に圧倒されました。次回『国宝鳥獣戯画と高山寺』展に出かける時、再度ゆっくり拝見したいと思います。

 

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 美ビット見て歩き 私の美術ノート*23 川嶌 一穂

 

京都国立博物館「平成知新館オープン記念 京(みやこ)へのいざない」展 

 

写真 右に旧館を臨む平成知新館へのアプローチ=著者撮影 

 

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 今から125年前の明治22年、帝国憲法が公布された年に、東京にしかなかった博物館を、京都と奈良にも設立することが決定された。

 

 

 

 その翌年、博物館美術部長の岡倉天心と、奇兵隊出身で、宮内省建築技師の片山東熊(とうくま)が、建設用地検分のために京都と奈良を訪れている。同じ設計者の手になる兄弟館だが、奈良が明治28年、京都が遅れて30年に開館した。

 

 

 

 明治維新による変革で、美術品が市場に出て、寺院から仏像、仏画が流出していた。博物館の設立でかなりの名品が救われたが、寺院で拝んでいた仏像や、調度品だった屏風や襖絵を、美術品として、ガラスケースの中で鑑賞する時代になったのだ。

 

 

 

 両館とも、その後手狭になって新館が建設されたが、京都では、その新館が建て替えられて、「平成知新館」として先月オープンした。展示品を湿気から守るために、建物の完成から1年間を乾燥にあてたという。内部に吹き抜けが設けられ、空間の広がりを感じることができる。 

 

 

 

 今回のオープン記念展は、優品揃いなので、的を絞らないと、かえって印象が薄れてしまいそうだ。私のお目当ては、茶人にして電力王だった松永耳庵(じあん)旧蔵の『釈迦金棺出現図』、神護寺蔵『釈迦如来像(赤釈迦)』(ともに平安時代)と、知恩院蔵の『阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)』(鎌倉時代)。いずれも仏画だが、色彩豊かで、日本らしい優美さに満ちている。 

 

 

 

 書にも優品が多い。『古今和歌集(本阿弥切)』を見終わって一歩下がると、紙面の地模様が浮かび上がって、たおやかな草花が現れた。電気のない平安貴族の暮らしに一瞬紛れ込んだ心地がした。鶴岡藩主・酒井家の旧蔵。

 

 

 

 吉野金峯神社の『金銅藤原道長経筒』、金峯山寺の『金銅経箱(猫足台付)』、『金銅経箱(鷺足台付)』と『金銀鍍双鳥宝相華文経箱』(いずれも平安時代)は、土中に埋めるのに、何故こんなにも贅美を尽くしたのだろう。いかにお経が大切にされたかということだろう。

 

 

 

 同時に、片山東熊設計の旧館で、京都栂尾(とがのお)高山寺に伝わる『鳥獣戯画』が、全巻展示されている。いつ見ても、身につまされる達者な筆使いだ。小鳥が群れ飛び、リスの遊ぶ、明るい赤松林の樹上で座禅する「明恵上人(みょうえしょうにん)像」(鎌倉時代)もお見逃しなく。東大寺とも縁の深い、高山寺中興の高僧。

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

かわしま・かずほ 大阪芸術大学短期大学部教授。

 

 

 

メモ 京都国立博物館 京都市東山区茶屋町527、075(525)2473 http://www.kyohaku.go.jp/

 

 

 

▼会期は、11月16日まで。本文中に挙げた優品は、経筒、経箱以外すべて、10月13日までの展示なのでご注意を。旧館での『国宝鳥獣戯画と高山寺』展は、11月24日まで。

 

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この写真はわたしが訪ねた時のものです。

 

 

 

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