会津八一のこと
会津八一の生まれ故郷、新潟に続いて、東京日本橋の三井記念美術館で、奈良の古寺と仏像~会津八一の歌に乗せて~という展覧会が開かれているということです。(9月20日まで)http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
先日、NHKの日曜美術館でも会津八一のことがくわしく紹介されていました。深く奈良を愛した会津八一はよく講義で、「余計なことを言わず、奈良にいってこい」といわれたそうです。
奈良の喜光寺はことし南大門もりっぱに再建されましたが、10月、会津八一の歌碑が除幕されるということです。
菅原の喜光寺にて
ひとり きて かなしむ てら の しろかべ に
きしや の ひびき の ゆき かへり つつ
(一人来て悲しむ寺の白壁に汽車の響きのゆきかへりつつ)
歌意
一人やってきて、この寺の荒れ果てた様を悲しんでいる私に汽車の響きが、寺の白壁にゆきかえりする。
そしてこの春の新潟での展覧会に斑鳩の中宮寺の如意輪観音さまにお出ましいただいたということで、11月を目標に会津八一の歌碑がつくられるそうです。
中宮寺にて
みほとけ の あご と ひぢ とに あまでら の
あさ の ひかり の ともしきろ かも
(み仏の顎と肘とに尼寺の朝の光のともしきろかも )
歌意
み仏の顎と肘のあたりにこの尼寺のかすかな朝の光が射し、なつかしく心ひかれることだ
つぎつぎと会津八一の歌碑がゆかりの地にできることは、すばらしいことです。
無論浄財もたくさんいるそうです。(1つ800万円とか)。
歌の解釈などは会津八一研究家の友人素空氏の以下のhpから。http://www.geocities.jp/surume81_1/hitorigoto/81/81top.html
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ちょうど東京出張の予定が入ったので、奈良での開催を待たずに、三井記念美術館に行きました。
充実した展示だと感じました。
特に、加賀美さんによる音声ガイドでは、秋艸道人の歌が丁寧に紹介されていました。500円以上の値打ちがあると思います。
また、図録も2,500円と高いのですが、充実した内容でした。
秋の奈良県立美術館では、また違った展示内容になるようなので、
喜光寺の歌碑建立には寄付をしていますが、中宮寺に歌碑ができるのは、秋艸会から届いた資料で始めて知りました。こちらについても、一口だけの寄付をしたいと考えています。
なお、細かい指摘で恐縮ですが、中宮寺の歌で「ひじ」とあるのは、歴史的仮名遣いなので「ひぢ」になります。
投稿: やいち | 2010年8月20日 (金) 13時40分
やいちさん
コメントありがとうございました。
東京の展覧会、なかなか好評ですね。
ご指摘の旧仮名遣い訂正しました。ありがとうございました。
投稿: 鹿鳴人 | 2010年8月20日 (金) 14時17分