篠田正浩氏「私が奈良で考えたこと」
機会があって、映画監督で早稲田大学特任教授の篠田正浩氏のお話を聞きました。タイトルは「私が奈良で考えたこと」。
奈良と早稲田のゆかりの会津八一先生のことを最初語られました。
そして幼少の頃から覚えている「海行かば 水漬くかばね 山行かば 草むすかばね 大君の 辺にこそ死なめ かえりみわせじ 」 「うちてしやまん」などを語られました。
そして聖武天皇、東大寺のころは、仏教はインドから、伎楽は中国から、そして百済の工人などとても国際的な時代であった。そして、大仏のつくられた時代背景、もともとの神道と仏教がつたえられ神仏習合があったこと、藤原氏の勢力の増強、興福寺と春日大社、光明皇后のこと、北山十八間戸のことなど。
万葉集の防人のこと、巻20はそのようなことを大伴家持はまとめていること。白村江のころから、防人はサキモリであり、岬などいちばんとがったところを守ったこと。それらを振り返りつつ、果たして現代の東アジアはどうであろうか、日本の外交はどうであろうか。
また伎楽は中国から伝わり、シルクロードの終着点の奈良で、猿楽、四座の能楽につながり、歌舞伎、狂言や浄瑠璃などにつながっていったこと。三番叟は、奈良坂の奈良豆比古神社の翁舞をもとにしているのではないか。また奈良坂では忌み嫌う死者を葬ることをしたのではないか。
そのほか、卑弥呼のことや奈良全般のことをとてもくわしくお話になりました。また清朝のバックボーンの宗教はチベット仏教であったこと、など興味深いことが語られました。つぎからつぎへとお話が展開されあっという間の1時間でした。
奈良は始まりであること。最後に、春日大社の岡本権宮司によれば、昨今、関東の人のほうが見る人が多いと聞きましたが、12月の春日大社のおん祭りの中にいろいろな民俗伝統芸能が、とても多く詰め込まれ残されたすばらしいお祭りである、と結ばれました。
また、篠田正浩氏はことし「河原者ノススメ」という本を書き下ろされ、2010年の泉鏡花賞を受賞されたということでした。3780円。


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