三橋先生の「奈良探訪記」
NPO法人まちづくり協会理事長であり、中小企業診断士の三橋重昭先生のまちづくりメルマガが早速とどきました。奈良探訪記というタイトルです。ちょっと奈良を過大評価されているのではないかと面映いところもあるのですが、了解を得ましたので原文のまま紹介します。
(以下三橋重昭先生から)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆様:
-奈良市は、中心市街地活性化のトップランナーの一つ-
奈良に4日間おりました。
奈良市が中心市街地活性化のトップランナーであるという根拠は、下記の通りです。
・ 中心市街地の一商店街で、過去3年間で個人創業の店舗が 約20店舗、こんな商店街は全国的にみてもないでしょう。
・ 中心市街地の商店街の通行量が平成14年をボトムに増加基調 を維持し続けています。
・ 奈良漬をはじめ古都の資源を活かした専門店が元気。
・ 中心市街地は、歩行者優先街路構造
・ 個店の接客サービスの全体的レベルは高い。 今年、遷都1300年で、商店街ののぼり旗には、 ~しみじみと感じる奈良のおもてなし~ の標語がありましたが、そのもてなしを多くのお店等で感じました。
奈良に行ったのは、中心地の一角、「もちいどの商店街」を次の「専門店誌」に紹介したかったこと等もあるが、ついでに私もリフレッシュしたかった。 「もちいどの商店街」の松森理事長には前に情報を頂き、中心市街地に取り組む市・商工会議所・商店街の幹部の方々との会合もセットしていただいた。
幹部の方々には気になった問題点も数多く指摘させていただいたが、それが奈良市長、大和郡山市長にも届けられると聞いて、改善されれば嬉しい。
毎日、興福寺、東大寺、正倉院、春日大社、若草山麓を歩いたが、中心地のホテルに泊まって、朝食前にこれだけの世界遺産を巡れる都市は、世界中どこに行ってもないのではないか。 おかげですっかりリフレッシュできた。
最終日は、今井町でのまちづくりフォーラム(奈良県主催)に参加した。 私が前日「もちいどの商店街」の古書店で手に入れた「今井町史」初版本は今井町でも手に入らない貴重な本だと聞いた。 ここから、日本のまちづくり・自治や商業の歴史も学びたい。
・ 中心市街地が元気な要因の最大のものは奈良市の道路事情によるものでは ないか。私もほとんどの県庁都市を訪れているが、クルマあるいは人口一人 当りの一定規格以上の道路(片側2車線以上)整備率は一番低いのではないか。西の京(薬師寺・唐招提寺)周辺をはじめ郊外部を含むところをレンタサイクル 3時間ほど走った実感である。
メインの国道24号線の道路混雑も他から比べればひどい。
その国道24号線、奈良市の中心市街地から3km強南下した市境(所在は大和郡山市)に、この3月イオンSCがオープンする。 敷地面積22.4万㎡、SCの前面は600m位はあるだろう。敷地周辺を回って
みたが、これで交通渋滞が起こらない方おかしい。
行政主導で、市街地調整区域を一気に「商業地域」に変更した例は
あまり聞かない。
法定都市計画がいかに無力なものか、関係者の見識を疑いたくなるほどだ。
建物の圧倒的なボリューム感で、SC立地周辺部の景観は一変した。
ただ、奈良の交通事情からこれだけの規模のSCができても中心市街地への
影響はさほど大きくないだろうという見方もできる。
奈良でお会いしお話させて頂いた方々は、新規創業個店経営者4名を
含み40人を超えるだろう。ついでにいうと新規創業個店経営者4名は全員
30歳前後の女性、受け応えもすごくしっかりしていた。
その内のお一人とは、新規商品開発の提案をし、受け入れていただいた
ので、発注した。
彼女からのメールを紹介したい。
三橋様
先日はご来店くださりありがとうございました
奈良のもちいどの商店街の金属工芸店ビーブッダです
私では気がつかなかったループタイのアイデアを下さったおかげで
新たな道が開けそうです。
お時間をいただけましたので三橋さんが気に入っていただけるような品を
じっくり製作させていただきます しばしお待ちくださいませ
ありがとうございました!
私も奈良でお会いした多くの方々に ありがとうございました!
と御礼を申し上げます。
平城遷都1300年記念事業の大成功を祈念しております。
平成22年2月15日
« イオン大和郡山 | トップページ | 姉妹都市物産フェア »
コメント