ハレとケの話~山伏の修行と現代社会
先日、吉野山の金峯山寺執行長(きんぷせんじ、しぎょうちょう)の田中利典(たなか・りてん)師のお話を伺う機会がありました。
右上のレジュメにしたがって以下のようなお話でした。
ケというのは日常のこと。毎日、日常にいるとだんだん気が汚れてくる。時にはハレという非日常、そして聖なるモノに触れることが必要。ハレは晴れ着などにつながります。
黒不浄はたとえば家族の誰かが亡くなり5人家族が4人になったときの不安定状況。赤不浄(これは初耳でしたが)、例えば赤ん坊が生まれて5人家族が6人になるときの不安定状況とお話されていました。
近頃は毎日がハレのような日々で、聖なるモノに触れることがなくなりつつあります。
「元気」というのは、ケガレた気が元に戻ることです。
われわれは、山は神と仏がおられる処と思っています。
山修行こそが、現代のハレと思います。しかも現代人が1000年以上前からの行法をおこなっています。あくまで現代人が行っている点が大事です。
大自然が道場であり、非日常の世界です。
非日常の修行空間で、バランスを取り戻すことが必要です。
そして吉野の奥駆け修行の6分あまりのビデオで、朝4時ころ出発、午後4時まで聖なるモノにつつまれながらの修行の様子を拝見しました。
また、6月9日まで、吉野山の金峯山寺の蔵王堂の特別ご開帳が行われていることの紹介がありました。
金峯山寺のhpです。→http://www.kinpusen.or.jp/
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