黒川温泉
「報道2001」のキャスターの黒岩祐治さんの講演を聞く機会があった。先ごろの総選挙の裏話の後、「マグネット力」ひきつける力というお話になった。熊本の黒川温泉が不便なところにあるにもかかわらず、マグネット力があるので人がやってくる、ということであった。商品でも、店でも、町でも、惹き付ける力マグネット力が必要なのだという論旨であった。
かつて、異業種の集まりで、熊本空港からレンタカーで2時間余りかけて、黒川温泉に出かけたことがある。看板は少なく、緑に囲まれた、20数軒の温泉であった。泊った「山みず木」のご主人に話を聞いた。かつて、やまなみハイウエーが出来たころ、路線から離れ苦労した時代があった。ひとりの頑固な後藤哲也さんが、洞窟風呂という露天風呂をつくり、その旅館は繁盛したらしい。よそから婿入りした若者もいたそうだ。そうした人たちが、後藤さんに教えを受けに行ったらしい。そこで、後藤さんは、独り占めにせず、温泉街全体で盛り上げようととりくんだという。露天風呂をそれぞれの宿につくり、つくれない宿には、他の宿の露天風呂には入れるように、入湯手形を地元の木を輪切りにしたようなものをつくったのが、さらに当たったという。
以前に、本屋でふと眼につき読んだ本がある。光文社新書「黒川温泉 観光講座」後藤哲也さん・松田忠徳さんの対談だ。帯には「勝負は、お客さんが宿の駐車場に着いたとき。そこで感動を与えられるか。」「木を植えろ。雑木を植えろから再生は始まった」という。
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