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2013年1月20日 (日)

写真家、井上博道氏のお別れ会

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大和路を撮り続けた、写真家の井上博道氏が昨年12月12日、81才で亡くなられました。関西本線の木津川市のトンネルあたりで10月に倒れられました。井上博道さんのお別れ会が奈良県新公会堂で行われましたので参列してきました。

およそ600人もの参列があったと翌日の新聞は伝えています。祭壇は、花や木々で四季を表現した見たこともないりっぱなものでした。

最初、以前に撮られた奈良テレビの「熱中時代」という27分間の井上博道氏のテレビのインタビュー番組が放映されました。奈良公園での撮影風景では、何回撮っても毎回変わるのだ、というお話でした。

その後、井上さんと龍谷大学の時の同級生であり現在京都の有名寺院のお坊さんから、大学時代の出会い、写真クラブの立ち上げなど、井上氏と話したいというお別れの言葉が述べられました。

そして、関西の写真家の会の会長さん。かつて親交が深く「文は司馬遼太郎さん、写真は井上さん」という本(『美の脇役』光文社の知恵の文庫)もあるそうですが、産経新聞のつながりもある司馬遼太郎記念館館長さん。華道小原流家元さんなどから弔辞が述べられ、井上氏の穏やかな人柄と写真家として素晴らしい方であったことが浮き彫りになりました。

喪主の奥様の井上千鶴さんからの「井上博道のキャラクターは忘れられても井上の写真は残ってほしい・・・」とのご挨拶の後、井上博道さんに参列者からひとりひとり水仙の花の献花が行われました。

わたしは、井上さんの奥様と同じく奈良市異業種交流塾で長らくご一緒でありましたし、その関係で井上博道氏とも親しくお付き合いさせていただきました。井上さんの写真を映し出しながら上野誠先生の万葉集の解説のCDを皆で作ったり講演会も開きました。また皆と一緒に何度か井上先生のお話を聞く機会もありましたし、ご一緒にお食事する機会もありました。万葉集にも造詣が深く、万葉集を解説しながらその万葉の歌に合う風景、景色を写真で撮られ本にもされています。あらためて書棚から取り出し、ながめた次第です。

奈良を愛し、奈良を撮り続けられた井上さんの写真は、末永く皆さんに残ることでしょう。そして「同じ風景をまたこれからの時代の写真家の皆さんに撮り続けてほしい」と、テレビのインタビュー番組で井上博道氏は語っておられました。

心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

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左は奈良万葉シリーズ6冊。井上企画・幡さんの麻の生地の写真を表紙に使われています(光村推古書院発行。1冊本体1200円)右は春日山と奈良公園の飛火野の朝の鹿の群れ。万葉集の歌は、

春日野の 浅茅が上に 思ふどち 遊ぶ今日の日 忘らえめやも(巻10-1880)

作者不詳。大意は春日野の浅茅(あさじ)の上で親しい仲間と遊ぶ今日の楽しさを、どうして忘れることができようか。

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コメント

お別れ会の様子が大変よくわかって、拝読しながら、あの日の様子を思い出してしみじみしています。
それから、ブログをリンクさせていただきました。事後承諾ですが宜しくお願いいたします。

tani*kisakoさん。お久しぶりです。コメントありがとうございます。
貴ブログも拝見。井上先生の足取りを歩かれてしのばれたのですね。
http://naraclub-naraclubpart2.blogspot.jp/2013/01/blog-post_19.html
よくわかりました。
またよろしくお願いします。

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