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2013年1月28日 (月)

「奈良ビブレ」2013年1月27日 読売新聞から

[ならルポ]跡地利用難航「奈良ビブレ」

◆高さ制限 ホテル誘致に壁

 

 20日に閉店した近鉄奈良駅近くの大型商業施設「奈良ビブレ」(奈良市小西町、約4800平方メートル)の跡地利用が、進まない。土地と建物を購入した奈良市の不動産賃貸会社は、ホテル誘致を検討しているが、市が古都の景観を守るために定めた市街地の建物の高さ制限がネックとなり、名乗りを上げる事業者はいないままだ。県内宿泊施設の客室数は47都道府県で最も少なく、宿泊客低迷の一因ともされる。地元からは「規制の緩和を考えるべきだ」と求める声も出ている。(後藤静華)

 

 「ほんまになくなったんやなあ。やっぱり、さみしいわぁ」。東大寺や興福寺、奈良公園にも近い一等地にある建物は、フェンスに囲まれ、通りがかった買い物客らがあらためて閉店を惜しんでいる。

 

 市西部に住む高校の女子生徒(18)は「市内で遊ぶ場所と言えば、ビブレだった。若者の姿が減るのでは」と話した。

 

 周辺の商店でつくる小西通商店街振興組合の井岡正浩理事長(67)は「商店街の顔だった施設が消えた影響は今後、じわじわと出てくるだろう」と不安を隠さない。

 

 近鉄奈良駅周辺は、市が1980年、都市計画法に基づいて指定した高度地区内。東大寺大仏殿や興福寺五重塔、若草山などを見渡せるように同駅周辺は20メートル、近鉄大和西大寺駅周辺は15~31メートル、JR奈良駅周辺は40メートルなど、建物の高さの上限を10~40メートルに制限している。変更には、奈良国際文化観光都市建設審議会の議決が必要だ。

 市都市計画課の喜多六宏課長(56)は「景観は奈良市の重要な観光資源。規制を緩和すれば高い建物が乱立する可能性もあり、ダメージは計り知れない」と言う。

 

 奈良商工会議所と市観光協会でつくる委員会は2007年、都市型の大型ホテル誘致などを柱に観光振興を図る提言書をまとめた。宿泊観光客が少ない背景に、客室数の少なさがあるとして、高さ制限や建ぺい率などの規制緩和を要望している。

 

 11年度の県内宿泊施設の客室数は8802室と、全国で最下位。年間3300万人の観光客が県を訪れた一方で、宿泊者数は最下位の徳島県(196万人)に次いで少なく、203万人にとどまった。大阪府は2176万人、京都府は1441万人だった。

 

 業者から進出の打診を受けたホテル事業者は「採算の合う客室数は見込めない。『高さ規制の緩和』が前提」と回答してきたといい、ホテルや大型商業施設としての活用を望む井岡理事長も「若者や外国人が来たくなる集客施設は絶対に必要。規制を取り払ってほしい」と求める。

 

 これに対し、鈴木克彦・京都工芸繊維大教授(住環境計画学)は「景観は、一度失うと取り戻すのは難しい。京都でも高さ規制の中、既存の建物を活用して成功している。行政と地元が協力して、地域の特性を生かした発展の道を模索するべきだ」と話す。

 

 仲川元庸市長は24日の記者会見で、跡地にマンションが建つという見方も出ているとしたうえで、「商業地域の空洞化が懸念され、規制緩和を検討する余地はある。専門家を交えてじっくりと議論し、景観にどんな影響を与えるか考えたい」と表明した。

 

 建物の解体は、2月末から3月初めにも始まる見込みだ。

 

(2013年1月27日  読売新聞)
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