子鹿生まれるころ
(画像は奈良新聞WEBから拝借)
5月11日奈良公園の子鹿が今年はじめて生まれたとニュースで報道されています。6月1日からは公開されるそうです。
その日たまたま会津八一の鹿の子の歌が新聞でも紹介されていました。生まれたばかりではなく冬を迎える子鹿のようですが、細やかに鹿のことをとらえた歌です。
いつもの素空氏に尋ねようかと思ったら、すでにhpにアップされています。以下素空氏のhpより紹介します。
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西国の旅より奈良にもどりて
しか の こ は みみ の わたげ も ふくよかに ねむる よ ながき ころ は き に けり
(鹿の子は耳の綿毛もふくよかに眠る夜長き頃は来にけり)
西国の旅 「大正10年11月16日~11年2月18日までの九州地方の旅行、放浪唫草の旅」
奈良にもどりて 「西国の旅の途中(1月1~13日)、一度大阪、奈良に戻っている」
ふくよかに 「“軟かに。ふさふさとしたる綿毛を、その耳の内側に持てる鹿の子のさまなり。”自註鹿鳴集」
歌意
鹿の子の耳の中の綿毛がふさふさと伸び軟らかい、そんな鹿たちの静かに眠る夜長の頃となったものだ。
九州長旅の途中、大阪の親友伊達俊光宅で新年を迎え、その後奈良に向かい、写真家小川晴暘と春日山の石仏群を撮影している。山中高歌以後、西国の旅を経て奈良美術に軸足を移した八一には奈良の地はまさに安らぎの場であった。その気持ちがゆったりと眠る小鹿の姿に表れている。
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