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2013年2月27日 (水)

浜 矩子さんの講演から

Nanto


(写真は植野頭取のご説明の様子、株式会社まちづくり奈良、島田部長提供。わたしは1階最前列で聞きました)

南都銀行の経営説明と経済講演の会が、なら100年会館大ホールでありました。そして、経済講演は、エコノミストであり、同志社大学大学院の教授の浜 矩子さんの70分間にわたる講演でした。

 

レジメはありませんでしたが、浜 矩子さんの講演を参考までにメモしました。(文責、鹿鳴人)

 

タイトルは「これからどうなるグローバル経済と日本」。

 

安倍政権のアベノミクスという名前の付け方自体おかしい。

 

安倍政権の経済運営について。

 

1、浦島太郎、公共事業の復活ーーいまや日本は成熟した経済下であり、戦後の焼け跡経済ではない。

 

2、円安、神風型、輸出立国主義への復帰ーーいまはグローバル市場下である。輸入比率が高い。人件費を押さえ込みやすい。

 

3、相棒うつぶせ型金融緩和論ーー一方が他をうつぶせる関係ではなく、そもそも政府と日銀は、従属型ではなく、絶妙の関係であるべし。

 

4、行きすぎた市場との対話ーーその結果、手足をしばり、市場に振り回されている。

 

5、懸念されるデフレ下のバブル経済ーー本来なら、デフレとバブルは両立し得ない。資産インフレと賃金デフレがつづき、同時進行も懸念される。

 

という悪口を最初言っておこう(25分間、予定通りの時間。)

 

さて、わたしは以前から円は50円に向かうといっていたが、大きくはその基調にあって変える必要はない。

 

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ドル高のあと円高に。そもそも成熟した国が自国通貨を安くできるのだろうか?

 

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グローバル経済で、心配しておくべきこと2つ。

1、ひとつの恐慌、2、ひとつの戦争である。

 

1、ひとつの恐慌は中央銀行恐慌である。ユーロの中央銀行は17カ国、欧州中央銀行である。2012年10月。ギリシャ、スペイン、イタリアの危ない国債は中央銀行が買い取ると宣言した。→安心感を与えたが、実はおそろしいことである。

 

同じように、国債を無制限に買い取るとして日本銀行はその方向にすすんでいる。これは恐ろしいことである。

 

2、ひとつの戦争とは、通貨通商戦争である。各国の財政破綻を買い取るため、中央銀行はからだを張っている。ひとことでいえば「ヒト、モノ、カネは国境を越えるが、国は国境を越えられない」。

現在の円安政策は、G7やG20のひんしゅくをかっている。ドル、ユーロ、元。

自国通貨を低くする競争は1930年代は悲惨であった。失業、デフレの押し付け合いから、ほんとうの戦争になった。

ブロック経済であった。イギリスはポンドの。植民地を中心として。

フランスは、金本位制、金ブロックであった。

ドイツはナチス。

アジアは大東亜共栄圏というように。

現在の通商戦争は、TTPをめぐる抗争であるが、どうも最初から見当違いの論争をされている。

「例外なき貿易自由化」といわれているが、そうではなく、「不自由化」である。

「環太平洋の自由貿易協定」といわれているが、看板に偽りありで、「地域限定排他的協定」がほんとうの姿である。

すなわち、フェンスの内、フェンスの外、の問題であるから。内から外へ、外から内へには大きなフェンスができる。

これらは経済学で言えば、貿易転換効果といわれる。

いきつくところは、政策担当者の耳元で悪魔の言葉がささやかれる、ことが懸念される。

その言葉は、鎖国である。

そして鎖国の前に、自国の領土を広くしておく、資源を確保しておく、などがはかられることが多い。それらが懸念される。

このまま話を続けると、おぞましい暗闇に入っていくばかりである。

そこで永遠の暗闇からいかに避けるか、18世紀のアダムススミスの国富論を超えて、お話しておく。

ひとつは、「僕富論」・・・自分のため。

ひとつは、「君富論」・・・あなたのため。

「君富論」に変わらなければ暗闇を超えられない。

わかりやすくいえば。

僕富論は、国産品愛用運動につながりやすい。

むしろアメリカはBUY日本、BUY中国、など、日本はBUYアメリカ、BUYアジアなどというように、他国のものを買うようにしなければいけない。

たとえば、トヨタの人は日産の車を買い通勤するとか、日産の人はトヨタの車を買い通勤するとか。(笑い)

大学で言えば、同志社、立命館はいまライバル関係だが、相手のために学生を集めるとか。(笑い)

まさか、まさかのオーラ。

2つの反論。

1、「情けは人の為ならず」(なさけを人にかけておけば、めぐりめぐって自分によい報いが来る)。

わかりやすく宴会で言えば、自分のグラスが空のとき、相手のグラスのビールをいれ、そして自分のグラスにビールをいれてもらうとか。(笑い)

2、歴史の教訓。「まさか」は必ず起こる。

まさか人類は、空を飛べない、まさか月まで行けない、と思っていたことがすべて実現している。

ヒットラーは最初は小さな政党であったが、いつの間にか・・・まさか。

まさかベルリンの壁は20世紀には破られないであろうと思われていたが破られた。アラブの春しかり。

言えるのは、結論として、「君富論だけである」、といっておこう、と締めくくられた。

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コメント

これからの、日本は どのようになるのですか?本当に 経済わ 不景気から 抜け出ることができるのでしょうか。

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