S君のまとめ、大分市、小倉中心市街地について 4
S君が視察で気がついた点をまとめてくれていますので紹介します。
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往きの行程では、大雨で日豊線の列車が遅れ、予定より一本前の特急に小倉駅で乗り換えることで、大分への到着は予定通りとなりました。
途中、中津市手前の福岡大分県境を流れる山国川は、濁流で溢れんばかり、後に上流で行方不明者が出ていたと聞いて、さもありなんと思われました。
奈良では心配していただいた方も多かったのではないでしょうか。
1)タウンマネジメントは、「削る」ことも。
大分では、タウンマネジャーの牧さんから、大分の環境と課題、まち会社の仕事についてつぶさに聞くことができました。
印象深かったのは、会議所職員出身の同氏が、大分市街地の商業売上と商業床面積をシビアに分析し、余剰の商業床を減らす「ダウンサイジング」に取り組んでいること。
余剰床面積を修正しない限り、空き店舗対策は無効ということです。
一例の、大分サティ(地下1階、地上8階、12800平米)撤退後のビルが、どうなっているか、写真を添付します。
3F以上を削って、2Fまでにし、1F食料品、2F保育サービス、塾などに改装、地下は駐輪場として利用されています。
特に、JR大分駅がこの3月に線路の高架化が完成し、今後駅舎の跡などに、JRによって3万㎡クラスの商業施設が作られるという状況では、大型店跡だけでなしに、衰退した商業地域のゴーストタウン化を避けるためにも、ある意味で「安楽死」とも言える「住居へのコンバート」、都心居住施策が求められるということでした。
(現在の大分駅は、2年前のJR奈良駅を思わせる状態で、駅南側では、100年会館を思わせる「文化施設」が建設中でした。100m幅員の、緑のシンボルロードって、どこかで聞いた話。大阪が「パクった」のでしょうか。
地元商業者は「行政が勝手に走っている」という捉え方のようですが。)
2)リノベーションの「実際」
熊本城東マネジメントの関わりで知られる木下斉氏のツイッターやブログでもたびたび紹介される小倉魚町の「魚町タウンマネジメント」の事業、リノベーションの実際を、メルカート3番街、ポポラート3番街で拝見しました。
特に、ビル2Fの工芸作家スペース「ポポラート」は、水曜が休日のところ、ビルオーナーで、魚町TM社長でもある梯氏に、特別に開けていただき、拝見することが出来ました。(ならまち工房と、イメージ似ていますね)
如何にして、コストをかけず、小割にして入居を楽にするかという点では、奈良マーチャントシードセンターの再生にも通じるところでしょう。
魚町などでは、なまじ2,3Fのフロアのある建物があるために、逆に、テナントを入れる際の賃料が難しくなるという話もありました。
木下氏が語る話の「裏」がよく判る感じです。
以上、ごく簡単ですが、印象に残った点だけかいつまんで報告します。
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