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2005年11月11日 (金)

奈良ホテル

奈良公園の春日大社の一の鳥居をさらに荒池にはさまれた道を南に歩くと、池の南西方向に奈良ホテルが見える。明治42年につくられた、日本のクラシックホテルのひとつである。本館は総桧作りのりっぱな建物だ。戦後は一時進駐軍にも接収されていたことがあったという。今の天皇陛下皇后陛下が結婚され奈良にこられたときはちょうちん行列で大変な騒ぎであったことをおぼえている。夜混雑のなか、池に落ちて助けられた子供もいたようだ。

ホテルには、なかなか有名な芸術家の作品が随所に飾られ、和風の中に洋風も取り入れられた、ホスピタリティの高いホテルだといえると思う。食事だけも良いし、喫茶だけでも訪れるのに良いスポットだ。

HPの案内にはつぎのようにあった。公式HPのアドレスも以下のとおりです。
「明治42年創業!伝統を誇る憧れのクラシックホテル!!
鹿が群れ遊ぶ奈良公園の高台に位置し、若草山、興福寺五重塔や名勝旧大乗院庭園などを四季折々の彩りと共に一望。テレビの撮影等で度々登場するこのホテルは老若男女かかわらずの人気ぶり。憧れの一軒!!
最寄駅: 近鉄奈良/奈良
奈良ホテル 
住所: 奈良県奈良市高畑町1096
電話0742-26-3300
http://www.narahotel.co.jp/main.html

以下は1997年に書かれた「クラシックホテルズ」から

平城京の雅を今に
伝えてくれる古の館
奈良ホテル 奈良ホテルは明治42年10月、関西の迎賓館として熱い期待を受け開業した。

 設計は明治建築界の大御所、辰野金吾(日銀本店や東京駅を設計)、片岡安、工事監理は河合浩蔵、施工は鉄道院で当時としては超一流のものであった。

 建設費については、計画時に5万円であったものが、最終的には35万円にもなった。かの「鹿鳴館」の建設費が18万円だったことをみてもその絢爛豪華さがしのばれる。

 奈良ホテルの数ある特徴の一つとしてメインダイニングルーム、本館宴会場、本館客室廊下の広さなどにみられる空間を贅沢に使った造りがある。「天井が高く、圧迫感がなくて気持ちがいい」というお客さまの声が多い。確かに現代のシティホテルではあじわえなくなった空間がここにはある。

 90年の歴史を一瞬に感じることが出来るこれらの諸設備の維持管理には、創業以来連綿として引き継がれてきた施設管理担当者の医師の回診を想わせるようなきめ細やかな館内外の巡回が大きな役割を果たしている。

 また、奈良ホテルといえば「皇室のご利用になるホテル」というイメージが定着している。「昭和天皇、皇太后をはじめ天皇、皇后、皇太子、同妃殿下と皇室関係の御来寧の栄誉に浴しており、大変名誉であることは当然のことながら、諸準備を遺漏なく済ませ、お迎えさせていただく何とも言えぬ緊張感を経験できる従業員の喜び。お出立の際に頂戴する感謝のお言葉は生涯忘れ得ぬ感動となってそれぞれの胸に残る」という。

 ヘレンケラー、リンドバーグなど歴史を作った様々な人々を迎えてきた奈良ホテルは、本年88歳を迎え、創業以来はじめて本館の屋根瓦を全面葺き替えし、それに伴い客室、内外壁などをリニューアルし、創業当時を彷彿とさせる姿となった。

 また、本年10月1日には、奈良ホテル直営の「奈良公園聖ラファエル教会」がいよいよオープンする。建物は周辺の景観にマッチさせ、特に本館とのバランスから木造とし、内部は杉の磨き丸太の柱と梁材の骨組みをそのままとした新鮮でドラマチックな空間構成となっている。ステンドグラスは英国ウェールズ地方の教会のもの、パイプオルガンは19世紀の有名なオルガン製作者フレデリック・W・ニコルソンの手によるヴィクトリアン調のもの、その他の備品類も直接英国から調達するなどすべての面で「奈良ホテル本館」に位負けしないように本物志向にこだわった。

 このように本年は奈良ホテルの長い歴史を飾るにふさわしい年となろう。

 創業88年にして、ある意味で生まれ変わった奈良ホテルは、奈良公園の静かなたたずまいの中で創業100周年に向けて再び確かな足どりで歩み始めたところである。

(1997年記)

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