やまと歌壇
毎日新聞奈良版のやまと歌壇の選者は、猪股静弥先生が長らく担当されていました。
8月28日の紙面をみていると、9月から小谷稔先生が選者になられると大きくのせられています。
短歌も何もしないのですが、猪股先生も存じ上げていましたし、こんどの小谷稔先生には、高校で現代国語を教えていただきました。とても心に響く授業でした。
読者から選ばれた二十首とともに、毎週一首、小谷先生の短歌が紹介されるようです。早や40年、すっかりご無沙汰しておりますが、これから紙面でお会いできることを楽しみにしたいと思っています。
以下新聞から。(写真をクリックすると大きくなります)
{自薦5首と解説}
つひに来む別れにそなへ録音せし亡き母の声時をり笑ふ
(解説)お盆に亡き母の声をテープで聴いた。
兄逝かば廃屋とならむこの山家あはれ清すがと畳替せり
(解説)墓参の帰省、過疎の故郷は老いた兄とともに終わる。
をりをりに厨に立つはふるさとの味恋ふるなり妻には言はねど
(解説)時に厨(くりや)に立つ。この日は茗荷(みょうが)を刻んだ。
澄む空の下に垣山暮れむとし独り雲を吐く金剛の山
(解説)厳寒期、西風が上昇気流となって雲を生み続けた。
澄みに澄む天に一すぢ長く曳く雲おごそかに余光を保つ
(解説)その雲は風のない冬の夕空を荘厳(しょうごん)している。
{略歴}こたに・みのる 1928(昭和3)年、岡山県熊谷村(現・新見市)生まれ。18歳の
時に短歌結社「アララギ」入会。土屋文明氏の指導を受けるため中学教師を辞めて上
京、東京教育大学に入学。卒業後は教べんの傍ら「アララギ」選者。アララギ解散後は
「新アララギ」の創刊に参画し、同誌選者。現代歌人協会、日本文芸家協会会員、奈良産
業大学名誉教授。著書に「ふるさと」など。奈良市在住。81歳。
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